紙の本
私はご免こうむりたいです。いきなり老けたら女は生きていけません。。。
2008/12/14 20:19
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kako - この投稿者のレビュー一覧を見る
22歳だった次の日、ぼくは53歳になっていた。空白の31年。。。
という本の説明ではありますが、その喪失の理由というのがまた想像していたのとは全然違っていて、話への導入部分から本の中へ入り込んでいくのが早かった作品です。
そこから展開していく話がとても「よくできている」としか思えない設定で、私が読書をするときの悪い癖、話の続きが気になると速読をしすぎて5行くらいをまとめ読みし、結果細かい部分が頭に入っていないという現象を招いてしまいました(笑)。
織り込まれていく殺人事件。
贅沢にもミステリーとSFが紡がれている作品です。
人生において一番輝くであろうかと思われる時間を奪われる喪失感。
自分よりも長い時間を歩んできた元自分。
シリアスである設定にもかかわらずどこかユーモアを感じさせる文章はさすがということでしょうか。
・・・といっても文庫をあまり読まないので、西澤さんの作品をそこまで読みこなしておりません。
実際の比較対象作品は少ないですが長編小説「収穫祭」の時に感じた、話に無理やり設定を入れ込んだような感覚もなく、短編小説集にあった面白いけれども読みごたえに欠ける感じもなかったです。
ぜひ主人公と一緒にタイムマシンに乗って楽しんでみてください。
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あらすじを知らずに読み始め、珍しく普通のお話だなぁなどと想っていたらいきなりファンタジーに!(笑)
高知を主な舞台に、ある日降ってきた「雨」によるベツバオリ、そしてサシモドシがおきたひとたちの物語。ちょっぴりミステリー。
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ライトなSFミステリ。ジャック・フィニー「ボディ・スナッチャー」へのオマージュといった趣もちょっとだけアルかな。犯人の動機がちょいと弱いような気もするけど、「可もなく不可もなし」ってところでしょうか。
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諸和52年、22歳の主人公 奈路充生は銀色の雨に打たれて地球外生物に身体をのっとられてしまいます。本の中ではそれをハオラれる。ハオラれたその人をベツバオリといわれますが、基本的にもとの人格をなぞられるので、一見変化が無いように見られるようです。ただ親近者は違うとわかるようです。
そして31年後。ふとしたきっかけでオリジナルの奈路充生が目覚めてしまいます。それをサシモドシというようです。元は同じ人格とはいえ一つの身体に二つの人格。いろいろと問題が生じていくのです。
しょっぱなに地球外生物に身体をのっとられて・・・ときたら宇宙人侵略か?と思われますが、ベツバオリは虚弱体質なのです(^^;)、テーマはどちらかと言うと空白の31年間の苦悩がメインかな。
設定がとても面白く、ひきつけられましたが、なんか浅い感じ。もったいない。
それにハオラれる直前の一夜の関係の話は余分な気がしたんだけど・・・
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久しぶりの西澤さんのSF!!もしや初期の西澤が戻ってきたのか!?・・なぁんて思ったけれど、『人格移転の殺人』や『七回死んだ男』のように、SF要素がミステリに絡んでくるわけではない。設定に重きを置いていた前とはちょっと違う。ベツバオリやサシモドシの設定自体は面白かったので、もったいないなーって思う。その点は確かに残念だったけれど、面白くなかったわけではなく、ベツバオリやサシモドシの話、満喫しました。寄生した53歳の人格とオリジナルの22歳の人格の交流はなかなか読み応えアリ。それにしても薀蓄は多すぎる・・。食に関する健康やら、癌の捉え方やら・・。『夢は枯れ野をかけめぐる』が老後や介護のテーマだったし、西澤さん・・50代を目前にしていろいろ思うところがあるのかしらん。
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あれ?? ついぞ最近似たようなSFミステリーを
読んだばっかりな記憶が...(笑)。こういうケースって
あるもんなんですね。
面白く読みましたー。
ラストのサプライズは余りにもサービスっぽくて
そら出来過ぎやん! と突っ込みたくなるのですが、
これがあることによってストーリー全体が暖かい空気感で
ホワっと着地するこちが出来たんですね。
面白かったけど、余りにも読んだタイミングが悪すぎ(笑)。
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七回死んだ男、以来の西澤作品。
特異なシチュエーションでのミステリを得意とする西澤保彦らしい作品。
ただ、これはちょっと物足りない感じ。
なんとなく、導入の部分が長すぎたような、
事件が起こるまでがどうしても、状況の説明に終始しちゃってるようなそんな感じで。
ミステリ部分も割とシンプルだし。
シチュエーションが特殊だけに、それを提示しきるのに時間がかかっちゃった印象。
でも、七回死んだ男でもそうだったように、
どこかほのぼのとした感じは好きです。
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高知に雨が降った。その時から雨に打たれた人々は乗っ取られた・・・地球外生命体に。って、SF?SFなんだけど、っぽくない日常の物語っぽいミステリっぽい多重ジャンルを網羅してた。31年前のこの事件が何重にも重なって殺人は起こったひとつのきっかけで「サシモドシ」があってから。コンパクトにおもしろかった。
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【22歳だった。次の日、ぼくは53歳になっていた。空白の31年。ぼくは、きみは、ぼくたちは、少しは幸せだったのだろうか。彼を襲ったのは、不条理でやりきれない、人生の黄金期の収奪。あらかじめ失われた、愛しい妻との日々。おぼえのない過去を振り返る彼に、さらなる危険が迫る。】
「ベツバオリ」や「ヒキモドシ」なんていう聞きなれない言葉の意味もすんなり入ってきます。
こんなSFチックなこと起こりえないと思ってはみても
突然31年後になっていたら・・・。そして自分以外の自分の中に意識だけで存在するなんて・・・。しかも22歳からの31年間なんて一番変化のある時期なだけに想像するのも難しい。
だからこそ、克服した後の状況はホッとできるものでした。
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癌・その他モロモロに対する知識がものすごく見につきました。それが正しいかは置いておいて、そういう側面もあるんだと、なんだか新鮮な気持ちになれました。非現実的なミステリー物。
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前作の「夢は枯れ野をかけめぐる」もそうだけど、今回も泣けます。主人公のこれからの人生にエールを送りたいです。
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ややSF要素(宇宙人の人体乗っ取り?)が入ったミステリ。ですが、SF部分は読みやすくあっさりしてて、苦手な人でもとっつきやすいです。
トリックはないけれど、テーマはミッシングリンク。この動機にはなるほどです。そういえば伏線はあったなあ。そして事件解決後の繋がりもきちんとあってすっきりしました。それと、癌に対する見方が変わりますね(笑)。これを信じていいものなのかどうかは分かりませんけど。なんだか一理ある。
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割とありふれた宇宙人が地球人の身体を乗っ取るの派生バージョンみたいな感じですが面白かったです。宇宙人というか地球外生命体貧弱www
この主人公にいい奥さんが見つかるといいなぁ。
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隣に座っていた女性とご飯を食べ、お酒を飲み
気がついたら…な状態。
恋人の両親に会いにきた初日にこれ。
もしや不倫か三角関係話? と思いきや
きれいさっぱり違う方向へ。
人が死んでも、TVの向こう側のような状態。
なのに、ちょっとした事からそこに介入し
刑事だけは出てくる。
そして蚊帳の外で死んでいく人達…。
もしかしてこれはミステリー? と気がついたのは
3分の2も進んだ頃でした。
しかし手がかりはそこらにちらちら落ちてましたし
言われてみればそんな事を…といった感じ。
動機もすごいですが、設定もすごいです。
自分がこうなってしまったら…どうしましょう?
さすがに31年も経たれると、今読んでいる本が
結構完結してるかも知れません。
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22歳だった。次の日、ぼくは53歳になっていた。空白の31年。ぼくは、きみは、ぼくたちは、少しは幸せだったのだろうか。彼を襲ったのは、不条理でやりきれない、人生の黄金期の収奪。あらかじめ失われた、愛しい妻との日々。おぼえのない過去を振り返る彼に、さらなる危険が迫る。