投稿元:
レビューを見る
ほぼ鎖国状態の‘近代化’に遅れた貧乏国で、インドと中国という大国にはさまれた小さな立憲君主制の国(2008年から国王の命令で立憲君主制のもとでの議会制民主主義に移行)が、第4代元国王のGNH(国民総幸福)という方針で注目され、「世界幸福地図」の第8位にランクインしている。同じく貧しい鎖国家の北朝鮮がGNM(国民総不幸)で注目されているのと大違いなのはどうしてだろうと、ブータンと北朝鮮の基本的な条件の違いを気にしつつ読んだ。●森林が多く、国土の8%しか耕作地がないけれど、国民の80%が農業に従事し、食料はほぼ自給自足できていままで飢饉も無かった。●1度も外国の植民地になったことがない。ご近所がロシアではなくインド。●伝統的に母系性社会で女性が経済基盤を相続する場合が多く、またもともと結婚のための法的制度がない(今はある)。●第5代国王に譲位しながら国王の権力を縮小し議会制民主主義への移行を断行した第4代国王は質素な人で、国王の車はトヨタのランドクルーザーであった。国賓用のロールスロイスも処分。形式ばらない、気配り上手な人柄らしい。●仏教国。100年前に王制になる前は仏権国家。普通の人には見えないものが見えるという人が多いらしい。●もともと他民族多言語国家だった。など、同じ貧乏でもずいぶん違うということが分かる。たぶんこの中で一番決定的なのは食べ物だろう。10年間もブータン国立図書館顧問として首都ティンプに滞在したという著者による本で、平易だけれど深みのある文章で、ブータンの人たちのよいところがよく分かる面白い本だった。
投稿元:
レビューを見る
Gross National Happines(国民総幸福)という考え方。
日本に一番かけているものかも。
エコ大国ブータンが良く分ります。
投稿元:
レビューを見る
ブータン なんてステキな国なんでしょう。
大学生のうちに、ここ1年以内に必ず訪れたいと思います。
国民総幸福。第四代国王。切手論争。上からの民主化。
ほかのブータンに関する書籍や、チベット仏教についても学んでみたい。
投稿元:
レビューを見る
ブータンっていう国あんまり知らなかったけど、昨日テレビでドキュメンタリー見た。GDPよりGNH(Gross National Hapiness)つづりちがうかも 笑 を重視しているらしい。近代化は目指すけど西洋化は目指さないらしい。お金を持つことが幸せとは限らないことを、先進国を見て学んだらしい。結果的に、国民の95%が自分は幸せだと感じているらしい。鶴が毎年越冬に来る生活と、電線がある生活(電気のある生活)の二者択一を迫られたとき、鶴のいる生活を選んだらしい。
でも近代化と西洋化は違うって言い切れるのかなぁ。今はそんなに裕福じゃないから物欲とかないかもしれないけど、だんだん国民も経済的に豊かな暮らしがしたいって思うんじゃないかなぁ。自分の中で、幸せな瞬間とそうでない瞬間はあるけど、相対的な幸せって他人と比較して初めて気づくんじゃないかなぁ。でも相対的な幸せなんて考える意味ないのかなぁ。わからん・・・
あと、ブータンの若者がカフェでブータン語ではなく英語で会話していた。別に、中国みたいに地元の言葉が通じないとかいうわけでもないらしい。ただ「英語のほうが楽だったから」と言っていた。また、伝統的な服装(着物にすごく似てる!)の着用の義務づけがなくなり、洋服をきてもよくなったらしい。
それって固有の文化が失われつつあり、まさに西洋化っていうんじゃないのかなぁ。表面的な西洋化は仕方なく、もっと根本的な考え方がそうでなければいいいってこと?わからん・・・
ブータン語はまだ大丈夫かもしれないけど、存在の危機にある希少言語っていっぱいあるらしい。必要じゃないものがなくなっていくのは仕方ないことなのかもしれないけど、なんかさみしい。
ちなみにブータンの国王(王子?)はイケメンでした。
投稿元:
レビューを見る
●未読
「週刊ダイヤモンド」2009.03.21号 「あなたの知らない貧困」p.40〜41「貧困本」×16冊 4-3
投稿元:
レビューを見る
著者の実体験に基づくブータン研究&滞在記。
エピソードが面白く、ブータンへの興味もアップ!
「仏教や経典が生きている」というくだりは、日本人として考えさせられるものがありました。
第四代国王、そして国立図書館館長ロポン・ペマラ氏に会ってみたいです!
投稿元:
レビューを見る
同僚から借りた1冊。国民総生産ではなく、国民総幸福を宣言する世界でも唯一の国。以前から興味があったが、そのブータンについての情報はまだほとんど知ることがなかった。それをこの機会に知ることができた。
流れとしては、著者がブータンとかかわりあってから、10年在住するにいたった経緯について、そして30年以上にわたっての変化した部分と、変化していない部分。
現代の文明を受け入れつつ、変化しつつ、根底は変化させないというブータン。
見た目は、ふた昔、それより前の日本のようなのであろうか、それでも多くの国民が幸せと感じるブータン。立地、歴史的には、決して恵まれているわけではなく、悩み多かったであろうと思われる。だからこそ、国民の幸福を願う国王が、国民に選ばれ、支持され続ける土台があるのかもしれない。
一度訪問したいという思いは、今も変わらず思い続けている。
投稿元:
レビューを見る
今枝さんのブータン大好きっぷりがひしひしと伝わってくる岩波新書です。ブータン入門書としても楽しく読めると思いますが、僕は特に第1章、「秘境の中の秘境」「ほぼ完全なる鎖国状態」ブータンへ入国するまでの今枝さんの長い道のりを本当に興味深く読みました。デリーのチャナキャプリ地区にあるブータン大使館を訪れ、何ヵ月も待ち続け…の繰り返し。その忍耐と行動力は尊敬に値します。
僕も2002年2月にデリーのブータン大使館を訪れたことがありますが、あの大使館の伝統的なブータン建築はお見事の一言、チャナキャプリ地区のはずれで、ひとりブータンに思いを馳せたものです。
投稿元:
レビューを見る
国の豊かさを図る新しい指標、国民総幸福(GNH)で話題になったブータン。一体どんな国なのか・・・。
国民の幸せ、信仰心を犠牲にしてまで国を豊かにする必要はないという信念をもったがゆえに、現代から取り残された国として有名になった。私たちが近代化を急ぐあまりどこかに置いてきてしまった大切なものとこを国の人たちは、まだ持っている。
本当の豊かさとは何か。。。ブータンから今の急ぎすぎた近代社会のひずみが見えてくる。
投稿元:
レビューを見る
前代ブータン第4代国王が提唱した「国民総幸福(GNH)」という概念。伝統と自然を守り、近代化を慎重に進め、自らが率先して民主化を進めた。
「古き良き○○」という言葉があるが、まさにそれを大切にしたのがこの国王なんではないか、と感じた。
投稿元:
レビューを見る
ブータンの本を探すと、ほっとんど今枝さんが絡んでいるので、
その今枝さんがいろんな本で色々語るなかで、最新ではどう思ってるのか、どう捉えているのか、わかって面白い。ほかの本も読むと微妙に考え方が変わっている分野もあって。
投稿元:
レビューを見る
中谷厳「資本主義はなぜ自壊したのか」でブータンが紹介されていて、興味を持って読んでみました。GNPに変わる新しい価値基準としてのGNH(国民総幸福)、それを1976年に国王が提唱したというのには驚きました。「豊かさ」っていったいなんなんだろう。
投稿元:
レビューを見る
題名の通り、今枝さんはブータンの虜になってます。
読んでるこっちも虜になりそう笑
もちろんブータンのように昔ながらの伝統が残っていて、日本が近代化する中で失ってきたような心の余裕とか優しさというものがブータンには残っているっていうのは、裏返していえば開発されてない、近代化から取り残されているともいえる。
実際若者たちはメディアなどを通じて先進国への憧れを持ち、西洋化への道を歩み出してもいるし。
いいとこずくめとはいえないと思う。生活もやっぱり不便やと思うし。
でも、それでも国王の政策には目を見張るものがあると思う。
資本主義の流れにのって、国を開発して観光地にすることもできるやろう。今は開放してない伝統的なお寺や山なども、外貨収入の手だてになると思う。
でも、信仰心の強いブータン人には、お寺や山(神?仏?が宿っていると信じられている)が仏教徒でもない観光客に汚されることをよしとしない。
だから、国王の政策で禁止にした。
本の中でも引き合いに出されているけど、お寺とかを売り物にしてる京都に住んでて、しかも観光客が集うような有名なお寺がたくさんあることを誇りにも思っている私にはない考え方だった。
貧しいけれど医療・教育は無料。
こういう政策って、先進国よりも途上国に多い気がする。中南米にもそういう国が多いと思う。
そういうことを考えると、やっぱり何が”先進”で何が”途上”なのかわからない。
儲かるか儲からないかじゃなくて、やっぱり国民の命、最低限の生活水準や充足度を保障する。そこに国家の目標があるのが理想なんちゃうかなぁ。
ブータンの政治についてももう少し勉強して日本やアメリカ、そして北欧などとの政治や体制と比較してみたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
ちょっとしたきっかけでブータンに興味を持っていたのでこの本を読んでみることにしました
皆さんはブータンという国を知っていますか??
今チベットの問題が大きく新聞やテレビで取り上げられていますが、ブータンはそのあたりにある国です
経済発展よりも自分たちのペースで技術やモノを取り入れている彼らは本当にマイペースな人々だと思います
日本という国は戦後どんどん発展し、暮らしは豊かになってきました
その一方でブータンのように自分たちのペースで生活をし、経済発展などは二の次だ位に考えている国もあることをぜひ知ってください
投稿元:
レビューを見る
書いてる人の学者っぽさ、
そしてイワナミっぷりを味わうブータン。
いえいえ、別に揶揄しているのではなく、その生真面目さにより、ブータンのもともとの魅力が“可笑しみ”までも加えて味わえる一冊になっているってわけで。