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読み終わって呆然として、しばらくしてから何となく釈然としないものがあって、幾つかのエピソードを読み返してみて、最初に思ったのと違う意味の結末だと知ってとても驚きました。
正直、冒頭からしばらくは、ドローブと両親との関係や叔母さんとのエピソードが好きになれず、「ほんまに評判通りの名作かなぁ」と疑問を持ったのですが、ドローブがパラークシに到着し、ブラウンアイズと出会って(再会して)から以降は引き込まれるように読みました。
これは思春期の二人の愛と互いの成長の物語なんですが、自分で思ってる以上にこういう話が好きなんやなぁと実感しました。
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前から気になってた本だったけど
あんまりおもしろくなかったなー
主人公が大人になりかけ、父親に反抗し
彼女ができて、みたいな・・
地球じゃない別の星が舞台なので、よくわからないなぞのいきものが出てきて
それがキーになってるような・・
大どんでん返しらしい結末も、
べつにびっくりしなかったし・・
うーんイマイチ
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前半が少しタルいんです。もう少しシャープでもいいな・・・・後半はページが進む進む。こういう潔さは若い主人公ならでは。
なかなか縁がなくなってしまったなあ;;
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少年少女の初々しい恋物語、青春小説で
戦争の暗い影が忍び寄り、にどんでん返し返しあり
ときたら大好物のニオイがする。
”少年の忘れえぬひと夏を描いた”とあれば確定だ。
異星が舞台だが、地球人類ではない人類(と動植物)
の地球とほぼ変わらない文明や感情ではSF要素が
薄めとも感じるし、SFとして読まず青春小説として
読める気楽さはあるが、このSF要素がこの物語を
絶対的に支配している(ことを徐々に気づかされる)。
じっくり読み込まなくても、あちこちに散りばめられた
話題がしっかりそれぞれに結びつき、
そして物語の最後につながっていくのは、
あとがき「結末から逆算」したプロットとあるのも、
そうなのかと頷ける。
純粋なハッピーエンドとは言わないが、戦争の陰と
階級間の軋轢、選民的な言動と一般民の絶望を
超えた先、続編を求める声が大きかったのも頷ける。
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いやいやこれは! SFってこうじゃないとね!という鮮やかなラストに脱帽。こんなに見事に気持ちよくひっくり返されたのは久しぶり。真実は最初から明かされていたのだった。名作の名はダテではなかった。
サンリオ文庫の絶版後、新訳で河出から出た時話題になったのは知っていたけど、ずっと横目で見ていた。きっとSFによくある少女モノ(あえてロリコンものとは言わないが)だろうと思っていたから。表紙からしてそうだし、ま、実際そういう色合いもかなりある。「少年の忘れ得ぬひと夏」なーんて惹句はついてるしね。
訳者の山岸氏が、本書は青春恋愛SFの傑作で「『傑作』は、青春恋愛とSFの両方にかかります」と書いている。わたしの好みからいえば、「青春恋愛」部分は、まあちょっとアレだが(二人とも若いというより幼いし、ヒロインの印象がどうにも平板)、SF部分は文句なしだ。恋愛小説として甘酸っぱい気持ちで読めたなら、ラストの衝撃もなお深かろうとやや残念な気はする。
それでもやはり、このSF王道的大仕掛けにはしびれる。舞台は太陽系外の異世界。登場する異星人はまったく人類そのままだが、文明はやや違う。この惑星の設定が絶妙。特異な大陸や海の姿、いろいろな異星生物たち、人々の心理、言い伝え、主人公の経験のあれこれ、いくつも伏線が張り巡らされて、最後の最後にそれが一つになり、そういうことだったのか!という心地よい驚きへと流れ込んでいく。こういう感動ってSFにしかないなあと思うのであります。
これは続篇があるんだよね。厚みのある世界設定なので、ここを再訪できるだけでも楽しそうだが、さて、大技はあるのだろうか。
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「SF史上に残る大ドンデン返し」の青春ジュブナイルSF。いかにも自分が好きそうな本だと思って読んだのだけれど。
……すごく普通だな……。
あと登場人物たちにイラっとさせられる。
心が汚れた大人だからかしら。
特に主人公の母親が救いようのない馬鹿で、(もしかしてこの人が本当は出来の悪いロボットとか異星人が成りすましてたとかいうドンデン返しか?)とも思ったが違って最後までただの馬鹿だったのがすごい。あと主人公、よく考えると恋愛関係以外そんなに成長してなくない?とか考えてしまって、心が汚れた大人って本当やーねー。
多分期待値が高すぎたのが災いしてしまったのだろう。残念。中学生位の時に出会っていたらお気に入りの本になっていたりしたかもしれない。
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ずいぶんのんびり読んでしまった~。
とある惑星、特殊な気候を持ったその星には人間のような生物がすんでいて、そんな惑星でのボーイミーツガールのお話。
こういう気候とか国とかの歴史が背景にしっかりあるSFがすごく好み。その星は夏にはグルームと呼ばれる現象が起きるんだけど、それは海が蒸発して濃度と粘度が上がるんだってさ!なんだそりゃ!って感じもするけど、それが漁獲量に影響を与えてたり。寒さに狂うほど弱い人間たちは、地球でいうふぁっくとかしっととかに当たる言葉としてフリージング!とかラックス!(寒さを象徴する惑星の名)を使ったりする。
中盤まではそんな惑星の少年少女たちの青春ドラマが繰り広げられ、終盤には唐突とも言える絶望が。それに対し少年はなにをするのか!?
どんでん返しとか言われてたけど、そんな感じよりはなるほど!って感じのほうが強かったかな。少し間延びした感もあるけど良い小説!
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ぼくはこれをあらゆる場所で読み耽り、そのたびに顔を赤らめていたから、その様子をまわりで見ていた人たちはたいそう不審がったようだ。
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サンリオSF文庫の功罪は、突然、海外SFの名作・傑作・話題作・怪作を多量に刊行して、そして、突然すべてを絶版にしたことである。そのうちのいくつかは他の出版社で再刊されているが、これもその中の貴重な1冊。
ハインラインの『夏への扉』は時間SFの傑作であるとともに、思春期の私を大いに魅了してくれたラヴ・ストーリーでもあるが、それと匹敵するのが、マイクル・G・コニイの『ブロントメク!』だと思っていた。これまた、SFであると同時に甘く切ないラヴ・ストーリーで少年の私をひどく揺り動かした。『ブロントメク!』は残念なことにサンリオSF文庫の廃刊とともに絶版状態が続いている。
本書『ハローサマー・グッドバイ』はそのマイクル・コーニイ(今回は契約の関係でこういう表記になったとのこと)のもうひとつの傑作で、新訳でもって20年ぶりに復活した。
太陽系外のある惑星。そこの住人は異星人なのだが、まったく地球人と同じような姿をし、同じように感じ、同じように行動する人々と思っておくのがいい(ここは強調しておく)。そこの文明は地球の19世紀後半くらいの技術水準。だたし、やはりそこは異星。楕円の公転軌道をもつこの惑星は、冬には恒星から遠く離れてしまうために長く厳しい冬をもつ。それだけに夏はとても喜ばしい季節だ。夏の恒例行事として主人公の少年ドローヴは両親とともに別荘へと向かう、港町パラークシへ。昨年、心惹かれた少女ブラウンアイズにまた会えることを期待しながら。
作者のまえがきにあるとおり、これは恋愛小説であり、戦争小説であり、SF小説である。
ドローヴの人間関係のレベルでは、思春期の少年の恋愛、親との葛藤、周囲の大人たちとの交流などが丹念に描かれ、青春の苦さが青春の喜びとともに描かれた小説となっている。社会的には惑星を二分する二国の戦争の物語が背後に控え、惑星レベルではSF的設定がやがて物語の軌道を大きく歪めていくのだ。そのうえ最後の大どんでん返しはまた別のレベルで生じるのである。
1987年のサンリオ文庫廃刊により、4冊の長編訳書が出ただけで消えてしまったコーニイのその後は本書の解説で初めて知った。2005年に亡くなっているのだが、その前に『ハローサマー・グッドバイ』の続編を書いたものの、生前には長編作家として盛りを過ぎたとみなされて出版できなかったのだという。訳者・山岸氏も担当編集者もその続編『パラークシの記憶』の刊行にはたいへん意欲的なのであるが、それが実現するかどうかはひとえに本書の売れ行きにかかっているのだという。
それに5年かかったわけである。
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『バーナード嬢曰く。』で取り上げられていたので読んでみた(笑)
読み始めた当初は,SF的設定を用いる意味が分からなかったが,最後まで読むと,なるほどと思わされる。
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漫画の「草子ブックガイド」に取り上げられていた本。登場人物は地球人ではないが、地球人によく似た人間。思春期の主人公と少女ブラウンアイズの恋愛と戦争とSF的設定がからむ。
正直、草子ちゃんのお勧めがなければ手に取らなかったと思う。お蔭で、ある程度イメージが掴めて助かった。ブラウンアイズのセータ―やジーンズの記載があったけれど、僕らの知ってるものと同じと限らないだろ、と考えたけれど、無駄なこと考えるのはやめにした。
ブラウンアイズちゃんがなかなか積極的で、焼餅やきで、主人公を守るため化け物と戦う辺りは40歳若かったらキュンとしたかな。
SF的設定からのドンデン返しの後は、残酷で重い。主人公とブラウンアイズの逢瀬は哀しく、主人公の無力感が辛い。
だから信じていいいのかと、最後の4ページぐらいを何度も読み返してしまった。
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新しい出会いがあって、恋をして、親の考え方疑問を持って、子どもが子どもじゃなくなっていく。そのなかで国が傾いていく波にのまれていく。主人公たちの恋も想像していたかたちじゃなくて、新しかった。
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自分の文章読解能力の低さに悔しさを覚えた一作。読み終えて、首を捻って、考察サイトを見て驚愕してしまった。この作品は青春、恋愛、SF(ファンタジー)、戦争の面白い部分が凝縮されており、後半から始まる展開は目が離せない。前半~中盤辺りの少しダレる展開も、このためにあったのかと驚かされる。
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ナイスSF! とってもストレートで無駄がない青春小説。ロリンの正体だけちょっとよくわからないけど… でもいい話だった。簡潔なハッピーエンドではないところが特に。
ブラウンアイズがただのいい子ちゃんな女の子じゃなくて、独占欲と嫉妬心があって、適度に積極的なところが可愛い。シェルターの前で暮らしていた期間は幸せだったろうな。こんなにも愛されてるってことを実感できて、そのうえ皆に知らしめることができたんだもん。
政府側のキャラが味気ないのがもったいなかった。でも二つの恒星間で衛生軌道を変える惑星ってネタが面白かったからノーカン。しかもそれを宇宙飛行士の冒険ものとかじゃなく青春SFにしちゃうってところが素敵!
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神林に会いたい!そして話したい!ラストの大大大どんでん返しの事。微妙な三角関係の事。メストラーさんの事。忘れられない小説になった。