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2007年のシンポジウムの発表と討論にSF短編がいっしょになった、ユニークな本。
いやー、おもしろい!!
こんなに実際に研究がすすんでんねんな〜〜とびっくりしたり、
意外とこんな簡単なことができへんねんな〜〜と思ったり。
自分自身が、人間が、どういうからくりで動いてるのか、しゃべってるのか、考えてるのか、自分らがどういうもんなんか、ということがやっぱりみんな知りたくてしょうがないんだな。私も知りたい。
ロボット製作だったりインターフェース研究だったり、はたまたSF作家、と色々な立場の人々が集っているけれども、それはそれだけ人間が、一面的にはとらえられないことの証左だと思った。
あしたの人類は、もっとロボットに近づいているかもしれない。
さいごに残る「人間性」ってどんなものだろうか。それとも、そんなものはそもそもない??
いま想像できることの、そのまた先へ、先へとつねに想像力の最先端を行き、思考実験をして、人々の創造をうながしてきた、そんなサイエンス・フィクションのすごさを感じられる。技術力ももちろんすごい。でもそれ以前に想像があって、そこへなんとか近づけようと技術が発展してるような、そんな印象を強く受けた。
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はじめは読み終えられるかどうか、不安だったが、
読み始めたらぐいぐい引き込まれていった。
研究発表と、物語が交互になっていて
私的にはとても幻想的で面白かった。
別の作品も読む!
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SF作家と研究者の掛け合いがシンポジウムの場で成された様子が書いてあり、マニアックな人達のツボが垣間見る事が出来て楽しい。
現実のテクノロジーは作家が先に空想して研究者が実現していくのか、研究者達に十分なイマジネーションが潜在しているのか考えると楽しい。
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図書館で見つけた本。「第65回世界SF大会・第46回日本SF大会」のシンポジウム「サイエンスとサイエンスフィクションの最前線、そして未来へ!」内容および参加者の書下ろし短編・エッセイ。
瀬名秀明氏が司会進行をしているようだ。とにかく面白い。久しぶりにとても楽しく読むことができた。シンポジウムの記録には詳細な注釈がつけられており、それだけでもとても楽しく思うくらい。
しかも短編部分はそうそうたるメンバーの作品が並んでいる。作品そのものはいまいちだったのが少し残念。
【シンポジウムの記録部分】
「SFのイマジネーション(小松左京)」
「Small Story in 2008“A First Love”(田村大)」
「ヒューマノイド・ロボット研究の現場より(梶田秀司)」
「マッドサイエンティスト、SF、神経倫理(川人光男)」
「ロボットボディ・ロボットマインド(国吉康夫)」
「究極のサイバーインタフェースのつくり方(前田太郎)」
「ロボットはどこまで人間なのか、私はどこまでロボットか」
「テレイグジスタンス・テレプレゼンス・ロボット(大山英明)」
「鳴き声から意識へ(岡ノ谷一夫)」
「構成的リアリティの社会へのグラウンディング(橋本敬)」
「想像力の勝負(中島秀之)」
「他に知能は存在するのか?(松原仁)」
「イリュージョンの覆いから私たち人間は真理を見つけ出す」
【書下ろし短編部分】
「火星のコッペリア(山田正紀)」
使い古されたアイデアなんだけれど、引っかかったというか読めなかった。面白い。新鮮に感動した。
「笑う闇(堀晃)」
期待の堀作品。でも、既読だった。とてもおもしろいということに変わりはないのだが。
「さかしま(円城塔)」
苦手な作者の作品。今回も撃沈。
「はるかな響き(飛浩隆)」
こっちも少し苦手意識がある。予想通り撃沈。
「鶫と鷚(瀬名秀明)」
既読作品。今回も意味不明。
「「宇宙と文学」序論(小松左京)」は可もなく不可もなく。
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近未来の創造を夢見る学者(主にはヒューマロイド開発に携わる人たち)と、SF作家のシンポジュームが、この本を構成する。本書の中でも取り上げられていたが、この内容は、近未来科学ではなくて近未来技術。このようなことが即座にわからない人たちによる、「サイエンス・イマジネーション」とは笑わせる。
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前口上
SFのイマジネーション・小松左京
Small Story in 2008“A First Love”*2
<第1部ヒトと機械の境界を超える>
ヒューマイノド・ロボット研究の現場より・梶田秀次
マッドサイエンティスト、SF、神経倫理・川人光男
ロボットボディ・ロボットマインド・國吉康夫
究極のサイバーインターフェイスのつくり方・前田太郎
「火星のコッペリア」山田正紀
パネルディスカッション1・ロボットはどこまで人間なのか、私はどこまでロボットか
「笑う闇」堀晃
インターミッション
テレイグジスタンス/テレプレゼンス・ロボット・大山英明*3
<第2部意識と情報の進化論>
鳴き声から意識へ・岡ノ谷一夫
構成的リアリティの社会へのグラウンディング・橋本敬
想像力の勝負――SF対研究・中島秀之
他に知能は存在するのか?・松原仁
「さかしま」円城塔
パネルディスカッション2・イリュージョンの覆いから私たち人間は真理を見つけ出す
「はるかな響き Ein leiser Tone」飛浩隆
「鶫とひばり」瀬名秀明
「「宇宙と文学」序論」小松左京
あとがきにかえて
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故・小松左京氏を中心に、現在のSFを担う作家と、最先端ロボット技術の研究者たちの対談。
SFが「拡散・浸透」した現在、現実はかつてのSFにどこまで迫っているか、が知れて面白い。
内容も多岐にわたり、純粋に物理的なシステムとしてのロボット、人間の知能を模したモデルの建設、そこから湧き出る「人間とは?」といった哲学的な問いなど様々な側面から楽しめる。
究極のサイバーインターフェイスのつくり方・前田太郎
人体に計測器をつけ、感覚(input)と運動(output)を測る。
それを測る物差しとして、人体は有効(ロボットは必ずしも人型をしていなくてもよい、が)。
⇒人型には意味がある
直感的に自分の身体を操作するための物差し
人型インターフェース
遠隔操縦技術、
テレイグジスタンス
存在感の錯覚
没入型バーチャルリアリティー
存在感の錯覚
ウエアラブルロボット
部分脳 グレッグ・ベア 「久遠」
自分の運動と感覚を引き起こし続ける
パラサイトヒューマン
人間に本社ってせっせと情報摂取に励む
錯覚利用のインターフェース
前庭電気刺激インターフェイス
電波で傾き+加速度を操作
モーションライド
ゲームに組み込み可能
触覚の錯覚利用
皮膚感覚への錯覚バイブレーションを使う →ないはずのものに触れる
偏加速度刺激装置 →勝手に引っ張ってくれる
サイバーインターフェースとは「つもり」通信(笑)
→社会がリモコン化されてくれることを受け入れるかどうか
パネルディスカッション1・ロボットはどこまで人間なのか、私はどこまでロボットか
当たらないのは「地震」「癌」「核」
小松氏 SF 「浸透と拡散」
ロ��ットが大衆文化 チェコ・日本 アニメ文化
サルの脳 道具を延長としてとらえる
鳴き声から意識へ・岡ノ谷一夫
鳴き声から意識
歌をうたう動物は人間、クジラ、鳥 →発声学習をする
できる動物は限られている
中脳発声中枢+延髄呼吸中枢
後者の抑制ができる →呼吸の自発的抑制
かつて人のまねをするアザラシがいたが彼は幼いころの脳炎にかかり抗生物質の投与をけている
鳴き声の自己主張
1か月後の赤ん坊からみられる
ただしほっておかれると単純化する
言語発生
複雑な記号列を生み出すための神経系が生じ、記号列を分節化するための神経系が生じ、そして状況を分節化するための神経系をもった生物が、濃密な個体間コミュニケーションを続けていくと発生する
意識
他社の内的過程を予測する手段として備えたメカニズムを流用して自己意識を持つようになった。
これには言語が必要である
言語は時間空間を超えるため、自らの「死」を発見することができる
他に知能は存在するのか?・松原仁
アンビエントインテリジェンス
環境自身が機能を持つ
人間は膨大な情報の中から(必要とする情報を)適切に選べるが、ロボットそれはできない
記号のリンゴと実物のリンゴが対応づけられない
パネルディスカッション2・イリュージョンの覆いから私たち人間は真理を見つけ出す
山田正紀氏
僕は自分がロボットの方がいいんでするその方が安心できるんですよ。