投稿元:
レビューを見る
味わうには色の濃い作品。これが処女作だなんて信じられない、と思っていたのも束の間、さらりと読み終えてしまいました。
彼の精神的な世界を垣間見て、どこかうっすらと汚れた沢山のものが、煌めいて、嫌な笑みを零しているんじゃないか、と思ってもみたり。
(2010.09.04)
投稿元:
レビューを見る
聖水と精液は同じだし汚物を吐くのと繭を吐くことも同じ。
脆弱は華奢、堕落し背徳するは天への埋葬と同義語。
悪は正義。殺人強盗も喜ばれる事項として処理される。
ジャン・ジュネはピカレスク小説を純粋なる童話へ昇華させた。
くるりくるりと廻る世界に絶対的基準も標準もない。常識も神も死んだ。
あるのは破門された聖女の聖歌とエゴイズムな娼婦の画像。
澱んだ聖性は汚物に塗れ再び聖餅として胃袋に収まるのだ。
ある種のアポトーシスが完成し瀟洒な聖堂が建築される。
時代と供にジャン・ジュネの感性は広がり乱反射されるのが、
私の望みであるとともに繊細なこの文学の瀰漫の排列を望むのだ。
投稿元:
レビューを見る
うーん…ね? いろいろと本質的なことが描かれているような気はする。ところどころハマる。でもなぁ……
自分に合わないだけなんだろうけど、これをきちんと理解するには仏語を理解し原文で読む必要がありそう。
原文のイメージやリズムを壊さず伝えようとしているのかもしれないけど、日本語訳がヘン。脳内で言葉を換えたりするとスムーズに読めたり。
今のところ、ほかの作品を手に取ることはなさそう…
投稿元:
レビューを見る
さっぱり分からなかった・・・。下ネタの部分しかほとんど頭に残ってなくて、自分の読解力がほんとに悲しくなる。
でも都市の裏側で生きている人たちの感情を描いているところが当時は新鮮だったのかなぁ・・・。なんてことは漠然と感じた。
投稿元:
レビューを見る
それは汚物と体液と腐臭に塗れた、ひとつのサーガだった。緊張した意思の、時には酷く辛い努力によって齎された眼が語る、強烈な詩だった。人殺しの密売人の泥棒のごろつき達が、悲劇のレチタティーボを歌う。身に纏う幸福を一枚一枚剥がされ、老男娼は聖女となった。糞尿の海での溺死。嫉妬も怒りも嘆きも愛も身に纏いながら、月は荘厳に昇る。