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第1章 この問題に対して古典物理学者はどう近づくか?
第2章 遺伝のしくみ
第3章 突然変異
第4章 量子力学によりはじめて明らかにされること
第5章 デルブリュックの模型の検討と吟味
第6章 秩序、無秩序、エントロピー
第7章 生命は物理学の法則に支配されているか?
エピローグ 決定論と自由意思について
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原子は何故そんなに小さいのか、そして何故生命はそんなに大きいのか、そんなところを皮切りにしながら、物理学の巨匠にして分子生物学の生みの親であるシュレディンガーが書いた本。残念ながらワトソン・クリックによるDNAのらせん状構造の話が出る前の話しではあるが、物理屋らしい視点で、やや難解かもしれないが、非常に示唆にとんだ本。細胞として、DNAとしてなぜそんなに小さくいられるのか、そういう気づきを与えてくれる本。
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ワトソンやクリックも大発見前に読んでいた分子生物学の火付け役?のような本ということで、さすがにおもしろい。超一流の思考が見られる。
量子論の基礎の方程式を発見し、分子生物学の火付け役にもなってるって、20世紀の2大発見両方に関っていると考えるとすごい人だなぁ。
こういうのを天才というのだろうか。
DNAと遺伝情報に関するところは言わずもがな、エントロピーのところも、「散逸構造」の概念の先取りだし。いまだに、「生命とは何か?」と聞かれたら「散逸構造だ」と答えるか、何かしらDNAに関することを答えるかのどちらかの人間が多いんじゃないだろうか。
・・・こういうのを天才というのだろうか!
あとがき的なところに、人間の意識に関して書かれている短い部分がある。ここでシュレーディンガーは、人間の意識が存在するということを、遺伝の問題やエントロピー減少の問題とは別次元の、もっとも難しく必然的に形而上学的・哲学的にならざるを得ない問題としてわざと本編とは別に記している。ここはけっこうトンデモなところがあって、依拠しているのはウパニシャット哲学で、人間の意識がそれぞれの人に個別にあって、人が死んだり生まれたりするとその個数が変わるなんておかしな考えであると一蹴している。いわく、意識というのは唯一、あるのみであると。そしてその根拠が、女性を抱いた時にひとつになる感じがあるじゃないか、というような話だから。。。
こういうのを天才というのだろうか(笑)。
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岩波文庫はやっぱり難しいです。
内容を理解できているとは言えないけど、物理的にみた生細胞という内容で、細胞分裂やエントロピーの説明はわかった。
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なんかすごかった。
今まで考えたことの無いことをこの人は考えてるんやなぁ、と感心した。
まだあまり理解できてないので、もう1度読もうと思う。
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超有名物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが、分子生物学という学問分野を切り開いた名著。
生命と言うものを、分子という切り口から、量子力学の考え方(統計的観測)を用いて分析したもの。時折難しい点があるが、なかなか読みやすく、また生物物理学というものを理解するにも読みやすい一冊である。
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難解。物理学と化学、生物学から遺伝子の構造を明らかにしている。雰囲気だけでもつかめたが、基礎知識と一文ごとの解説がないと完全に理解したとは言いがたい。。
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量子力学で有名なシュレーディンガーが生命について語った異色の本。書かれたのは1944年なので、ワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を発見するより9年前のことだ。本書の重要な論点は、生命(あるいは生物の挙動)が他の物理化学現象と同じ法則に従うか否かについての考察である。
一見すると、生物は単なる物理化学現象とはまったく違う原理が働いているかのように見えるため、“生命力”などの概念が必要ではないかという考えは科学者の間にもあったようだ。生命の特殊なふるまいもミクロ世界の物理化学現象の結果として説明できることは、本書が出版されて半世紀以上経つ現在では自明であるが、まだ遺伝子の正体も不明だった時代にここまで考察しているのはさすがだと思う。
しかし、エピローグで扱われる“決定論と自由意思”については、まだしっかりした説明がなされていないように思われる。量子論や不確定性原理など新しい理論が登場したとは言え、人間の頭脳はそれらを適用できるほどミクロではないだろう。著者はこの問題についてかなり主観的で情緒的な印象を受ける持論を展開している。この問題に決着が付くのは今世紀末に間に合うかどうかだろう。
もう一つ面白かったのは、訳者によるあとがきである。最新のものは2008年の文庫化に際して書かれているので、最近ベストセラーになった“通俗科学書”への批判なども含まれており、なかなか興味深い(ちなみに批判された方はまた別の本で反論しているらしい)。
生物や意識に関する研究は、私達自身に関するものであるが故に興味を惹き付けられるホットな分野だ。時に先走った理論が耳目を集めたり社会を歪めたりもすることもあるので、こういう古典をじっくり読みつつ最新の成果を見守る姿勢も必要だと思う。
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量子論から生命について論じた著作、遺伝子が核酸ではなく、タンパク質ではないかと信じられていたころの著作で古いし、生命は負のエントロピーを取り入れていきているという指摘は、『生物と無生物』の間で、指摘されているように、生命はタンパク質を消化によってバラバラにしてから取り入れているので、誤りであるが、生命はどうしてこれほど大きいのか、逆にいえば原子はなぜそれほど小さいのかという問題提起と量子論、とくに√N則などは非常に面白い観点である。もはや古典であろう。
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面白かったです。
読んでいる最中、1944年の内容だということをすっかり忘れて、あれ?と思うことがありましたが、「我々の身体は原子に対してなぜこんなにも大きいのか」に対する統計的考え方と、エントロピー最大=死に抵抗するために負のエントロピーを食べて生きているという考え方は、とても印象的でした。
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これは面白い。ワトソン-クリックにより遺伝子がDNAの二重螺旋であることが解明される道筋を作った古典名著。
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原子物理学の権威による原子物理学と分子遺伝学の基礎、それに関する論争について述べた本書は、基礎物理学すらままならない僕ですら分かりやすかった。講演を元にした書籍なので文章はやや単調だが、この分野の導入としてお勧めしたい。
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2010.6.12
生命とは何か?
原子はめちゃめちゃ小さいのに、なんで人間のサイズはこんなに大きいのだろうか?
生命を物理学の法則で説明することはできるのだろうか?
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正直、自分にとって理解できた部分が数える部分のみでした。心について研究するために読んでみましたが、そこに直接関わってくる部分が少なかったのも原因です。一応、専門家を対象としていない講義をまとめたものらしいのですが、間違いなく読み解くのは難しい部類に入るのではないかと感じました。
内容は、原子論を理解していないと面白みは殆ど無いのかも知れないです。非常に噛み砕いて、誤解を恐れずに言ってしまうと、大学生でかつ理系に属している方の方が理解しやすいのかも知れないです。
間違いなく興味深い本ではありますが、今の私は次へ進みます。そして、この本を手に取る人に、私がアドバイスなどできないと感じています。
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積読だったが、『「わかる」とはどういうことか』にシュレーディンガーの負のエントロピー論が出てきたので、ひっぱり出してきた。曰く「生命体は負エントロピーを食べて生きている」