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最初の展開がのんびりなのがつらいんですが、二転三転のストーリーはさすがです。「シャドウ」の方がインパクトは強いんですが、本作もなかなかです。ただ、やはり序盤がつらいので★四つ。
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<08/2/5> いきなり言ってしまいますが、この作品、私は作者のこれまでのところの最高傑作だと思います。
作者のストーリーテリングのうまさにはいつも舌を巻きます。この作品も例外ではありません。それだけで一個のミニミステリを構成するような、遊び心満載の導入部分。それでまずがっちりとハートをわしづかみにされ、あとは現在と過去を行きつ戻りつするミステリアスでサスペンスフルな展開にページを繰るのが止まらなくなります。事件が起きるまでの前半部、ゆっくりじわじわと腹の下の方から不安と恐怖を掻き立てていく作者の手腕も見事です。
やがて事件が起き、そこから物語のスピードが増し、心地よいリズムで結末へとなだれ込んでいきます。そして、すべての真相が明らかになった時、私は愕然・驚嘆・呆然となりました。こういう騙し方があったのかと。だからラットマンなんだと。
スゴイのは、そのラットマンが二層にも三層にも仕掛けられていること。事件の真相、物語の構図、過去と現在、登場人物と読者・・・。
他の作品にはまま見られた無理や破綻もこの作品には全くない上に物語の面白さ、ミステリとしての仕掛けも申し分なく、冒頭にも書いたように、これまでのところの作者の最高傑作といっていい仕上がりになっています。
唯一の不満は冒頭のミニミステリのその後の扱いくらいでしょうか。
【じっちゃんの誤読的評価:★★★★☆】
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過去の事件と現在の事件がオーバーラップして謎が解き明かされてゆく。
読後、表題の「ラットマン」を見てやっぱり道尾さんはすごいなと思った。
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冒頭のエレベーターの話は、本編に関係なかったのか…
それぞれの思い違い・思い込みが重なって起こった2つの悲劇。ラストで、物語が返る返る、ひっくり返りまくりです。なんだか今回も「やられた」感が残りましたよ、道尾さん(^^
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「カラスの親指」が出てあわてて読みました。
中国新聞の書評ですごく評価が高かったので、期待していたんですが、期待の9割くらいの満足度。
確かにおもしろかったんだけど、なんだろうなー物足りなく感じました。
話の展開上登場するお決まりの不幸要素が、ただのキーワードに成り下がっていて白けたというのもあるし、
そもそも序盤でもうオチの方向性は見えてしまうし、
それでもなお面白いと思わせる一手に欠けた作品という印象。
ささっと読めて巧みなどんでん。
やっぱりなんだかんだ言っても、この人巧い。
仕事はひじょうに繊細だし、完成度は申し分ない高さ。
オチの方向性が見えていても、なかなかピタリと予想するのは難しい。
誰もがとりあえず一読して感心するくらいには良作だと思います。
期待も先入観もなしに読んだら、評価が変わっていたかもしれません。
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突っ込みどころはネタバレになるから書けないけど、プロットはよく練られてるわ。
それにしても「重力ピエロ」、「ビットトレーダー」なんか読んでも思うわけだけど、家庭の幸せってほんとある意味奇跡だし、大切にしないといけないわ。
(2008/3/28)
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主人公は30歳くらいの男性、エアロスミスのコピーバンドを学生時代から続けている。数年前、恋人のドラムスがバンドを引退して、変わりに妹がドラムスになった・・・。ここまでは、恋の三角関係か? と読んでいくと、主人公の暗い家族にまつわるトラウマが出てくる。ラットマンとは、心理学で有名な絵からのタイトルらしい。同じねずみ顔の絵が、動物の絵の続きに並ぶと『ねずみ』に見えるし、人間の顔の絵に並べると『親父顔』に見える。思い込みとか、トラウマとかを上手に利用して若者たちを主人公にしたミステリー。殺人事件が起きて、さぁ、バンドはどうなる?
是非、読んでみてください。面白い!
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見る角度、周りの状況によっていろいろなものにみえる「ラットマン」勘違いの連鎖が引き起こす騒動、殺人事件。
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結成14年のアマチュアロックバンドが練習中のスタジオで遭遇した不可解な事件。浮かび上がるメンバーの過去と現在、そして未来。
ラストでは細部に張り巡らされた伏線が完璧に活かされており、気持ちよく騙されることができる。
「ラットマン(騙し絵)」というタイトルも絶妙。
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2008/4/某
タイトルと内容がそこまで合っていないんじゃないかなーと個人的には思ったけど、誤解だらけの内容に驚いた。
なんか誰も報われてないよな…。
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切なすぎる。
最後はもう・・・素敵だけど泣けました。
こんなのってありなの?って思う。
誤解の積み重ね・・・
結局、誰か報われたのかなぁ?って思わざるを得ないところがまた・・・。
家族の幸せって貴重なんですね。
二転三転する展開、何度もひっくり返される度にうなります。
ほんとさすがとしか言えない完成度。うますぎです。傑作でしょ。
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まず入り方が上手い。
あれよあれよという間に引き込まれ、実際分量も多くないのであっという間に読み終えてしまう。
いわゆる叙述ミステリーに分類されるように感じるが、非常に高い技術で筋が運ばれていてスピーディでもある。
この展開、ストーリーならばもう少し枝葉やディテールを厚くして長い小説にできたんじゃないかな、という気がしないでもないが、それは無理な望みというものか。
作品全体を貫く空気感が、何となく貴志祐介の「青の炎」と似ているかも、とちょっとだけ思った、ラストも含めて。
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秀逸。
作品をそれ以前の他の作品を引き合いに出して称賛することは、その作品に対しての尊敬という点でやや欠けると思われるので、あまりしたくはないが、この作品は伊坂幸太郎の『重力ピエロ』にも似ている感じがあるが、最後は物語に予想が追い付けないほどの秀逸さ。
登場人物の名前やタイトルの意味を読後にもう一度考えると、改めて道尾秀介という作家の秀逸さに脱帽である。
「一生懸命に真似をすれば、その人の本当にやりたかったことがわかる」
というセリフが印象的でした。
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主人公の姫川亮は30歳。
高校時代の同級生とロックバンドを結成して14年、
会社員となった今も活動を続けている。
そんなある日、練習スタジオである事件が発生。
そこから、23年前に死んだ亮の父や姉の記憶がよみがえり、
物語には、不穏な空気が流れ始めるのだが。。。
ラットマンとは、
同じ1枚の絵が、周囲の状況によって、「ねずみ」にも「男」にも見える、
という心理学では有名なイラストのことらしい。。。
この物語りも、自分が思い込んでいたことが、
見方によってはまったく別のものに。。。
想像を絶する結末で、思わず悲鳴を上げてしまいました。
まさか?! という、だまされたうれしさと、そして、切なさと。。。
様々な感情が入り乱れ、満足の読後感、
彼の作品はほとんど読んでいるけれども、
これは、特に私好みで、感激!
ぜひ、皆さんにもおすすめしたいです!
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最近、本の情報に疎かったので、こんな人がいらっしゃったんだって驚きました。
こんなに簡単に読めて、それでいてストーリーは簡単ではなくて。
ダレるところがなくて、最後まで一気読みでした。
カマキリの件、わたしには興味深かったです。
このカマキリの話、うちの子供がよく言っていたけれど本当の話だとは知りませんでした。
このことを、子供はなぜか「ゼンマイ」と呼んでいました。