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唯一無二の最終兵器としてアンダカの魔王軍と孤独な戦いを続ける空井伊依。だが、新たな敵・虚無大公こと闇宮影文の圧倒的な力に彼女が屈しそうになったとき、強力な助っ人が登場!? はたしてその助っ人とは──
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“「あなたは」
舞弓は、敬語を滅多に口にしない彼女の信条からは意外なことに――目の前の、自分によく似た相手に丁寧な問いを放った。
それは伊依にはこの時点では、意味不明としか思えない質問だった。
けれど舞弓にとっては、たいせつな確認だったのだろう。
「あなたは、母を愛していましたか?」
その内容に、伊依は胸騒ぎを強める。
何だ。何だこの質問は。自分はどんな事実を知らない?何を見逃している?ここで舞弓がこんな質問をした理由は何だ?
母?舞弓の母?
それは物造の申し子、戦橋危香で――彼女はつまり、えぇっと……?
「くだらぬ質問じゃ」
伊依の結論を待たずに、かくて虚無大公は最後通牒を引き千切る。
「この虚無大公に、愛などという感情はない」
「ならば――」
演技じみた、この会話。そして作りもののような、因縁。
いつから仕組まれていたのか。台本を書いたのは誰なのか。伊依には瞬間的に理解できた気がした。舞弓がその直後に放った言葉を聞いて。彼女がここまで流さなかった涙を双眸から零したのを確認して。その涙に虚無大公が一瞬だけ見せた表情を知って。
戦橋舞弓は虚無大公に、涙混じりにこう吼えたのだ。
「父とは思わぬ!」
決戦兵器が超高空を駆けぬける。”
戦橋危香 たたかはしあやか=闇宮血影:舞弓の母。■
闇宮影文:舞弓の父。
無城美国 むじろびくに■
展開が意外すぎる。
意外なところから意外な事実が突然現れた感じ。
最後泣ける。何か泣ける。
あ、あと、あの宇宙木さんのつぶやきは伏線ですか。バレバレの伏線だと考えていいんですか。
“そして。いつのまにか背後にいた、不思議な少年を睨みつけた。
緑色が混ざったような金髪の、その身の丈にあわない服を着た少年は――空き地を巡る柵にどこか不満そうな顔で腰かけ、ちらりとこちらを見た。不機嫌そうな、いけ好かないその表情。見間違えるわけがない。まるで初めて会った日の再演のようだ。
「死に損なった……まったく、最終兵器の使い手は余計なことをしてくれた。用意周到に準備していた計画をぜんぶ台無しにされちゃったよ。復讐したいけど、誰にも感知できないくれいの残りかすの≪魔力≫しかないし――絶対命令権で生きろと言われたら、もう何をやっても死ねない。最悪だ」
真子にはわからないことを言って、彼は皮肉げに溜息をつくと――。
「しかし何よりも最悪なのは、静かに考え事をしたいのに、どっかの子供が迷いこんできてうるさく泣き喚いていることだ。何なんだよもう、おまえは。迷惑だな」
もはや何がなんだか、頭のなかが真っ白になって言葉を忘れたみたいにあたふたするしかない真子に、彼は――いつかと同じことを言った。
「泣き虫」
「か」
真子は耳まで真っ赤になると、とりあえず全ての疑問を脇に置いて、いつものように、あの幸せだった時代によく叫んでいたとびきりの罵倒語を放った。
「影文くんの馬鹿ぁ!」
それから涙を勢いよく拭うと、今度こそどこにも行かないようにとその少年に――闇宮��文に飛びついて抱きしめた。”
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血影さんと影文くん…なるほどそういう…
舞弓さんも…なるほど…
ひひひの伏線回収好きなんだよな…予測不可能で…