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(2008/9/4読了)最貧国の貧困改善には、援助だけでは有効でないとする。最底辺にとどまらせる原因として、紛争の罠・天然資源の罠・内陸国であることの罠・劣悪なガバナンスの罠を挙げ、この解決には援助だけでなく、時には軍事介入による安全保障、立法による不正な資金の蓄積の抑止、国際憲章による民主化、貿易政策による経済の引き上げも必要だとする。
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グラフを使用せずに、数時も大まかなものだけに限られていて、開発経済学の初心者でもとっつき易いのではないでしょうか。
個人的にはもう少し、具体的な数字なども知りたいですが。
なぜ、貧困国はいつまでも貧困の罠から抜け出せないのかについてとてもわかりやすく書かれている本。
個人的にはコリアーの考え方のがジェフリー・サックスより好き。
援助や資源が輸出を弱くするとか、興味深い事実が多かった。
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地球上60億人の中で、最優先で救われるべき10億人が存在する・・・
10億人が最底辺に陥ってしまった原因、グローバル化と彼らの関連、彼らのためにそれ以外の人たちがすべきことの提言、などが記されている。
彼らのためにできることとしては、例えばG8やOECDによる援助が思いつく。
しかし、これらは必ずしも彼らのためになっているとは限らない。
なぜなら、こういった援助は成果を上げやすい、最底辺よりも上位の国々への支援になっていることが多いからである。
つまり、臭いものに蓋をしているということだ。
また、最底辺の国への援助がなされたとしても、それは軍部のク―デタ―資金となったりする恐れがある。
さらに、首尾よく政府が使える資金となったとしても、それがクーデター抑止の目的で結局軍部へ金が流れることも度々だ。
援助といった一見効果的に見える方法でも、それが成果を上げるためには幾多もの障害がある。
個人のレベルとしてやれることは少ないかもしれないが、頭の片隅に置いておかなければならない大切なことを教えてくれる本である。
最底辺側から見える世界も知りたいので、いい本があったら教えてほしいです。
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●未読
◎「スラム化する日本経済」p.72で紹介
〜アフリカの最貧困諸国に焦点を当てた著作。
*「アフリカ詣で」:先進国がアフリカに都合の良い『資源供給基地』の役割を果たして貰い続ける為、
「支援」の名の下に彼らを囲い込み、自分たちの都合に合わない発展経路に踏み込む事を阻もうとする。
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貧困を生み出す4つの罠(紛争の罠、天然資源の罠、内陸国の罠、小国における悪いガバナンスの罠)を挙げ、それらに対する解決策を提示している。
従来の開発戦略とは異なる新しい視点からの指摘であり、内容は興味深い。
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いやほんまに勉強になりました。
最底辺の10億人。ほとんどがアフリカ、後はアフガニスタンとかハイチとか数カ国も含まれる。
それらの国々が発展できない内的原因として、
①紛争の罠
②天然資源の罠
③内陸国の罠
④小国における悪いガバナンスの罠
と、外的要因としてはグローバリゼーション(全面的に否定するわけではなく、アジア諸国がグローバル市場に進出した今、最底辺国には進出が非常に難しくなっているということを論じてた)
をあげてそれぞれを解説、
それぞれの解決策を
①援助
②安全保障
③法・規範の制定
④貿易政策
にわけて説明。
内陸国の罠というのは今まであまり考えたことなかったな。
確かに、内陸国は輸出するのに他の国よりコストがかかったりとか、周辺国(海に到達するまでに通る国)のインフラに依存するからアフリカなんかでは大きな問題になる。
日本にいてはなかなか気づけない点でした。
いかに自分が偏った思想を持っていたのかをまた気づかれた。
左翼に対するメッセージ、右翼に対するメッセージを読んで。
私はグローバリゼーションや経済成長の負の面ばかり見てたなあ。
負の面があることは否定できない。
ダグラス・ラミスさんの言うこと(詳しくは『経済成長がなければ私たちは豊かになれないのだろうか』を参照ください)にも説得力があるのは事実。
でも、やっぱ私たちが反開発を唱えたって何の意味もないと思う。
むしろ反発されると思う。途上国の人に。
それを言うならば、途上国が発展していく反対側で、先進国がもっとエネルギーとか使わない生活に転換していく。
行き過ぎたと思う。
そうするしかない。資源もいつまでもあるわけじゃないねんから。
資本主義や自由貿易の長所をきちんと学ばないとだめですね。
反対してるだけではあかんってわかってたはずなのに、私の思考は気づいたらそうなってたらしい。
この資源がなくなっていく時代の中で、効率的に資源を使ったりとか、省エネ技術を生み出せる競争ができるのは市場経済でこそ。
国際分業だって、効率性でいえばやっぱりその上をいく理論は今のところないと思う。
ただし。
大事なのは、分配。
みんながみんな工業化できるわけじゃない。
みんながみんな大企業に勤められるわけじゃない。
生まれた国によって、生まれた地域によってつく仕事とか生活水準とか左右されてしまうけど、できるだけその格差を縮めないとあかんと思う。
それに重要なのが援助なら、援助ももっとすべきと思うようになった。
でも、「援助」っていうと、やって「あげています」っていう傲慢なニュアンスがあるから、もっと公平な分配が当たり前になるようにしなあかんね。それがこの人のいう規範にも相当するかも。
分業の基本は、妻が料理を作って、旦那が魚を売る。それぞれ特化する。そうしたら生み出される利益は最大になる。ここでは、妻と旦那は利益を同じように享受できる。それなら素晴らしいシステム。
でもここで、妻が作った��理を二人とも食べてるのに、旦那が魚からもらった利益を独り占めしたらあかん。
これが産業間格差の根本的なところかなと思う。
もちろん、産業によっては必要な投資額も違うし、研究費を回収はしなあかんという事実はわからなあかんけど。
この本に反論するとすれば、天然資源はもう先は長くないということと、国際法を信じすぎというところかな。
一次産品、特に食糧分野の交易条件の向上について考えたくなった。
でも、農業をビジネスにしてしまうことは環境破壊してしまうから結構私は懐疑的。
効率がいい方が利益があがることはわかってるけど、エネルギー効率化とはまた違う。肥料使えば使う程、その土地の寿命は縮む。環境汚染だけでなく、人体や動物への影響も激しいし。
持続可能な農業で、労働者がきちんと生活できるようになればいいのに。
…これって日本の農業にもいえるな。
よし、勉強しよう。
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10億人の人々が生活している、LLDCと呼ばれるような後発発展途上国(特にアフリカ諸国)が、なぜこうも何十年もの間停滞の歴史を歩んできたのかを、「4つの罠」にまとめて分析。その上で解決するためにとるべき手段を提示。
統計を数多く取っているようで、信頼性も高いんだろう。
しかしわれわれが取るべき手段として、軍事介入を正当化している点はかなりあやうい。筆者は介入をためらったことがルワンダの悲劇を引き起こしたと論じているが、逆に介入をしたために生じた悲劇も数多いことを忘れてはならない。
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「貧困国」ではなく、「最貧困国」に焦点を当てた本。ここでの「最貧困国」とは、明日の食料にも困っている、死と隣り合わせという最も貧しい10億人の住む国のこと。
コリアー氏は、貧困の原因(罠)を4つに分けて説明している。
4つの罠…
(1)紛争の罠、(2)天然資源の罠、(3)内陸国の罠、(4)悪い統治の罠
原因(罠)がなぜ結果(貧困)につながるのかがよくわかる。
特に「天然資源の罠」の話は目からウロコでした。嬉しいはずの石油産出が、なぜか貧困を生み出してしまう過程が描かれています。
他にも、「援助が貧困を招く」「独裁が経済の安定をつくる」など、不思議な経済構造が、実際の事例をはさみつつ説明されています。
とにかく、1冊ですごい勉強になりました。
開発経済に興味がある人にはめちゃオススメです。
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ゼミで取り扱った本。
なぜ貧困国は貧困から脱することができないのかについて、4つの罠とそれを解決するための4つの手段について、実証を基に細かく言及された本。
援助が機能しないのはなぜか?貿易政策はどのようにあるべきか?などなど。
とても勉強になった一冊。内容もとても楽しかった。
ただ、この本にも限界は感じる。貧困解決がそれほど容易でないことはわかる。だから解決策を提示しにくい部分もあることはわかる。わかるのだけれども、もう一歩踏み込んだ内容を、と言ったところが随所にみられた。
でもそのような高望みをしたくなるくらいいい本であることも確か。
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現存する世界の問題で最も解決困難な問題の一つ。本質的にアポリアなこの種の議論にまっとうな方法で原因の解明と解決策の提示を行っている点ですばらしい人だなと思った。間接的には第一世界の人間に影響のあることなのでぜひ一読されたし。
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貧困層への「募金」が正しく援助活動に使われているのか、いやそうではないようだ、では私たちができることってなんだろう、とかねてから疑問に思っていた。そんなときに、この本の存在を知った。
ただお金を差し上げて効果があがるのは、よく統治されている国においてだけ。最底辺の国においては、あまり効果を見込めない。
軍事費に使われてしまったり、本当に援助が必要な部分に援助金の1%しか回っていなかったり、という現実がやはりあるということ。
援助は援助でも「開発援助」が好ましいこと。
最後に私たち一般人ができることが書いてある。
現状を知り、これまでの考え方を改めること。
著者の掲げる3つの命題・・・。
現在私たちが直面している開発の問題は、過去のものとは異なっていること。
底辺の国では、変化を成し遂げようと戦っている人とこれを阻止するグループとの間で
激しい抗争がおきていること。
私たちは傍観者であってはならないということ。
貿易政策、安全保障政策、法律の改正と新たな国際憲章の制定を視野にいれて、手段を拡大していく必要があること。
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貧困国、主にアフリカのことを書いているのだけど、とにかく冷静に分析している。内容は確かなデータと分析でリアルにアフリカの現状をつづっている。こんなにも貧しく、助けることができない現状。社会貢献が一種のブームみたいになっているけど、そんなレベルでは全く届かない問題。それでも何かできることはないか提案している著者。
まだまだ知らない世界がありすぎる。
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ルポっぽい内容かと思いきや、定量的な経済学の本。これまでの貧困問題は、10億の豊かな世界と50億の貧しい世界の問題であった。現在は、これが逆転してBottom billion が問題となっている。著者によると、これらに共通した問題点は四点あり・紛争のわな内戦によって貧困になるとも言えるが、逆に貧困が内戦を引き起こす面も無視できない。国の所得が低いほど内戦は長期化する。輸出産品の価値が高いと戦費を調達しやすくなるのでさらに長期化する・天然資源の罠徴税に頼る必要がなくなり、民主主義が機能しなくなる・劣悪な隣国に囲まれている内陸国の罠海外貿易に困難が多くなり、経済発展が阻害される・悪いガバナンスの罠対策として・資金の援助は1%程度成長率を押し上げていると推測されているが、それでようやく0%になっており、あまり効果は望めない・ジェフリー・サックスら左派はこれを重視している・メディアの役割は大きく、これまで援助の20%程度しか目的のために使われていなかったのが、援助の使途を報道するようになった後は90%が目的のために使われるようになった
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興味深い。底辺の10億人とは、経済成長に乗り遅れ、低成長/衰退の罠にはまっているという事例が紹介されている。
個人的には、最近の日本の衰退も、こういった最底辺国と同じ根を持つ罠にはまっているのではないかと思われる。対岸の火の話ではない。
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110902byTeru-san
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第一部 なにが本当の問題なのか?
第一章 脱落し崩壊する最底辺の一〇億人の国
第二部 これらの国を捕らえる数々の罠
第二章 紛争の罠
第三章 天然資源の罠
第四章 内陸国の罠
第五章 小国における悪いガバナンスの罠
第三部 グローバル化がもたらしたもの
第六章 世界経済の中で好機を逸する最貧国
第四部 われわれのとるべき手段
第七章 救済のための援助となっているのか?
第八章 軍事介入
第九章 法と憲章
第一〇章 周縁化を逆転させる貿易政策
第五部 最底辺の一〇億人の国にとっての戦い
第一一章 われわれの行動の指針
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貧困国問題のキーワード「ボトム・ビリオン」(最底辺に生きる10億人)の出典、ついに日本でも刊行。アフリカ経済問題の第一人者による援助にかかわるすべてのプレイヤー(国、機関、団体)への根本批判、超辛口の書。
柔軟性を欠く先進国、
縦割りの国際援助機関、
貪るだけの石油・建設企業、
そして、知性を欠いた善意のみに終始するNGO――
著者は、いずれも地獄の縁に生きるアフリカの人々を本気で救おうとはしていない、と断じる。
本書は一般向けに(世界の有権者へのアピールとして)書かれているが、最新の研究成果から、内戦と民族間の憎悪・所得の不平等・政治的抑圧などとの間に相関関係がないこと、民主制の下でも援助金が機能しない場合が多々あること、天然資源の収益が大きい場合民主政府は独裁政府の経済成長を上回れないこと、根本的な政策転換は内戦後ほど起きやすいこと等々、統計データに基づいて意表を突く事実を陸続と挙げ、既成の貧困国イメージを粉砕していく。そして、最貧の国々を捕らえる四つの罠――
1「紛争の罠」
2「天然資源の罠」
3「内陸国であることの罠」
4「劣悪なガバナンス(統治)の罠」
の新たな克服法を提唱する。
サハラ以南のアフリカ諸国の惨状、最貧の国々を捕らえ続ける四つの罠。柔軟性を欠く先進国、貪るだけの石油・建設企業、善意のみのNGO。誰も地獄の縁に生きるアフリカの人々を本気で救おうとはしていない。最も貧しい国々のために本当になすべきことは何か?
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