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モスクワ攻防1941 戦時下の都市と住民 みんなのレビュー
- ロドリク・ブレースウェート (著), 川上 洸 (訳)
- 税込価格:3,960円(36pt)
- 出版社:白水社
- 発行年月:2008.8
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紙の本
時代は変わったねえ。
2008/08/18 00:41
11人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドイツ軍の側からか、ソ連の公式発表的な本しかなかった独ソ戦史も、ソ連側からの史料や証言も利用して書けるようになったのだから。心理的には.かつての同盟国ドイツ軍側からの本やドイツ軍側の視点も入れた本の方が、どうも読みやすいが。
未だにヴラーソフ将軍を「裏切り者」としてしか評価されないのは仕方がないとしても、彼がまだ赤軍の英雄だった頃の事や彼が指揮した部隊を戦闘序列から削除したモスクワ戦の本が出版されているとは思わなかった。
でも、一番心に残ったのは緒戦でドイツ軍の捕虜になって、スターリンから名指しで批判されたポネジェーリン将軍の悲劇。ヴォルゴゴーノフ将軍の「勝利と悲劇」で初めて知った話だが、後でユルゲン・トールヴァルトの「幻影」に捕虜収容所の中で彼がヴラーソフ将軍自身からロシア解放軍への参加を勧められたが、断ったエピソードが出ていた。この本の中でポネジェーリン将軍の娘が語っている話が、この事だろう。珍しい姓だと言っているから同一人物と見て間違いないだろう。この本で初めて知ったが、それでも帰国してから同志スターリンに手紙を書いた事が書記長の記憶を甦させただけで、銃殺されてしまうのだから。幾ら敵の捕虜になったら裏切り者扱いされる共産主義国家でも、ひど過ぎる。何しろ「勝利と悲劇」に彼はヴラーソフ将軍とマルイシキン将軍という二人の対独協力者と一緒に非難された公式発表が引用されているから。
同志スターリンの鉄の意志が勝利に導いたのは確かにしても、トゥハチェフスキー事件による赤軍将校団の破壊と緒戦での敗北や恐怖政治と恣意的な情報統制の結果としての対独協力者の出現は彼の責任だ。
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