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ガンダム小説より優れている
・10巻を読み進むうちに、宇宙時代に入る前の人類の歴史と、その先に続くであろう歴史の広がりを見つめたような気持ちを味わえました。
・宇宙空間に生活圏を広げた人間の物語という点で、ガンダムシリーズの小説と共通する部分がいくつかあります。
-人と組織の関係の描写、政治組織に触れていること、宇宙時代に入る前の人の歴史を俯瞰的に見た視点に立脚している点などが共通しています。
・ガンダムの小説より特に優れている点は、用兵の戦略、戦術の描写が活き活きと描かれている点です。
-またガンダムが地球を物語の主たる舞台としているのに対して、銀河英雄伝説では、地球はすでに過去の存在となっている点が大きな違いとなっています。
-そのうえで、現在地球にあるような宗教というものも同時に、過去の思想的商品として歴史的評価を与えられている点も、画期的な表現に思えます。
・本書10巻の小説にわたって言えることは、登場人物の歴史的な人物評価など、同じ文章を何度も入れているため、若干くどいと思える部分があります。
・ラインハルトとヤンには、同じ結論を与えておきながら、
個人的には納得のいく終わり方であったと感じています。
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「伝説が終り、歴史が始まる」
この言葉を語るために、10巻を費やした。
英雄が導いていく時代からバトンタッチ。
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当たり前だけど、終わりが来るんだね。全体として、わずか6年くらいの物語であることに驚く。ずっしりとした手応えがある。終わるべくして終わったという感じがする。
ユリアンが取った選択は間違っていないとは思う(ついでにいうならオーブルシュタインも)。ただ、一番流血を好むのはもちろん作者と読者で、そのラインに沿った決断であるというのがちょっと見えている。結果だけを見れば振り出しに戻ったに過ぎない戦いを、作者がユリアンの立場を借りて、しきりに言い訳しているように見えるのはそのためだろう。
ただ、結果よりもプロセスが大事なのはなにも「民主主義」だけではない。「無駄な」血が流れすぎる物語に、強固な説得力があるのは確かだと思う。
ラストの一行。すっと物語にピリオドを打つ。たぶん歴史は、ずっと地味でずっとしんどい。そして僕らはその中で生きている。
2008/9/9
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ヒルダが言った通り、ラインハルトは命数を使い果たしたって感じがする。彼の人生は伝説というか神話の域に達してる気がするし。
でも本人は納得出来る一生だったのかな。あれだけの事を成し遂げたけれど、キルヒアイスを喪ってしまった時点で、達成感みたいなのは得られなくなってしまったんじゃないかなという気がする。
変な言い方だけど、平和な時代にきちんと生活出来そうな人たちが残ったなぁという印象。
ラインハルトもロイエンタールも、戦争終わったらどうやって生きていったらいいか分からないような人たちだったけど、ミッターマイヤーやメックリンガーはきちんとやっていけそうだ。ビッテンフェルトも、士官学校の鬼教官とか、案外幼年学校の先生なんかも似合いそうだし(笑)。
同盟側も、シェーンコップが死んじゃったのはショックだけど、その後が想像し難い……。ポプランは著者によると「殺し損ねた」そうだけど、でもちゃんとまともに生活出来る気がする。途中でそういう記述がある所為かも知れないけど。
今回改めて読んでみて、個々では帝国側も同盟側も好きなキャラクターが多いけど、体制としてやっぱり同盟の方が馴染む。
崇拝とか忠誠とか、外側から見て「あぁそうなんだね」とは分かるんだけれど、自分自身の感覚として置き換えることが全然出来なくて。
ラストシーンがミッターマイヤーだったのは、ファンとしてとても嬉しい。子供の名前も素敵だな。
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すごい作品。はじめは10巻もあるのでなかなか手を出しにくかったが読んでみて一気に最終巻まできてしまった。魅力的なキャラクタがどんどん死んでいくのは寂しいが楽しく最後まで読めた。
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2ヶ月で全巻読破。面白かったなぁ。特に2、5、8巻の展開には腰を抜かした。 両雄は、かたや暗殺、かたや病死。まったくの予想外。 結局これってスペオペの衣をまとった政治小説なんだよな。 だからあんな結末なんだよ。 新しいなぁ。凡人には書けない小説だ。
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10巻に及ぶスペース・オデッセイもいよいよ終焉を迎えました。でも、完結というよりは、今後も様々な展開(動乱)が予想されるエンディングですね。結局、物語の2人の主人公は、軍人でありながら一人は病、一人はテロに斃れるという展開自体が意表をついてますよね。
細かいところは色々突っ込みを入れる余地はあると思いますが、些細な、重箱の隅をつつくような批判より、物語全体の大きな流れ、人類社会の拭いきれない課題、その解決に至る道での避けきれない悲劇…
日本を代表する大河ドラマと言っていいのではないでしょうか?星雲賞
皇妃誕生
動乱への誘い
コズミック・モザイク
平和へ、流血経由
昏迷の惑星
柊館炎上
深紅の星路
美姫は血を欲す
黄金獅子旗に光なし
夢、見果てたり
星雲賞
著者:田中芳樹(1952-、天草市、小説家)
解説:北上次郎(1946-、東京都、エッセイスト)
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最後の戦いとなったのだろうか。戦争のない世界がこの後続くことを祈る。
ラインハルト、オーベルシュタイン。この先の治世には必要ないということか。
「キルヒアイスをお返しします」には泣ける。
読む年齢によって、感じ方が違う作品だろう。政治体制とは何だ…。考えさせる。
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できれば生き残って欲しかった人たちが最終巻らしく散っていった。新しい時代を迎えるだろうと最初から分かっていた人々だけが生き残った。これから6月1日が来る度に銀英伝のことを思い出さずにはいられないだろう。信じられないほどの血が一瞬で流されてゆく物語だった。良い悪いではなく、ただそれがこの物語の舞台での出来事だった。与えられた環境で自分にできる道を選択していく。個々人の責任だ。異なった旗の下に生まれ異なった個性を持つ人々が自分自身の選択を繰り返してゆく。それが銀河英雄伝説だった。
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アニメをすべて観たうえでどうしても小説が読みたく
なったので、入手しました。
あらすじは、あまりにも有名なので割愛します。
このシリーズを読み出してまず思ったことは・・・
登場人物の台詞が自分の頭の中で、アニメの
声優の声に置き換わっているということ。
さらに読み進めていくと、細かな描写や事件に差異が
あるものの、ほぼアニメと同じ(正確にはアニメが小説と同じなんですが・・・。)
ここまで、忠実に再現された映像ものって珍しい。
(私が観た中なので、忠実に再現されたアニメ・ドラマは多いかも知れませんが・・・。)
忠実に再現されたアニメだとしても、やはり、描ききれていない部分ってのもあって、
小説を読み終えると、腑に落ちなかった部分が補完されて、非常にすっきりしました。
それにしても、映像化したスタッフの執念を感じました。
よほどこの小説にほれていたんだろうなぁ~。
惚れ込むほどの仕事をしてみたいものです。
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銀河英雄伝説第10巻《落日篇》読了、よって銀河英雄伝説本伝を読み終えましたー!!パチパチ!!(拍手)
最後はちょっぴり泣いてしまった。ラインハルトが死ぬとは思ってなかった。とってつけたような感じだったがそれも“運命”なのか・・・。
この銀河英雄伝説を何故読もうかと思ったか、というと。
「何かSFもしくはファンタジーの超大作を読みたいなー」という衝動に駆られた私が、偶然選んだだけでした。
でもすごい出会いだった!やっぱり本は出会いだ!本と人は出会うべくして出会うのだ!と思う。
おかげですっかり私は世にも珍しい「女子大生の銀河英雄伝説オタク」となってしまった。なんと喜ばしいことか!
もちろんこれから外伝も読む!楽しみだ!
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正伝最終巻。
これまでの世に幕がおり、新たな世をどのように作っていくのかが定められる。
浪漫たっぷりでわくわくさせられながら、政治のあり方や他の様々なものの見方等、教わる事も多かった。
外伝も楽しみだ。
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壮大な物語の終わり。遠い未来の始まり。
10巻を読みとおし、スケールの大きさと、込められたたくさんの教えに、今はため息をつくばかり。人生を変えるほどの大作だったと思う。出会えてよかった。これは確かに何十年も生き残る物語だ。
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銀河帝国(専制政治)VS自由惑星同盟(民主主義)の戦争の時代を描くSF架空歴史小説。10冊なんてなんのその。夢中で読み切ってしまいました。これから何回だって読みたい!
素敵なところはたくさんありますが、まずとにかくキャラクターがかっこいい。特に主要人物はみんな一本筋が通っていて気持ちがいい。これだけキャラ立ちした大勢の登場人物の思惑が絡み合うストーリーとか、もう読み進める手が止まらないのです。
宇宙空間で戦艦を駆使して行われる戦闘シーンはエンターテイメントとしてひたすら爽快ですが、やっぱり戦争していて色々考えるのがやめられません。ストーリーは「最良の専制政治と最悪の民主主義」という皮肉な対立になっているのがとても面白かったです。ああもう褒めはじめたらキリがない。さすがの名作でした。大満足。
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世界を変えるためには超絶な存在が必要で、しかし、変わってしまったらもはや生きるよすがとてない、といった哀れさを感じる。しかし、生きた時間の長さよりもその濃さに価値を見いだすということか。
どのような結末を迎えるのかと、最後まで気をもんだがいい終わり方だったと思う。最後はミッターマイヤーだよね。うん、納得。