投稿元:
レビューを見る
『第一部-アメリカとフラット化する世界』
『われわれが眠っているあいだに』
・グローバリゼーションは,大きな3つの時代に存在していた.一つ目は,コロンブスが航海に乗り出し,旧世界と新世界のあいだの貿易が始まった1492年から1800年まで.この変化の最重要因子は,物理的な力-腕力,場力,汽力-だった.
・次の大きな時代区分は,1800年から2000年まで続いた.世界統一を進める原動力は,多国籍企業だった.ハードウェアの分野での飛躍的躍進-鉄道や飛行機,電話-がグローバリゼーションの時代の原動力だった.
・第三の時代の原動力は,個人がグローバルに力を合わせ,またグローバルに競争をくりひろげるという,新しく得た力なのである.
『世界をフラット化した10の力』
1.ベルリンの壁の崩壊.
2.インターネットの普及と,接続の新時代.
3.共同作業を可能にした新しいソフトウェア.
4.アップローディング:コミュニティの力を利用する.
5.アウトソーシング:Y2Kとインドの目覚め.
6.オフショアリング中国のWTO加盟2001年12月11日,中国はWTOに正式加盟した.
7.サプライチェーン:ウォルマートはまぜ強いのか
8.インソーシング:UPSの新しいビジネス
9.インフォーミング:知りたいことはグーグルに聞け
10.ステロイド:新テクノロジーがさらに加速する
『三重の集積』
『大規模な整理』
・共同作業という言葉は,うんと安い労働力の利用を体裁よく言い換えただけだという指摘もある.しかし,それは一方的な見方でもある.インドの労働者はそのアウトソーシングを,発展する世界で個人に力を与える手段だと見ている.世界がフラット化する前は,そのような才能が朽ち果てていたのだ.
『第二部-アメリカとフラット化する世界』
『アメリカと自由貿易-リカードはいまも正しいか?』
・デビット・リカード「それぞれの国が比較的にコストで有意にある生産物に特化して,他国が特化した商品と貿易をおこなえば,全体として利益が生じ,双方の国の総収入レベルも上がる」という理論.
・外国との競争やイノベーションのせいでアメリカ人が仕事を失うのはごめんだ.しかし,リカードは現在でも正しい.アウトソーシングやサプライチェーンやオフショアリングに障壁を設けないほうが,アメリカの個人大多数の暮らしはよくなる.
『無敵の民』
・グローバリゼーション1.0は国が,2.0では企業が,3.0では個人が,グローバルに栄える方法か,最低でも生き残る道を考えなければならない.(ブラジル,インドの個人と競争しなければならない)
・フラットな世界で個人として栄えるには,自分を「無敵の民」にする方策を見つけなければならない.「無敵の民」とは,「自分の仕事がアウトソーシング,デジタル化オートメーション化されることがない人」を意味する.失われる仕事の大半は,インドや中国にアウトソーシングされるのではない.デジタル化,オートメーション化されるのである.
・フラットな世界には,代替可能な仕事と代替不可能な仕事の二つしかない.
��理想の才能を求めて-教育と競争の問題』
・何を習ったかに興味があったのではなく,「今日はいい質問をした?」と毎日母が質問してきた.「いい質問をすることで,私は科学者になった」
・IQよりも,努力よりも,CQ(好奇心指数),PQ(熱意指数)が必要となる.
・人とうまくやる.人間と関わる新ミドルの仕事は,膨大に増えるはずだ.
『静かな危機-科学教育にひそむ恥ずかしい秘密』
『これはテストではない』
『メキシコの守護聖人の嘆き』
・最高の教育を受けた労働力があり,競争力のあるインフラと環境が申し分なく整っていて,それを想像力に傾けることができ,政府が協力的なところに仕事は集まる.
『企業とフラット化する世界』
『企業はどう対処しているか』
・優良企業は優良共同作業者である.いずれの分野も,バリュー創出の次の階層はきわめて複雑になるから,独力でそれをマスターできる会社や部・課はどこにもない.価値ある新しい飛躍的進歩をもたらすには,ますます細分化する専門分野をもっと結び付けなければならない.同時進行で有機的に.現在の事業で中核となる競争力は,協力関係だ.
・フラットな世界では,定期的にX線検査を受け,結果を顧客に売り込むことで,優良企業が健康体を維持する.自社のニッチを常に見極めて強化し,差別化につながらないものをアウトソーシングする.アウトソーシングできる部分を手放し,中核となる可能性のあるプロジェクトに振り向ける.
『地政学とフラット化する世界』
『フラットでない世界』
・途上国で病む人々の苦難は,二重の悲劇だ.個人としての悲劇と,フラット化した世界の外にいるため,貢献することを逃していること.
『ローカルのグローバル化』
投稿元:
レビューを見る
インターネットの普及で距離がなくなり、その場所に物理的にいなくても、より高い仕事が発展途上国の国でも均一に可能になったと言う、解説本と受け止めました。
著者が各国に取材に行き、その経験談を盛り込み 非常に解りやすく、ビジネスの変化を説明しています。
本当に、上巻だけでもかなりのボリュームがあります。
と言うか、いままで読んだ本の中で一番時間がかかったかもしれないです。、
現実には発展途上国に生まれ育てば、ハンデは現在でも間違いなく存在するが、以前は努力が全くの無駄だったのが、それが少しづつ報われる世界になってきていると理解出来ました。
仕事が分散化され、より効率化が進み、先進国はより一層の努力をし続ける義務がり、本当にビジネスの世界は厳しく、より変化が早く自分には関係ない世界ではないとも思い、より上のレベルを日々見なければ、生き残っていけないと言う危機感も非常に大きく感じて、貴重な世界を教えてもらった一冊です。
しかしこの本を本当の意味で理解と言うのは、限りなく不可能に近いのでは?
と思うぐらいボリュームがあります。
これで上巻なんですよね・・・・。
投稿元:
レビューを見る
08年の本だけど読んでいない人は読んだ方が良いと思いますよ。今さらなんて言わないで、読まないよりは、読んだ方が良い。普通、感想は、上下巻読んでから書くんだろうけれども、下巻を読み終わるのが待ち遠しくて書きました。そんな本です。
投稿元:
レビューを見る
米国に出張していたときに読んだ。折りしも米国のホテルでPCの接続ができず、ホテルではサポートができないからと言われ、コールセンターに電話をした。
相手の人の英語は堪能だったものの、街中の英語よりも聞きやすいし、応対も非常に丁寧で、コールセンターがどこにあるかが気になる。これが、『フラット化する世界(上・下)』(トーマス・フリードマン著)の世界です。コールセンターが人件費の安い国や地域に置かれる(フラット化する)のは既に聞く話ですが、そういうことが受話器の向こうなのか、と思うと妙に実感する。
本は上下巻と長いですが、物語っぽく読めるので面白いと思う。国境のない企業の考え方や行動が手にとるように伝わってくるのが面白い。
僕のブログの記事:http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20070915/1255949609
投稿元:
レビューを見る
ここ20年間でどれだけ世界が変わって、今まさに何が起こってるのか、知らないところで想像もつかないことがどんどん動いているんだってことを実感。テクノロジーを人間の身体の拡張としか捉えられないと、この大きな変化はぴんとこないかもしれない。好むと好まざるとに関わらず、こんな世界を相手にしていかなくちゃいけないというのは、恐ろしいような楽しそうなようなそんな気分。
ただ、こうした変化がこれから社会に及ぼす影響とか、それへの対応の仕方とかになると、素朴なアメリカ中心の自由市場経済の肯定に走ってしまう。あれだけ現状を丹念に調べたのに比べてあまりにも根拠が薄いというか、ほとんど信念みたいなものになってしまってる。アメリカや自由市場経済に対して無批判すぎないだろうか。もっとほかのスタイルはないんだろうか。そこのところはもう少し考えてほしかった。
【読書メモ】
・フラットな世界には代替可能な仕事と代替不可能な仕事の二つしかない
・どんな組織でも、点(ドット)人間と全体像人間が必要になる
・未来には常に新しいことが待ち受けているから、絶えず勉強するしかない。そのとき、自分はマーシア個人商店だということを悟った。学び続ける責任は自分一人が負っている。資源は手に入る。あとは自分が率先してやるかどうかだと
・三つの問題の権威に成るといい。ただし、その三つが絶えずかわっているのは意識しないといけない
・おまえが中国で100万人に一人の人材だとしても、お前みたいなやつは他に1万3000人いるんだ
・危機は逃すことそ恐ろしい
投稿元:
レビューを見る
世界がフラット化したため、様々な恩恵を受けた。しかし、自分の仕事がアウトソーシング、デジタル化、オートメーション化される事が無いものにしなければ、生きて行けなくなる。
投稿元:
レビューを見る
いまさら解説する必要もない本。
なぜ世界がフラット化したのか、その要因とインパクトについてロジカルにまとめられている。
この本のすごい点は、本で述べられている思想が多くの大企業、外資系企業の戦略に取り入れられていることであると思う。
投稿元:
レビューを見る
生々しい迫力
主にグローバリゼーションとITインフラの進歩によって世界全体がどんどんフラット化しているという話。昔図書館で借りてちょっとだけ読んで放置していたのを、今更ながら読み返してみた。
この本の特徴はその具体例記述のハンパない量。各グローバル企業のトップが語る世界観や、世界中のあらゆる国のあらゆる階層の人からの綿密な取材を通して、世界で今起こっていることを浮き彫りにしている。
「ITの進化によって、生まれた国や地域によるハンディは劇的に減った。いまや能力と意欲があるものは、誰でもイノベーションに参加できる。」
ページ数はムチャ多い。文章量もハンパないんだけれどそれぞれの具体例が面白くて、思った以上にサクサク読み進んでしまえる。
清々しいけど、焦る読後感
読み終えた感想は「世界は広い。俺は何も知らない」。普段自分が生活している範囲とは全く違う次元の世界で、そんなドラスティックな変革が起こっているということへの驚きと、それに対する自分の実感の無さ。それにいくばくかの危機感を覚えた。
安穏としていると自分の仕事が全てアウトソーシング対象となるか、もしくはコモディティ化され付加価値を失うんじゃないかという不安感が、そこはかとなく漂ってくる。
この間のプロジェクトでのオフショア発注は約150人月、ピーク時40人体制ぐらいになってたと思うんだけれど、そのアウトプットの質の高さには驚いた覚えがある。全く同じ作業が日本内でできたかと思うと、とてもじゃないけれど無理だったんじゃないかなという正直な感想もある。
うん、自分の身近にもそういう例があるじゃないか。見過ごしていただけか、自分自身と関連付けて捉えることができていなかっただけか。
そんなこんなで、自分の環境をもう一段高い視点で見直すことができるきっかけをくれた良書でした。一言でいうと「英語を勉強する」気になります。はい。
投稿元:
レビューを見る
(「BOOK」データベースより)
ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが、インド、中国、日本、欧米諸国の経営者や政治家らへの綿密な取材をもとに、今まさに全世界で起きている巨大な変化を鮮やかに活写した「21世紀を生きる人の必読書」が早くも増補改訂版で登場。世界の仕組みは大きく変わった。新しい通信テクノロジーの出現によって、地球上のあらゆる場所にいる人間との共同作業が可能になり、インドや中国へのアウトソーシングが始まった。ブログやGoogleはインターネットに接続する個人にグローバルな競争力を与え、ウォルマートやUPSは人々の想像力を超えた新ビジネスを展開している。いまや、個人の働き方、企業のビジネスモデル、さらには国家のシステムが猛烈な勢いで変わろうとしているのだ。この劇的な大変化こそ、「世界のフラット化」である。全米300万部の大ベストセラーを記録した第1回「ビジネス・ブック・オブ・ジ・イヤー賞」受賞作に、個人がフラット化する世界でどう生き抜くべきかを説いた「あなたとフラット化する世界」と題したセクションを追加、結論もアップデート。
投稿元:
レビューを見る
ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが、インド、中国、日本、欧米諸国の経営者や政治家らへの綿密な取材をもとに、今われわれの目前で起きている巨大な変化を鮮やかに活写する。全米で社会現象を引き起こした超ベストセラー(「Book」データベースより)。この評判の通り、世界についての新しい見方を紹介してくれます。下記のディズニー化する社会に加えてグローバリゼーションを理解するには一度読むべき本だと思います。
【図書館1階開架 361.5/FRI】
投稿元:
レビューを見る
インドのIT状況がよく分かった。今までは、アメリカに留学をしなればいけなかったが、地球の反対側で開発、電話応対ができるようになったことで、まさにフラット化され、ロケーション関係なく、出来る人が力を発揮できるようになった。
同じようなことを何度も繰り返しているように感じ、文章としてはもう少し要約して欲しかったが、ためになった。
先進国での仕事が問われる時代だと感じた。
投稿元:
レビューを見る
2011年4月25日読了。空間・時間・文化の壁が消え「フラット化」した世界についての洞察と、この世界で生きていくための指針などを説く書。大ベストセラーのようだが、未来の話や仮説などではなく、「まさにいま・世界中で起きている変化」について書かれた本であり、読んでいて非常に興奮するしゾッとするような・足元が崩れるような感覚にとらわれもする・・・。「世界をフラット化させた/促進させた10の要素」について触れられているが、ほとんどが「技術」に起因するものであることが興味深い。曲がりなりにも「技術」に直に接せられる業界で働けていることは、自分にとって幸運なことであるのかもしれない。もっとも、次の世代を生きる子供たちにとっては「技術をウリにして生きる」ことは、想像を絶する困難な道になるのだろうが・・・。
投稿元:
レビューを見る
新しい通信テクノロジーの出現によって、地球上のあらゆる場所にいる人間との共同作業が可能になり、インドや中国などへのアウトソーシングが始まった。そのことによって競争相手も増えているし、競争を勝ち抜くために必要なスキルも高度になっている。自分がいかに井の中の蛙状態になっているかを痛感させられた。
投稿元:
レビューを見る
まずは上刊読んだ後の感想。
タイトル通りの内容かな。びっくりするような発見はここには書かれていなかった。
ITや世界経済に興味のない人には新鮮に映るかもしれないけど、このないようだと知的好奇心が刺激されないな。
それでも、フラット化した要因として挙げられていた中の、アウトソーシングの項目の内容がY2K問題を通したインドのITアウトソースビジネスの幕開けだったというのと、中国のWTO加盟の果たした役割などは新しい発見だった。
投稿者 shinz21 時刻: 0:03 0 コメント
メールで送信
投稿元:
レビューを見る
グローバル化はもはや国境を取り払った。かつは人とモノの移動速度は等しい状況にあった。すなわち日本においては、手紙は飛脚によって配達されていたので、人とモノの伝達速度が同じであった。
だが、グローバル化はその状況を破壊した。今やモノの伝達速度は光速に近づいているだけでなく、国境を越えることで、国同士の距離が限りなくゼロになり、単一のものに変貌した。これがフラット化した世界である。
フラット化した世界の立役者は言うまでもく情報技術の発達であるが、それだけでは二流のフラット化である。すなわち筆者は、現代においては三つの集束が行われていると主張する。
一つは、機械の複合や、ネットワークを駆使したシステムの統合・単一化。二つ目は、そのようなシステムの単一化とビジネスモデルの統合。そして最後は、そのような「競技場」の中に今まで入れなかった人々ーすなわちアジアやアフリカなどの途上国の人々ーが入場できるようになったことである。