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愛は移ろうものというのがこの巻のざっくりとした印象。
それまで均衡を保っていた人間関係の歯車が崩れていく様子が描かれている。
モスクワに住む兄オブロンスキーが不倫。
一時的に夫婦仲を取り持った、良識ある妹アンナも
のちに不倫相手にのめりこむ。
オブロンスキーの義妹キティは、世間体の良いヴロンスキーからの求婚をあてにして、農地経営者リョーヴィンからの真摯な求婚を断る。
しかしヴロンスキーはアンナを追って姿を消し、有力な結婚相手を2人とも失ったキティは心神喪失状態に陥る。(ヴロンスキーに裏切られたショック、リョーヴィンを断ってしまったことの後悔、どちらがキティにとって重いのかな?)そして両親とドイツの保養所へ。そこでワーレニカに出会う。
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この本は実はタイトルの女性は
少しページを読み進めてこないとでてきません。
いきなりすごいことになるわけではないので
そこのところ、お間違えなく。
本当に文章が巧みに尽きる作品です。
ロシア文学と聞くとクソ難解という
悲しいレッテルを貼られがちですが
この本はそうではありません。
確かに長いですが決して難解ではなく
彼の文章に惹かれることでしょう。
本当の主人公はアンナなのですが
私は失意の底に落ちたキティが気に入っています。
彼女の再生の模様を見ていきたいです。
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なにか壮大な「おはなし」を読みたくなり、恥ずかしながら手を出していなかったトルストイの長編にトライ。翻訳がすばらしいせいか、ほんとうにスイスイ読める!
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不倫物語。
男は~とか女は~っていうところではちょっとフェミっちゃうし、結婚どころか恋すらまともにしたことがない私には理解し難い部分ばかり。
それでも面白くてサクサク読めてしまうのは、この作品が超名作だからなのか、新訳が上手に訳してくれてるからでしょう。
舞台となっている時代のロシアや西欧の知識が全く無いので、知識の不足を強く感じてしまう。
なぜ彼らはロシア語だけでなくフランス語、英語、ドイツ語を使って会話するのか?
貴族社会や、当時のロシア社会そのもの等、勉強してみたくなります。
この調子で、今月中に全四巻読破したいなあ。
視線で会話しすぎ。
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トルストイ3作目
やっぱり他の外国人作家に比べ読みやすい。
十九世紀後半のロシア上流社会の出来事って言うのが概要です。
都会の社交界と田舎暮らしという対比は今回もあって、彼の得意技だなって思いました。
タイトルのアンナが最初から出ていなくて戸惑いました。
まだ序盤(後三巻あるのかよ…)なので評価しようがないのですがとりあえず3つ星とします。
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「幸せな家族はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家族にはそれぞれの不幸の形がある。」
さまざまな対比で描かれる家族の情景。
ドリーは苦しみながらも浮気な夫を許すことを選択したが、アンナは愛人を選択した。ドリーの愛情は薄れていたとはいえ家庭を守る力が残っていたが、アンナの愛情は家庭を守らなかった。
キティの母親は「女」としてヴロンスキーを好み、キティの父親は「父」としてヴロンスキーを避けた。
「人間に本当に必要なものは何か」について考えさせられる。
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当時の華やかな社交界の様子や人物描写を詳細に書き記している。第一巻は割と展開が早く感じたが、2巻以降は緩やかになるのだろうか。物語そのものは非常に取っつきやすくさらさら読めた。アンナとヴロンスキーの二人の行く末が非常に気になるが、オブロンスキー・ドリー・キティ・リョーヴィンがそれぞれどうなるかも楽しみ。
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不倫が結構当たり前というか。みーんな知ってますよ状態。
カレーニンの“「どうしてここまで放っておいたんだ?こんな見苦しい状況をどうして解消しないのだ?」と義憤を覚えたものだった。”
まさに読者がそれをカレーニンに言いたくなる。
好きなシーンがあって、ヴロンスキーの競馬のシーン。疾走感、躍動感があり、自分自身がヴロンスキーになって走っているかのような描写だ。
タイトルにあるのだから、アンナは主人公になるんだろうけど、なんだか影がうすい… 上流の綺麗な女、恋に流された女っていう印象で。これからパッとしてくるのかな?
最後の方の無理をしているキティの姿が描かれていて、そりゃ無理をしたらいつかしんどくなると思った。でも、若いというのはそういった部分があり、気付いていくものだと思う。決断についても。
続きはどうなっていくのやら?
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19世紀後半のロシア貴族社会における恋愛物語。
複数の主人公が登場し、各々が様々な恋愛模様を生きる。
単に恋愛にのみとどまらず、当時のロシアの社交界、貴族秩序、家庭、政治、経済など、多様なテーマが描かれる。
100年以上前の、異国ロシアにおける物語とはいえ、各登場人物の心の動きなどは、非常にリアリティのあるものとしてこちらに迫ってくるようである。
訳文はとても読みやすく、次巻以降も楽しみでならない。
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20ページに一度くらいハッとさせられるような心理描写が出てくる。必要十分な描写という感じで、無駄が全然ないのである。
アンナとリョーヴィンという二人の主人公がいるが、キャラクターとしてはリョーヴィンのほうが個人的に好きになれた。一番好きなシーンはリョーヴィンとキティが黒板上でお互いの気持ちを打ち明け合うところ。こんな恋をしてみたい。
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流石のトルストイ先生代表作。「戦争と平和」の次に読んでいるが、テーマは違っても、心理描写の超絶さは変わりません。
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ロシア文学特有の感じがあり、最初はとっつきにくいのだがすぐに慣れてこの世界に入り込んでしまうのは流石。
この作品が100年以上前だとはとても思えないような普遍的なテーマなんだと思い知った。
人間そんなに変わらないよね。って思ってしまう。
早く続きが読みたい。
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初トルストイ。
アンナの不倫シーンは昼ドラのようで、ついつい読んでしまう。体裁を気にするばかりで自分のことを見てくれない夫と、若々しい愛情を素直にぶつけてくる青年。この青年は思わせイケメンなのでつまり女の敵。夫もまぁまぁなクズなので、アンナかわいそう。
「小説」として読もうとするとリョーヴィンの田舎シーンは死ぬほどつまらないが、舞台が近代化の機運高まるアレクサンドル2世代(農奴解放etc.)であることを考えると、「歴史書」をも包含したものとしてスラスラ面白く読める。
巻末に当時の結婚観などが読書ガイドとして付されているのが嬉しい一冊。
個人的な推しは、どこか影のある優しい女性ワーレニカ。
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アンナが生きた時代のロシア
鉄道の発達(急速な近代化)ペテルブルク=モスクワ鉄道
農奴解放。
貴族文学の破綻。。
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古典的名著。活発で気高くも愛への熱情が抑えきれぬアンナとヴロンスキーとの情事の変遷、そして夫の貴族としての面子と誇りを持った仕打ち、一方でキティに振られ傷心のリョーヴィンの立ち振る舞い。文豪トルストイの壮大な時代背景と機微ある人物描写がある一方、大衆向けメロドラマの趣で面白い。