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百人一首に登場する猿丸大夫だか、その歌に隠された謎を解き明かす。特にどんでん返しはないが、あー、暗号ってそういう風に作られているのかー、とか、ちょっとした知識欲を満たしてくれる本だ。
現代から薬を使って過去にタイムスリップする設定だが、その設定はほんとに必要な設定だったのかは?だ。
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第26回江戸川乱歩賞受賞作品。
導入部のタイムスリップ設定と終盤の殺人事件はメインパートのための物語の装置なのだ。(前者の理由はあとがきに書いてある)
どれほどタイムスリップがチープなSFみたいだろうと、殺人事件がとってつけたように起ころうと、そんなのどうでもよくなるくらいメインパートが放つ歴史のロマンと暗号解読が素晴らしく面白かった。
ジョセフィン・テイの「時の娘」が好きな人におすすめ。
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柿本人麻呂の和歌が好きなので本書を手に取った。
(ほとんど)折口信夫が主人公で、友達の柿本といろは歌の暗号の謎を解くのがおもしろい。和歌の文字数の制限がある上に意味も通して、さらに沓冠などの言葉遊びも入れるなんですごい。そんなジャンルがあるんですね!
だんだん因習のある村が登場して不吉な雰囲気を出すのが上手いので、読んでいてぞくぞくした。面白いのでこの辺りから一気に読めてしまった。
物語は折口の視点で完結しているので、なぜ主人公を折口にせず現代の香坂の視点が無理やり用意されたのか疑問だったが、解説で論説の話に触れられたので納得した。
香坂の金沢にいる母の旧姓は猿丸で、猿丸額も引き継いでおり、折口の事も知っていたけど柿本悦子と血の繋がりがあるのかしら?本人?
事件の真相は理解できたけど、考え方の違いでせっかくの血筋と口伝を絶やさなくてもよかったんじゃないかなあとは思った。
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古文、日本史に興味がある人は始めの百ページをちょっとレクチャーと思って我慢(^^) 読み進むと、おー!凄い世界へ。
最後まで引き込まれてしまいました。
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江戸川乱歩賞の中でも特に傑作ときいて。
柿本人麻呂の言い伝えを解く折口信夫。古典と和歌とパズルの切り口は、正面から切り開く正統派ミステリだった。
3分の2は信夫視点だったけど、現代から夢として信夫をトレースする主人公は不要だったのでは。
その構図がしっくりこないので星マイナス1。
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いろは歌の奥深さに驚かされました。一つの歌にいろんな意味・仕掛けを込めていた昔の歌人の頭の中を見てみたい。