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朝日新聞の書評で大絶賛だったので、期待して読み始めたところ、「普通やん」という感じ。ところが、真ん中あたりから本を持つ手に力が入ってきた。大絶賛の呪縛から解き放たれ、どんどんレベルが上がっていく心地よさ。確かに絶賛したくなる気持ちもわかる。
好きなのは「黒電話」「末期の吐息」「自発的入院」。ホラーではない「うちよりここのほうが」「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」もいい。
キングと比べると? ちょっとつらいところ。
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批評家諸氏大絶賛の短篇集。短篇においては父キングを凌駕との評も。正直なところ、そこまで・・?と思わないでもないが、これがデビュー作であること、作品が粒ぞろいであることを考えれば、うなずけるかも。17作収録。
一番不気味だったのは、ホラー・アンソロジストを主人公とした「年間ホラー傑作選」。作家キルルーとその兄弟、怖い。ホラー映画にできそう。ラストでの主人公のセリフもきまっている。
空気人形が親友という突飛な設定ながら、哀切に満ちた友情譚の「ポップ・アート」(空気人形といえば、業田良家の漫画を思い出す。こちらも悲しさに溢れていたなぁ)。えぐい話だけれど、変身前のフランシスの学校でのエピソードがきいている「蝗の歌をきくがよい」、狂気か否か、曖昧さを残しながら、それが息子へも伝播したかもと思わせて怖い「アブラハムの息子たち」、父と息子の交情を描いた「うちよりここのほうが」、主人公の落ちて行く先が見えて、可哀相でたまらなくなる「挟殺」、不思議な雰囲気の「末期の吐息」(落ちでニヤリ)、読んでいる方も迷路にはまり込んで息苦しくなるような「自発的入院」がよかった。
「黒電話」は、削除部分があった方が、めでたしめでたしで終わらない不穏さをより感じさせるように思う。
孤独感や疎外感、言いたいことを言えないもどかしさを抱いたナイーブな人物造形と、色彩感覚溢れた叙情的な描写が印象的。
――20th Century Ghosts by Joe Hill
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アマゾン購入。タイトル買い。
謝辞と数編はいいなと思うのだけど、良い意味で「怪奇幻想文学」であり、私には物足りない。
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世界幻想文学大賞など、華々しい受賞作品。
短編集なので、一つずつ読めます。
表題作は、映画への愛情がこもっていて、楽しめます。
文章は理知的でアイデアに富んでいますが、虐待した人間が報いを受けるなど、暴力や恐怖といったモチーフが多い、男臭い世界。
父と息子、兄弟や友人との切ない絆やゆがんだ関係が多く出てきます。最初は純文学を書いていたという時代の書き込みも反映しています。
ホラーなので、誰にでもお勧めというわけにはいきませんね。
レベルは非常に高いのですが。
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読み終えた今はとても感動している
読み終えた興奮からだと思う
とても感動したのは「ポップ・アート」
風船少年との友情・絆がとても良くて本当に感動した
「自発的入院」の
『蟻は一列で行進するよ フレー!フレー!』って
フレーズが忘れられない
とても気になるのはなぜだろう
No.1 ホラーは「蝗の歌―」かな
とてもグロテスクだった
一番初めに読んだ海外文学がジョー・ヒルだったら
海外文学を苦手に思わなくて済むかも知れません
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昔から幻想小説は好きなのだが、久しぶりにドップリ漬かれる小説に出会った。文句なしの殿堂(死ぬ前にもう一回読み返したい本リスト)入り。
ジョー・ヒルの物凄さについては各所で各人が筆致の限りを尽くして絶賛しているので、ここで書き足すべき言葉はもう何も残されていない。スタンリィ・エリンとラヴ・クラフトを足して、ジャック・フィニーとカフカを振りかけたような味わい、とでも評すれば良いのだろうか?? 「アブラハムの息子たち」ではヘミングウェイ短編の香りもただよっていた。気に入った作品は、表題作でもある「20世紀の幽霊」と「謝辞」。いや、残り全部も。
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物理的に気持ちの悪い話、心理的に気持ちの悪い話、気持ち悪くはないけど不思議な話、ほのぼのした話、ナンセンスな話、といろいろバラエティに飛んだ内容。キングが好きな方はもちろんのこと、キングほどホラー色強くないので、キャロル・オコンネルやロバート・マキャモンが好きな人は、好きな雰囲気だと思います。
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あちこちで凄く評価が高かっただけに凄く期待していた。
期待したほど凄い内容ではなかったが、かなり面白い
話も幾つかあった。
普通小説もあり、どちらかと言えば幻想的、叙情的な
イメージが強かった。
個人的にはもっとホラーやSF的要素が強いほうが好み。
700ページで読みごたえはたっぷりあった。
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ホラー短編集
「20世紀の幽霊たち」「黒電話」「おとうさんの仮面」「自発的入院」
このどきどきする物語はいつ終わるのだろうと残り枚数を数えてしまう。短編なのに。
寝る前に読むと眠れない。
父キングと違って、すっきりしない結末が余韻を残すというか・・・
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キングの息子というのは比喩だと思っていたら、実の息子さんだったのですね……。評判通り、新人とは思えない完成度の高さ。特に「ポップ・アート」と「自発的入院」は傑作。
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【図書館】
「ポップ・アート」が秀逸。
主人公は風船人間のアーサー・ロス。
マシュマロのように白くて空気の入れ口まである。
触るとキュと音が鳴って、中身はからっぽ。
ティム・バートンのような不条理やブラックユーモア、
または何かのメタファーかと思いきや、
意外にもまっとうに明るく哀しい物語。
読み終わったあとに風船を見ると、
アートが飛んだ空を思い出してしまうような、後引く物語だった。
タイトルになった「20世紀の幽霊たち」もいい。
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タイトルからてっきりゴーストものの短編集だと思ってたらぜーんぜん違った(笑)
全体的にはホラーに属するのかもしれないけど実際はもっと幅広いかんじ。これタイトル損してないかな…
グロ方面ダメな人はひいちゃう話もあるけど(これはこれで突き抜けてて面白かったけどね)
爽やか胸キュン(?)話もありましたよ!
「ポップ・アート」とか「黒電話」とか弟が段ボール迷宮作っちゃう話とか(←タイトル忘れた…)
上記に通じるのは「少年時代」「絆」くぅ〜ツボですわー!
スティーブン・キングは怖い話の人だと思ってたら「スタンド・バイ・ミー」でノックアウトされた時を思い出す…。
訳者の人たちの力もあったかもしれませんが思わぬ拾いもの気分。
楽しみな人が増えて嬉しい限り
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こちらに書きました。
http://rene-tennis.blog.so-net.ne.jp/2008-12-15
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キングの息子が書いたという短編ホラー。
しかし翻訳ものの回りくどい日本語になじめず。
登場人物のカタカナ名前にも感情移入できない。
やっぱホラーは和製・鈴木光司だな
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ホラーと簡単に括れないジャンルの話。ジョー・ヒルはホラー作家のサラブレッドな上に更に自己進化している感があります。蝗の話なんてカフカを掘り下げているのが攻撃的で。でも彼の本質は幻想とか人が何か別のものとや正気と狂気の境界を行き来し、恐ろしい程静かなのが魅力かと。時間かけて読んで楽しかったー。