紙の本
おなじみ「探偵法月綸太郎」が活躍します
2008/03/01 19:01
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふるふる - この投稿者のレビュー一覧を見る
6話の連作短編集。
いずれも初めに星座にまつわるギリシャ神話が短く出てきます。その後、それにまつわるような事件がおこるという内容です。神話は登場人物の名前が覚えにくいので少し頭が混乱しますが、事件に移るとすっきりと読めます。
どれも秀作ぞろいで期待を裏切りません。一番よかったのは「乙女座 冥府に囚われた娘」です。
この著者の作品は長編が年間ミステリーの1位になったりしていますが、私は本作のような短編の方が好きです。
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パズル的すぎるものとか、「え、それでいいの?」という印象のものが多いと感じた。
謎が軽い?というか。
でも、「ゼウスの子供たち」と「ヒュドラ第十の首」の二編は、さすが犯人当て小説だけあってしっかり作られていた。
特に「ヒュドラ第十の首」は、手袋を巡るロジックが見もの。
あとは……どうかな?
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久々法月綸太郎の短篇集。どれも面白く読めるが、今回は重くならないようにとのことで、ガチガチの本格を期待するとやや物足りなさも残る。
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パズラー好みの短編集。クオリティーの高さもさることながら、テーマに沿った構成も見事で、最後まで安心して読んでいられる。犯人当て企画のために書かれた作品もあるので、作者に挑戦するつもりで読み進めるのも面白いかも。行き詰ったところで探偵役が登場するパターンはどれも同じだが、意識的にマンネリ化を避け、バラエティに富んだ作品集になっているので、退屈することはまずないだろう。企画モノだとこの作者がイキイキして見えるのは私の気のせいだろうか…。
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(収録作品)牡羊座 ギリシャ羊の秘密/牡牛座 六人の女王の問題/双子座 ゼウスの息子たち/蟹座 ヒュドラ第十の首/獅子座 鏡の中のライオン/乙女座 冥府に囚われた娘
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『【牡羊座】 ギリシア羊の秘密』
ホームレスの生活に潜入取材を行っていた飯田才蔵が世話になっていたアリョーシャと呼ばれるホームレスが刺殺される。現場にいた才蔵も何者かに殴られ気を失う。アリョーシャが持っていたブックカバー。アリョーシャの過去。持ち去られたジャケットの謎。
『【牡牛座】 六人の女王の問題』
ライター・虻原サトルが残した自殺の予告と思われる原稿。かつて同じ劇団に所属していた赤星剛四郎のマンションでの転落死。呑めないはずのお酒を飲んでの転落。劇団時代に書いたシナリオをめぐっての対立。赤星と女優をめぐっても対立していた虻原。シナリオに登場する6人の女戦士の謎。
『【双子座】 ゼウスの息子たち』
カンズメのためにリゾートホテルにやってきた綸太郎。レストランのシェフ里中はフランス帰りで話題のホテル。レストランで因縁をふかっける箕面。恐喝屋の箕面。双子同士で結婚した藤堂オーナー。弟、妹カップルの事故死。夜中の会談中に発見された箕面の遺体。里中シェフが話す入れ替わりの可能性。
『【蟹座】 ヒュドラ大十の首』
殺害された蟹江六郎。自殺した妹のアパートにそのまま住み続けていた蟹江。妹の自殺の原因となった男を探し復讐をしようとしての返り討か?3人の「ヒラドノブユキ」。残された5枚のゴム手袋。
『【獅子座】 鏡の中のライオン』
殺害された女優・仙道美也子。美也子が主演で映像化される予定の台本の作者・滝本佳樹。滝本の家で発見された美也子のピアスの片割れ。美也子の地位に似つかわしくない安いピアス。
『【乙女座】 冥府に囚われた娘』
水中毒で入院している北条志穂。意識が戻らない彼女から送られたメール。彼女の看病をしている母親の麦子の冷たい反応。ダイエットのためにMDMAを使用していた可能性のある志穂。殺害された志穂の同級生・小山田。MDMAを志穂に渡した人物は?
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黄道十二星座とギリシャ神話をモチーフにした短編ミステリ集。
?では、牡牛座〜乙女座までの6作品が収録されています。
著者自身が「気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさいなにも残さない、そんな娯楽奉仕に徹したミステリー集」を目指したと言うとおり、ミステリ以上でもミステリ以下でもない、まっとうで端正なミステリ短編集そのものでした。
あえてストーリー性は薄く、mixiとか脳内メーカーとかハヤリの小物・シナリオ風の叙述を使って遊び心を演出。ポップで完成度の高いパズルに仕上がってます。
ロジックがきっちりしていて、読者に対してフェアなのはさすが。
後半戦も期待できそうです。
しかし、蟹座の化け蟹のエピソードは、いつ読んでも悲惨で泣ける。
蟹座=カマセ
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ユーモアのある作家さんです。
ギリシャ神話(と、星座)をモチーフにした六つのミステリが収まっているとあれば読まないわけにはいかないでしょう。
父親が警視、息子は名探偵というところや「ギリシャ羊の秘密」というタイトル付けなど、巻末でも明かされているとおり、エラリー大好きですね。
そのほかにもパロディやオマージュといったものに満ちた作品で、「ギリシャ羊〜」に出てくる荒川、河童、金星人とくれば荒川アンダーザグラウンド。
さらに殺されたホームレスの名前はアリョーシャ。カラマーゾフももちろんですが、虚無への供物を思い出しました。
作品としての完成度をいえば、もちろん表題作「六人の女王の問題」が一番でしょう。あとは「ゼウスの息子たち」が好きだったかな。
というか、ほかは神話との結びつきが若干こじつけっぽい。
カストルとポルックス、ペルセポネー、ハデス、ヒュドラ。ギリシャ神話の中でも馴染みの強いキャラクターたちが登場してます。
父子はクイーン父子に比べるともちろん魅力は劣ります。
この短編集の中ではそうコミュニケーションはなかったからどうとは言えないけれど、「父親に頼まれたら協力してしまう息子」「息子の敬語口調」など、あきらかに重ねて書いている以上、互いに支えあうクイーン父子の関係性も取り入れて欲しかったな。
しかしまあ、四十を超える人の手によるものとは思えない、若い感性の、ユーモアに溢れた書でした。
今回はテーマ勝ち。ギリシャ神話をモチーフにしてればどんな本でも楽しく読めてしまうのがわたしの癖なので。
他の作品も読んでみてから決めたいですね。
この本は好きです。ちょっと欲しい。(ギリシャ神話のところだけ読み返したいから)
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初・法月綸太郎
初めて読む法月作品がこれってのは微妙チョイスだったと読み終わって思いました。笑
扉のところに著者自身が「プロフェッショナルな仕事」をするということを明言しているだけあって、ここまでギリシャ神話の星座の話に絡めたミステリィの構成は凄いと思う。さすがプロ!
だけど一番最初のゴールデン・フリースはなんだか強引なような気も…。
「作家の想像力を刺激する事件ですね」
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★あらすじ(表題作より)
人気ライターの虻原が、マンションから転落死した。そのマンションには、長年虻原との確執を抱えた俳優が住んでいた。状況証拠はその俳優を犯人と指し示すように見えた。
しかし虻原は転落死の直前、雑誌の連載コラムに妙な俳句もどきを2首遺していた。「6人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージをつけて。
★感想
悩めるシリーズ探偵、法月綸太郎の、星座をテーマにした短編集。この本には、牡羊座〜乙女座の黄道十二宮前半星座6作品が収録されています。表題作は牡牛座がテーマです。後半星座もいずれ出るらしいです。
法月さん本人が、見返しの著者のことばでおっしゃってますように「六つの星座に六つの謎−−−気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない、そんな娯楽奉仕に徹したミステリー集」です。
うん、おっしゃる通り、シンプルにパズル的な推理を愉しめる短編集です。長編のように、どすぐろ〜い気分になったり、ホラー的な描写も、悩める綸太郎も殆どありません。どの作品も、安心して推理に没頭できます。
どれもトリック的には目ウロコで、表題作も( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーって感じでしたが、頭の悪いどり的にはちょっと難しかったです><パズルの好きな方なら大喜びだと思いますが。
個人的には「ヒュドラ第十の首」(蟹座)が一番印象深かったかなあ。手袋の謎が解けた瞬間、うわーそういうことか納得ぅ、とハタと膝を叩きたくなる感じ(いや実際には叩いてませんけど)。
これはこれで面白いので後半星座も期待してお待ちしますが、でもやっぱり『生首にきいてみろ』みたいなずっしり黒いのがまた読みたいですよ。よろしくお願いしますよ(←誰に言ってる?)
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星座にまつわる伝説をテーマにしたミステリ短編集。どれも「犯人当て」が楽しめる趣向ですね。おそらく二冊目も出るんだろうなあ。楽しみ。
お気に入りは「冥府に囚われた娘」。あとがきで書かれているとおり、ちょっと毛色の変わった作品ですね。犯人当てとしてはちょっと王道外れてるかもしれないけれど、意外な話で楽しめました。
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エラリィ・クイーンにならって「○○の謎」は良くあるけれど、犯罪カレンダーにならって犯罪ホロスコープとは憎い。星座にこだわるあまり若干強引な感じもいなめないけれど。「ゼウスの息子たち」は雑誌で問題編、解決編と分けて読んだ。かなりやられた。星座との絡みも秀逸。
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星座がモチーフになった短編推理小説集
まっとうで清く正しきホームレス・アリョーシャさんが殺された。彼にかけられたゴールデン・フリースのジャケットはなぜ現場から持ち去られたのか・・・「ギリシャ羊の秘密」
売れっ子ライターと劇団主宰者との確執。謎の俳句を読み解くと・・・「六人の女王の問題」
リゾートホテルに不似合いな客は、誰をゆすりにやってきたのか。ヒントはオーナー夫妻の過去の不幸・・・「ゼウスの子供たち」
容疑者は3人。殺された男の部屋にあったゴム手袋は何を語るのか・・・「ヒュドラ第十の首」
天性のオーラの持ち主だった女優が殺された。犯人を追う手がかりは、彼女に見劣りする蝶のピアスひとつで・・・「鏡の中のライオン」
都市伝説とミネラルウォーターダイエット。水中毒で死んだ女性と熱中症で死んだ男性の関係は・・・「冥府に囚われた娘」
今回は牡羊座から乙女座までの6つのストーリーです
相変わらず法月くんは沈着冷静に謎を解き明かしてますよ。
脳内メーカーやらMIXIやら、時事ネタが盛り込まれていたりするので、もっとずっと後になったら「うわ、これなつかしいよね~」と逆に懐かしく思い出しそう。
表題作に出てくる劇団は、作者の奥さまも指摘なさっていましたが、やっぱり劇団新☆感線を思い起こさせますね。
(じゃあロザムンド山崎は右近さんなんだろーか)
後半の6つはいつ出るんでしょ?
なるべく早めに読みたいなぁ。
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12星座を題材にして事件を描き、個別のロジックを用いて事件を解く手法はすごい。
ふたご座の話がむちゃくちゃ面白い。
後半もじっくり練ってください。
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12星座をモチーフにした短編集。
最初に星座の神話が紹介されてて
お話しがそれにも擬えられてて面白かったです。
残りの6つも楽しみです♪