投稿元:
レビューを見る
先輩の著書。
なのに直販で買わないで、Amazonで買った。(笑)
それにしてもこの「歴史書」---そう呼ぶのが相応しい---のボリュームは超大だ。500ページもあるのに、二段組。すべて読むのにどれほどの時間が掛かることやら。どれも一級品の歴史的価値があるだろう資料類が、各ページに惜しげもなく披露されている。
大陸や年代ごとに整理された構成だから、興味のある土地や時代から読み進めて見るのも良いだろう。
文章もうまい。
難しい言葉は使われていないのに、声に出して読むとずしりと響き渡る余韻に底知れぬ重みがある。
なぜか?
それは掲載されている時刻表のすべてが人類の過ちの歴史そのものであり、何かしらの悲しみをその背景に抱えている(著者)からである。
最終ページに掲載された、マンハッタンの全景を映し出す、ニューヨークエアウェイズ(1979年倒産)の時刻表が象徴的だ。そこには在りし日のワールドトレードセンターの2つのビルが確かにそびえ立っていた。
本書はまさに「人類の哀歓の歴史」そのものである。