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他者と接しながら生活をしていると、私たちは様々なことに対して怒りを経験することがあると思います。しかし、そういった怒りを何の配慮もなしに相手に ぶつけていたら、その人との関係性が壊れてしまうかもしれません。だからといって、怒りが自分の中でいつまでも消えないことはとてもつらいことですし、怒りは様々な影響過程を経て身体の不健康につながる可能性もあります(怒りと健康との関連については本書第5章参照)。もちろん、怒りっぽいかどうかには個人差がありますし、怒りに良い側面が全くないわけではありません。しかし、怒りとうまくつきあっていくための理論や方法を知ることで今よりも幸せな生活を送れるようになる人は少なからず存在するでしょう。
本書は、学術的な心理学研究の知見に基づき、怒りに関する基礎的な知識や理論を説明した上で、怒りへの対処方法を紹介しています。専門的な研究知見に基づいて論を展開していますが、言葉遣いも説明も分かりやすいので高校生ぐらいの年齢の方でも 理解できると思います(はしがきで編者もそう言っています)。怒りとはどういうものなのかを学びたい方、怒りへの対処方法を学びたい方、読みやすい本で心理学研究に触れてみたい方におススメしたい一冊です。
(ラーニング・アドバイザー/心理 KANAI)
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