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ホロコーストを扱った児童書。緊迫感がありながら子どもらしい楽しさがある前半。重苦しさが増してくる後半。そして衝撃のラスト。あまりの衝撃に、しばらく立ち直れなかった。この結末は必然だとは思うが、子どもに読ませることができるだろうか。悩む。ホロコーストについての知識が全く無い読者には意味がわからないかもしれない。とにかく忘れられない1冊ではある。
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映画の方。原作とどの程度同じなのか違うのか分からないけれど。全てのネタバレ。ナチスの収容所所長の小学生ぐらいの息子が、収容者で同年代のユダヤ少年と友達になるが、息子は幼いため政治的な事情が分からない。無邪気に友達ができたと言って喜んでいる。中盤に色々とあった末、息子がユダヤ少年の行方不明になった父親(多分ガス室で殺されてしまった)を、一緒に探してあげると言って収容者用の作業着を着て扮装し、収容所に潜入したところ、ちょうど折り悪くガス室にユダヤ少年とともに送られてしまったという話。気づいて駆けつけた両親とナチス大好きな姉が、すでに時遅しと気づいて呆然としたり泣き叫んだりする様子が映されて終わる……。無垢な子どもが犠牲になる悲劇というものなのかもしれないけれど、凡庸とも言える設定だし、無力な子どもをダシにして、あるいは痛めつけて観客をビビらせるという方針も感じたし、あんまりなあという映画だった。そういうこともあったんだと言われてしまえばそうかあと言うしかないけれど。
http://movies.nytimes.com/2008/11/07/movies/07paja.html?ref=arts
かなり辛らつな評価。
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平成21年度課題図書(高校生向)〜ベルリンの豪邸に暮らすブルーのは親友にも恵まれ,何一つ不自由のない生活を送っていたが,或る日を境に生活が一変する。父親の仕事の都合でベルリンから遠く離れた廻りに家一軒ない土地へ引っ越し,フェンスを隔てた気味の悪い世界が広がっているのを見たからだった。ひとりで探検に出掛けたブルーノはフェンスの向こう側で佇む一人の少年・シュムエルと知り合い,友情が芽生えたが,母がシューヨージョの隣の生活は耐えられないと言い出し,司令官の父だけを残してベルリンに戻る相談が成された。ブルーノは別れがたい気持ちから,シュムエルの生活するフェンスの向こうへ,シュムエルの居なくなった父を捜すため,縞模様のパジャマを着て潜り込むが,笛が鳴って整列させられ,行進を強いられた〜ホロコーストの「新しい伝説」が造られそうで,嫌だ。これを書いた人は1971年生まれのアイルランド人,課題図書に選んだのは「善良で良識ある人々」。生き延びた人々が居なくなる前に新しい記憶として埋め込まれるのは堪らなく嫌だ。この本の広告欄で岩波書店は「ナルニア国物語」だの,「星の王子様」だの,「ゲド戦記」などを売ろうとしている。新しい本を売ろうとする気概はないのか!
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最初は「何が言いたいんだろうか、つまらない」の一点張り。
同じ課題図書だった「夏から夏へ」に挫折した後だったので、
どうしても止めることができなくて読み続けていたところ急にぐんっと背を押されたかのように面白くなりました。
いや、面白いというよりも…続きが気になるといった感じ。
これは長期間ベストセラーになる理由が分かった気がします。
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この物語の最後の一行が非常に考えさせられる。「いま現在では。」では、将来はこんなことは絶対に起こらないのか?起こらないようにしなければならない。
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子供の視点を織り交ぜて書かれてて、少し読み辛いなとも思いましたが段々これはこれで最後のシーンが非常に際立つ。久しぶりにぐっと魅せられて惹きつけられる本でした。
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学校の宿題で課題図書だったので読んでみました。
最初からあまり明るい物語ではないとは思っていましたが、ラストの急展開さに
驚きました。ホロコーストについて考えるきっかけになる本だと思います。面白かったです。
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大都会ベルリンから遊び相手もいない、殺風景な場所に引っ越してきた9歳のブルーノ。ある日冒険に出かけたブルーノは、巨大なフェンスの向こうにいる縞模様のパジャマを着た少年と出会う。フェンスの向こう、それはユダヤ人収容所だった。-9歳の少年の眼を通して見たナチスによるホロコーストを描いた小説で、映画化され現在公開中です。
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パジャマ(収容者たちが着せられていた服)って縦縞らしいのに、どうして表紙が横縞なんだろう。と思っていたんだが、このサイトでこの本の関連商品の欄をみたら、原作の方も横縞になってた。じゃあ仕方ないのか。
感想が難しい作品だ。
映画も見たのでともどもレビューを見てみると、映画にしろ作品にしろ賛否両論あるようだ。それも無理からぬことで、ホロコーストというテーマを、_加害者側(父親が強制収容所の司令官)の_頑是無い8,9歳の_子ども_の視点で描いているという筋立てがそもそもシンプルではない。主人公の立場に立つとどうしても彼の運命に感情移入しがちだし、しかしその彼は結局加害者側の人間で、無知であるが故に残酷な面もたびたび見せるとなると一体どうよ? という突っ込みもあり得る。主人公にいなくなった父親さがしを頼むユダヤ人の少年の動機にも、不純なものを探ろうと思えば探れる。人によって感想は様々だろう。
私はことさらこの作品が名作だというつもりはないのですが、この作品が訴えているメッセージは真摯なものだと思いました。
映画の公式サイトに作者のコメントが掲載されているのでそこからかいつまんで紹介すると:
・ホロコーストは今も継続的な問題
・その問題をとりあげるにあたって、作家は「あの絶望的な場所にあった真の感情を明らかにする責任」がある。
・ブルーノとシュムエルは、自分たちの口で物語を語ることのなかった人びとの姿を表している
ホロコーストの、当事者である大多数の無名の人びと――加害者側・被害者側双方の――の声を代弁しようという試みであれば、おそらく作者は被害者側の人びとからの反発も織り込み済みなんでしょうね。にもかかわらずこの作品が書かれたのは、ホロコーストは決して過去のものではなく、「フェンスは今も存在し続けている」からであり、今を生きる我々が状況次第でいつ被害者側に回るか、加害者側に回るか分からないからだろうと思います。
これも映画の公式サイトに書いてあったことですが、現代の我々からは過去にあたる彼らの無知ぶりや分別を疑わせる言動に「こんなこともわからないなんて」とか、あるいは「これくらい知っていたはずだ」とか、言うのは簡単なのですが、彼らにとっては「今起きていること」なのですよね。果たして我々は、「今起きていること」について、どれだけ分かっているのだろうか。そんなことも考えさせられました。
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衝撃的なラストまで読み終えて、ああ、なんでこんなことになってしまったのだろうかと思う。少なくとも、ブルーノに責任はなかった。ドイツ人とユダヤ人なんて、たぶん外見じゃそんな簡単に見分けがつかない。もちろん外見なんか違っても同じ人間であることには変わりないのだけど、そんなことにずっと気づきもしなかったブルーノのお父さんたちが、ベルリンのローラーさんよりも、きっとよっぽど頭がおかしかったのだ。そう、ブルーノは無知だったかもしれないが、愚かだったわけでは決してなく、彼の感じ方はどこまでもまともだったのだ。
これはよくできた作品だと思う。ただし、この本をすべて真に受けてはいけない。訳者もあとがきに書いている通り、収容所は子供がたやすく侵入できるようなところではなく、実際のところ、もっともっともっとひどいところだったということを、ターゲットとしている年少の読者にきちんと認識させる配慮は少し足りないと思った。個人的には他人の本の読み方に注文をつけるのは趣味じゃないんだけど、若い子は読前もしくは読後に独学すべし。あれ、なんだかおせっかいオバサンみたいな感想だなー。
原題:The Boy in the Striped Pyjamas
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とにかくラストにびっくりした。
ええー!!そう終るかっていう。
戦争って、今の私たちが振り返るとなんで当時の人たちはとめれなかったんだって思うけど、当時の人たちからしたらこういう感覚だったのかって。
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なかなかよかった。
映画を観ていたので、文字にするとどんなもんかな~~って思ったけど
残念ながら映画の勝ち。
でも、主人公いブルーノの豊かな感性を読み取るには
原作のほうがいいかな。
サイアクの姉、とか
(このサイアクの姉と)武器を置いて話し合うことがあってもいい、とか
独特の表現が笑える。
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終盤まで、主人公の無知と無神経さにモヤモヤした。9歳(小4くらい)で、なおかつこのような社会状況なら、もう少し周囲の事を知ろうとするだろうし、理解できると思う。しかし、最後の展開でそんなことは全て吹き飛んだ…。あとがきの「フェンス」というものは、凝り固まった社会的観念で勝手に人と人を分けることかなと思う。
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DVDに引き続き原作を読む。
映画と比べると、一人語りの分、ブルーノは生き生きとした活発な少年で、心の動きがよくわかり好感が持てる。
でも、映画はいろいろな角度からとらえている分、ドラマチックでより物語がわかりやすい。
実際はあり得ない設定なのだけれど、ふたりが全く同じ誕生日でそっくりになっていくところ、ドイツ人とアシュケナーゼの少年が、そこが原作の一番の魅力かも。
そして、映画で一番違和感があったのが、実際のアウシュビッツと比べ、ブルーノの家の向こうに収容所があったこと。
原作ではすぐ目の前に延々と続くフェンスがあって…アウシュビッツの雰囲気が伝わる。
映画だもん、きれいにしたいよね。
原作のエピローグのあり方も胸に染みた。
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読書感想文用。ナチスの話は好きだ。
敢えて現実と相違させている点は評価する、が、絶望が足りない。光と闇のコントラストが、足りないのだ。