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[ 内容 ]
まだこんなすごいウィザードがいた!
バリュー銘柄で儲ける秘訣や発掘法がわかる。
[ 目次 ]
フィル・マシューズ
ピーター・ガイ
アンドリュー・シッソン
ロバート・メープル・ブラウン
ロン・ブライアリー卿とゲーリー・ワイス
ジム・ミルナーとロバート・ミルナー
アレックス・ウエスリッツ
ティム・ヒューズ
エリック・メタノムスキー
ブライアン・プライス
デビッド・パラダイス
アントン・タリアフェロ
ピーター・ホール
ジェフ・ウィルソン
グレッグ・ペリー
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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オーストラリアの株式投資家インタビュー集。規模が小さいし、インタビュアーの質問内容も凡庸だが、この手の本を読むと少しアドレナリンが出てくる感じがする。2005年に行われたインタビューが中心だが、異口同音にオーストラリア市場のバブルぶりを懸念しており、キャッシュ比率を高めた、などの内容が並ぶ。オーストラリア市場がその後さらにバブっている現在、これを読むと感慨深いものがある。やはり未来は誰にも分らないということなのだろう。。。・リスクプレミアムとして4%程度が妥当と思われているようだ。オーストラリアのようにリスクフリーのレートが5%超の国では9% の利回りの株が「バリュー」になるのだろうが、日本の現状にこれをはめるのはちょっと難しい。■本当にすぐれた投資家になるためには、献身的かつ多大な努力が必要です。たいていの人はパートタイムでやっているのではありませんか■現金を持っておくことは重要です■歴史を考えれば、私はどこかの時点では正しくなり、そのときにはチャンスが生まれます。本物の逆張り投資家の場合、ある程度短期的な痛みがあるのが普通です
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【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年版第19位】
原書名は「Masters of the Market」で、第2版の邦訳が本書だ。
冒頭のフィル・マシューズ、ピーター・ガイ、アンドリュー・シッソンの
3人を加えたのが第2版だそうで、今後第3版、第4版と出ることがあるのだろうか。
しかし「Masters」なのに「魔術師」を名乗るのはいかがなものか。
第1章 フィル・マシューズ
『方針は一番良いと思った銘柄を買って、できるだけ長く保有することですが、
それが正しいかどうかを確認することと、間違った場合に備えて十分流動性の
高い銘柄を選ぶということは必ず守っています』
「大事なことは学ぶことをやめてはいけないということで、
そのためには常に自分の知識の枠組みを押し広げていく努力をすべきです」
「トレンドを正しく選んで、正しい株価で買えば簡単に儲けることができます。
つまり、もし正しいトレンドを見つければ、少ない銘柄のなかから選ぶだけで
すみます。」
「みんなが世界の終わりだと思うときは、たいては最高の投資チャンスです」
「大事なのは、まずトレンドに投資することです。もし自分が正しいと思ったら、
まず打って出て、質問はあとからするということです」
「本にはお金を惜しみません。もし150豪ドル分の本を買って
アイデアをひとつ得られれば、それは良い買い物です」
「新しい銘柄を探して入れ替えていくよりも、知っている銘柄を保有し続ける
ほうがずっと簡単です。銘柄自体や、経営陣の経歴や業界についてまったく
知らない銘柄を買うよりも、知識のある銘柄を買う方がずっとうまくいきます」
「投資家として成功するためには、いくつかの力が必要だと思います。
まずは、感情的な状況も経済的な状況も読み取る能力、つまりインタビューしながら
相手の本音を理解する力が要ります」
「それに打たれ強くなることも大事です。ノックアウトされるたびに、次のチャンスが生まれるからです。間違いが将来の大きな成功につながったケースは、これまでに何度もありました。むしろ、間違わなければ現在の成功はなかったかもしれません」
「損失から学んだことで、今日の僕たちがあるのです。
損失を出したくはありませんが、最大の学びもまた損失から得られるのです」
「自分が最高だと思う銘柄を大量に保有できることが他のファンドより有利な点だと思いますし、少なくともこれまで読んだ本には世界中の優れた投資家がそうしていると書いてありました。彼らはみんな、自分が最高だと思うものを、ファンドをリスクにさらさない範囲でできるかぎり買っています」
「自分の最高のアイデアに投資することは、高リスクではなく低リスクだと思っています」
第2章 ピーター・ガイ(名前がカッコイイ)
『自分で自分を教育して、その限界を広げることはできますが、
大事なことは自分の限界を知り、理���できる範囲内で投資することです。
理解できないところへの投資は、投機です』
「私は絶対に超小型株の分野に専念しようと決めています」
「小さい会社ほど有望と言えます。投資する最低サイズを決めている
ファンドマネジャーもいますが、私はサイズに関する条件はつけていません」
「自分の世界は理解しやすい小規模の企業だと見極めました」
「本当に優れた投資家になるためには、献身的かつ多大な努力が必要です」
「私の趣味は投資関連の書籍を読むことで、良い本は手に入る限りすべて読んでいます。もしお勧めの本があれば、買って読むつもりです。文字通り、何百冊もの本を読みました」
「二つ目は、小さい企業の方が割安で買える可能性が高いことです。また、小企業のマーケットの方が効率性が働かないため、動きが単純です。そして三つ目の理由は、小企業の中にはライフサイクルの初期段階にあって、将来大きく成長を遂げる企業が時々見つかるからです」
「私は投資の聖杯は、成長するものを探すことだと思っています」→★重要
「私が興味があるものは本業の成長で、それは売り上げから来るものです。成長とは、結局のところ一株当たり利益の伸び、つまり最終利益で、それが成長している企業を探しています。ただ、同時に収入が増えていることも確認します」
「成長企業を探すには、地域で成功していて全国展開が可能な会社を探すのもひとつの方法です。また、それとは別に、業界の再編や統合でも、成長企業は見つかります」
「投資の最初の原則は、価格に厳しくあることです」
「私の投資先の大部分はサービス会社です。
メーカーに投資することはほとんどありません」
「それは全般的にキャッシュフローの性質が優れているからです。
メーカーで本当に強力なフランチャイズを築いている会社はなかなか見つかりません」
「株価は本質的価値を上回ることがあります。投資家の最大のミスのひとつは、売るのが早すぎることですが、私も初期の頃はそれをしました」
「企業が成熟段階に近づいているところで、ここで売りを考え始めるのは利にかなっています」
「本質的価値とは、その会社から取り出せるすべてのお金の正味現在価値というのが、その正体です」
「私は、常に三年くらい先を見ています。その企業が三年後にどのくらいの収益を上げているか、そのときのマーケットはどのくらいに評価しそうか、などと考えるのです」
「平均保有期間は、多分五年です。私が投資家として成功した主な理由は、早く売りすぎなかったことだと思います」
「ある銘柄が、ライフサイクルの成熟期に向かっているのに、株価が本質的価値だと思う価格よりかなり高ければ、売ることを考慮した方が良いかもしれません」
「ただ、株価は適正価値から、割高、はるかに割高へと上昇することもあります。売りの判断を最終調整するためには、モメンタム、インサイダーの買い、インサイダーの売り、機関投資家の売買などを考慮するのもよいでしょう」
「例えば、ある程度の時価総額に達して指標��構成銘柄になれば、機関投資家という新しい世界の買い手が現れます。そうなれば、普通は売るのは先延ばししませんか。このような局面を見るためには、ファンダメンタル分析ではなくテクニカル分析も必要です」
「小型株の多くは経営者が大株主になっているため、最初に『この経営者は私に儲けさせる気があるのか』ということを考えます。もし答えが『ノー』なら、どれほど事業内容が良くても、投資はしたくありません」
「(どうしたら、経営者が株主を儲けさせたくないとわかるのですか。経営者の報酬が大きすぎるとか、事業からの支出が多すぎるとかからですか)そうです。あとはディスクロージャー(情報開示)の仕方や、全体的な姿勢です」
「逆張り投資には、正式あるいは公式な定義はありませんが、私はこれを群衆に同調せず、その逆を行くことだと思っています」
「ネイルが言っているように、トレンドがある間は群衆は正しいのですが、初めと終わりは間違っています。つまり、群衆はほとんどの時期は正しいのですが、重要な分岐点、つまり転換点では間違っているということです。ネイルの教えは、どんなときでも常識を疑い、反対の道も考慮しろということです」
「私は、ほかの人たちとは違った視点を持つことで、競争に打ち勝っていこうと思っています」
「私はひとりで行動します。そして、投資はDIYビジネスだと思います」
「私は、たいていは単純なビジネスで、テクノロジーによって吹き飛ばされない会社に投資しています」
「ひたすら読んで、読んで、読んで、読むことで、常にアンテナを張って最新の情報を入手するようにしておくだけです。テクノロジーの変化は脅威にもなれば、チャンスにもなります」
「私は単純なビジネスに投資するのが好きですが、単純だと思ったビジネスに投資しても、2〜3年たったらまったく予想もしなかったことが起こって業界の性質が変わってしまう可能性があることもわかっています。だから大事なのは、常に最新の情報を得るようにしておくことです」
第3章 アンドリュー・シッソン
『いつか回復するバリュー銘柄を買わなければいけないということです。バリュー銘柄なら、打撃を受けてもいずれ回復しますが、それ以外の銘柄がノックダウンされたら、二度と上昇しないかもしれません』
「企業の将来の展開ではなく、そのとき保有している資産の価値と比較して割安の銘柄を買うと言うことです」
「賢明な投資家はひとつのポジションの失敗で大きな痛手を被ることのないポートフォリオを構築しています。いくつかの銘柄が短期的に下げていても、ほかの銘柄が利益を生んでいれば良いということです」
「まずは正しい計算をしなければなりません。そして、確信を持ったら、あとはそれを信じ続ける勇気を持つことです」
第8章 ティム・ヒューズ
『横ばいのマーケットでは、業界再編につながる可能性もある構造改革や
規制緩和があっても、その評価を維持できる株を見つける必要があります』
「真の逆張り家とは、マーケットが下げているときに買い、上げているときに売ることです。これが過去二〜三年の��の状態を最もよく説明しています」
「フィルターをかけ、選別し、循環させるということです。自己満足と快適さによってどんよりと漂流していくマーケットで利益を上げることはとても難しいことです。
結局、きちんと利益を上げているセクターで、最高の経営陣がいる企業を選ぶしかないでしょう」
第12章 アントン・タリアフェロ
『景気循環株の一部は、今年の収益に対して割安に見えています。ここで大きな疑問は、今後もその景気循環が存在するかどうかということですが、われわれは景気循環は絶対にあると考えています。景気循環には上昇期と同じだけ下降期があり、今は景気循環株を買う時期ではありません』
「少し早く買って少し早く売るというわれわれの手法は、おそらく変わらないでしょう。バリュー投資のマネジャーは、みんなそういう傾向があります」
「生き残るための唯一の方法は、ファンドマネジャーとして長期的なパフォーマンスを維持していくことです。つまり、私が目指すのはパフォーマンスを向上させることです」
第14章 ジェフ・ウィルソン(この本の著者の一人)
『ファンドマネジャーにとって重要なのは、自分の投資手法を順守することですが、多くの人はつい群衆に従ってしまいます。もしマーケットに価値ある銘柄がなければ、現金で保有します。いずれチャンスが巡ってくることは歴史を見ればわかっているからです。成功する投資家の最も重要な資質のひとつは、忍耐です。でも、残念ながら多くの投資家はそれを持っていません。われわれはリワードがリスクよりはるかに大きいと思えるとき以外は投資しません』
「投資先導型の対象となるのは、持続可能なビジネスモデル、配当実績、利益、プラスのフリーキャッシュフロー、高ROE(株主資本利益率)などがある会社です」
「忍耐強く待っていれば、バリュー投資のチャンスが必ず巡ってくることはわかっています」
「私が常に探しているのは、会社(一株あたりの収益)を大きく成長させる強力な経営陣がいて、適正な価格で(PER倍率が低い)、成長する業種でそのメリットを生かせるポジションにあり、キャッシュフローがプラスで、ROEが高い企業です」
「(この二年間で学んだことは)忍耐です。新しいファンドで忍耐強く待っていると、一般投資家集団の忍耐のなさがよくわかります。でも、彼らの忍耐のなさは常にチャンスを提供してくれています。二つ目は、パニックに陥らないということです。これは長年にわたって何度も教訓として学んでいます」
Amazonの中古で定価2,800円に対し2.6倍のプレミアムがついており、
とても購入する気にはなれず図書館で借りて読んだ。
こういうとき、図書館は本当にありがたい。