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ずっと欲しかった幻の本。
いつまで廃版にしておくのかと思ったが
(たぶん筆者逝去を受けて)遂に復刊。
内容は主に講演とエッセイを集めたもの。
小説に比べるとかなり真面目な論調のものが多い。
なるほどね、と思うところ、多数。
2008年11月購入、読了。
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ヴォネガットはニヒリストである。
しかし、人間は、人間社会はどうしようもないものと思いつつも、正義あるいは神の名の下における持てるものの都合の良い理屈からなる運命論には屈しない。
ヴォネガットは全体には絶望しているが各々の問題に対してのかすかな希望は捨てない。
ヴォネガットは各種の講演やエッセイ、書評、インタビューが納められた本書で語り続ける。
富はもっと公平に分配されるべきである。社会共同体を再構築し人々の絆を取り戻すべきである・・・
それはかなわぬ夢であるどころか、そうした思想が返ってより悪い結果しかもたらさないこともヴォネガットは充分に知っている。
だけど希望を繰り返す。
人間は絶望的に愚かであるが、希望を語れなくなるほどの絶望はないから。
むしろ肥大化した脳が、退化して動物になった方が人間は幸せだろうと思いつつも。
笑いながらでも泣きながらでも希望を語り続けること。
大いに語ることはとても健康的だ。
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まだ20代だった頃、ヴォネガットに出会い、同じ時代に生まれ、彼の新作をリアルタイムで読めることがとても嬉しかった。でも、もう彼はいない…
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スローターハウス5が1969年だから、それから5年後に出された本書は、もっとも初期のころのエッセイを集めたことになる。
ヴォネガットは小説は面白いけれども、エッセイ集は面白くなかった。
真面目さが前面に出過ぎているからだろうか。