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前作「孤高のメス」の印象から、どうしても優秀な外科医を軸にし、医学界の暗部をリアルに織り交ぜた小説という感触が有ったが、本作はあくまで末期がんを患った女性の許されざる愛を中心に描いたヒューマンドラマであるといえる。以前のレビューでも書いたがそういう意味では今回の本のタイトルは大失敗だと思う。
前作では大学病院の腐敗部分を背景に臓器移植という先端医療を緻密に描写することで物語の世界観をリアルに作り出していた。 それ故に登場人物は否が応でも人間臭く、読み手は自然に嫌悪感を抱いたり、好意を抱いたりした。
本作品では乳がんという女性としての尊厳を奪う病気を中心に据えることで、医学的な側面が物語の基盤を支える一方、メインストーリーである不貞の愛、家族愛、親子愛の描写が際立ち、物語の完成度を高めているように感じた。
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うーん、やっぱり、乳癌手術のあり方、、、というのは単なる刺身のツマのようなもので、本書は中高年の恋愛小説?
あとがきを読むと、不義の相手の佐倉医師に自分自身を重ね合わせているようなんだけど、、、ずいぶん都合のよろしいことばっかりのようで。。。
(2008/7/1)
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物語としてはそこそこ面白いかもしれないが、人に勧められるような小説ではない。昼ドラの原作になりそう。
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孤高のメスは趣が違って、医療ものというよりは恋愛小説。上巻の後半は読み進めるのが億劫だったが、下巻は闘病生活をベースに話を進めていくで気怠く一本調子に進む展開に緊張感を持たせている。現実的かどうかというのは置いておくとしても、死にゆく家庭で何を考えるか、どう生きていくべきかということを自分も考えさせられる。
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上巻と同じく、恋愛部分がうっとうしく感じました。子供たちの恋愛状況まで描かれてうんざり。
女主人公は不倫の子を故意に生んだうえに、不倫相手の種がいいからと娘びいきはするし、頭がいいことをおつむがいいだなんていうし、全然感情移入できませんでした。
自分の子ではないのに成人するまで育てさせられた夫には同情しますが、不義の子とわかっても妻を問いただせないことにいらいらしてしまいました。
安っぽい恋愛小説でした。
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医療物ではあるが志津の気持ちだけが先走って行く。もちろん自分の病気のことがあるからだろうが、なかなか感情移入が出来ない、共感出来ない。
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美人看護師とデキるドクターの不倫。
一言で言えば、それで終わり。
結婚している身でありながら、不倫により外科医の
佐倉の子を身ごもり、夫の子であると偽り、女児を出産し、その子を三宝(みほ)と名付け、戸籍上の夫の子として育てる。
看護師として働きキャリアを積んでいる最中、乳がんになる。
いろいろ事情をつけて、かつての不倫相手、佐倉がいる秋田県の僻地の病院で手術を受ける。当時に再建も受け、仕事にも復帰して、子どもも順調に育つ中、手術から4年後、肩の激痛に襲われる…
骨転移で立てなくなり、その後はホスピスに移り最期を迎える。
三宝に宛てた日記、遺書などは、三宝にとって青天の霹靂であり、もう既に亡くなっているので、聞くとこもできず。思い悩んで、実際の父である佐倉を尋ねていくが既に退職していた。
その後の話が、緋色のメス完結編に書かれている。
そうそう上手くいくとも思えないが、フィクションだから仕方ないかな。
医療ものを読むたび思うのは、メスを使う外科医はサマになるし、憧れだ…
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佐倉の腕は本物だった。乳がんは摘出され、乳房再建術によって新たな胸も得て、志津は無事職場復帰を遂げることが出来た。しかし、佐倉に面会した夫と息子は、佐倉と志津の過去に疑念を抱き始める。一方志津は、佐倉に新たな想いを抱き始める。だが、術後4年目、志津の体に異変が起きる。