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最初は誰が最後にヤッちゃう人なのか、だけに興味もって読んでたけど。旦那の職業と、過去の病気からこの人だろうとあたりはつけたが。・・・キツイ・・・。愚かな主婦たち!!と、切り捨てるには心理描写なんかリアルすぎて、妬みや嫉妬や見栄が自分にも当てはまるようで。
【結末の見解】結局、この5人は帰れた人たちってこと?トイレのシーンは、この物語にでてこない、実在の犯人そのものであり、小説内で心理をともにしてきた5人は最後の一線は超えずに、自分たちの帰る場所に戻れた人たちである。
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実際にあった事件をモチーフとした小説。
母親達の苦悩がリアルに伝わってくる。
それぞれが持つバックグラウンドや、ちょっとした誤解、たまたまの出来事などが絡まりあって
少しずつ関係が壊れていく切なさ、仕方なさみたいなものが描かれている。
個人的には、専業主婦という立場の、生きずらさを感じた。
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きっと、この物語に出てくる母親たちのように、たとえ些細なくだらないと思えることでも、気になって気になっていてもたってもいられなくなる
そんな時が誰にでもあるんだと思う。どうして比べてしまうんだろう。どうして羨んでしまうんだろう。キリキリした焦燥感にも似た思いの中、辿り着いたその場所には、私が願っていたものは結局何も無かった。
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子供の幼稚園入園がきっかけで知り合った母親達を中心に、5人の母親達の心の動きを描いた作品。
最初は対等だったはずの関係がいつしか依存、嫉妬、脅威の関係に変わっていく。
追い詰められていく彼女達の心の叫びが耳のすぐそばで聞こえるようで、だんだん恐ろしくなった。
会社勤めや学校に通っている間はオンとオフがあった。外で嫌な事があっても家に逃げ込めるし、会社での愚痴を組織外の友人に話す事もできる。
でも乳幼児を抱えた専業主婦に逃げ場はない。子供の評価=自分の評価。
子供と自分だけの世界は必然的に自分の内面をさらけだし、不安でざらざらした気持ちにさせる。
誰か私の話を聞いて、私の存在を認めて、私を、私だけを見つめて。
読み終えた後も、私の心には彼女達の叫びがこびりついて離れない。
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なんで女同士ってこーなんのかね。
男の友達だとなんないのに。
この手のストレスにはフリーなとこにいるのは幸せかもな。
そばにいる限り抜け出せないからな。
うっとおしいにもほどがある。
結婚しても、子供産んでも絶対仕事続けるぞって思う本。
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マダムや金髪の女の子など年齢も育った環境も違う5人の主婦が知り合い、仲良く付き合っていくが、流産、お受験を通し女のやっかみや嫉妬が混ざり合い次第にドロドロした関係になっていく。長い話だったので時間はかかったが入り込んで読めた。とてもおもしろかった。ドラマになりそうな感じ。
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角田ワールド炸裂の小説だったと思います。
子育て中の母親達が、子供のお受験を通して
互いの関係が崩れてゆく様を、リアルに綴っています。
角田さん、子育てなんかしたことないだろうに
こんな風に考えることが出来るのって、男からすれば凄い想像力だなあ・・・
女性心理の微妙な変化を感じ取りながら、ゆっくり読み進めると楽しめると思います。
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母親たちのそれぞれの子どもを通して展開していくストーリー。
ストーリーのテンポがものすごく良い。
怖くなったり
泣きそうになったり
分かる分かる と頷いたり
人間誰しも 森に眠る魚 なんだな。
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同じ年代の子どもをもつ知りあいの方に、「怖いよ〜」とすすめられて読んだ本。
みんなが越えそうで越えないボーダーラインを、越えていく人たち。
彼女たちはとてもふつうに見えるから、ラインを越えた「一歩」は周りにはわからない。
でも、じわじわ、じわじわと、「一歩」の狂気がみんなを取り巻いていく…。
角田さん、どこまでえぐっていくんだこの人は!と、ガクガクブルブルしてしまいました。
えぐりっぷりでは「八日目の蝉」もすばらしかったですが、
あのときはお寺の住職さんがときにキラリと刀を抜くよ、という感じでした。
「森に眠る魚」は、武蔵級の武士がおもむろに刀を抜いて
すごい形相で差し迫ってくる!やめて〜!とまって〜!という感じですよ。
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角田光代さんにはエッセイから入りました。
「いつも旅のなか」「あしたはドロミテを歩こう」「何も持たず存在するということ」を読みました。
そのあと小説を読むようになりました。
「八日目の蝉」「対岸の彼女」に続いて3冊目です。
小学校入学前の子どもを抱えた東京の主婦たちの「お受験」をめぐる話ですが、構成と人間観察がしっかりしていて、色々と考えさせられました。
主要登場人物は「ママ友」繭子、容子、千花、瞳、かおり、の5人です。
繭子のお金に関する描写は面白いです。
夫の小遣いが月3000円とかかわいそうです。
節約の仕方が尋常でありません。
遺産が入りそうだというだけでマンションを購入する軽薄さも憎めません。
消費者金融からお金を借りることは難しくないということが分かります。
預かった他人の子に怪我させて黙っていたり、自制心がなくタバコを吸うところも憎めません。
消費者金融からお金を借りていることが夫に知れます。
100万円を超える借金があったということですが、これは返済可能な数字ですから救われます。
マンションを売ったときに、世界が終わるような焦燥感にとらわれますが、世界は終わりません。
実家に帰って出産することになりますが、その風景は牧歌的です。
千花は、経済的に不安定な人と結婚する気はなく、理想の夫を手に入れます。
夫の上昇志向も好きでした。
夫は自分の故郷の東北の田舎町を嫌悪しています。
妻に盆暮れの実家への帰省を強要しません。
外国産の車、高級レストラン、都心の住まい、飛行機のビジネスクラス、生活感のない洒落た部屋、いわゆるセレブな暮らしが手に入りました。
夫は残業や休日出勤が多いのですが、そのおかげで自分たちが不自由なく暮らせるのだから文句は言いません。
千花には茉莉という妹がいます。
妹に嫉妬します。
茉莉は海外暮らしをしていますが、千花は逃避しているだけ、やることは支離滅裂で何一つものにできていないように見えます。
茉莉が雑誌に載ったりして、何ものかになったらどうしよう、何かの分野で成功したらどうしようと焦ります。
妹が両親に認められているのをみて、焦り、妹に負けられないという心理から、お受験にはまります。
人間が人に認められることの意義がよく分かります。
千花は後には我が身を振り返り、何故茉莉のように清々しく広い場所にでていかなかったのかと思います。
銀座に茉莉がオーナーのアクセサリーの店が開かれるのを祝います。
瞳は、繭子に子どもを預けて怪我させられます。
何故あんな無責任な母親に預けたのかと憤ります。
悩みがありますが、夫に相談すると夫は正論を言います。
相談できないのは正論で私を否定するからだと瞳はひとり思い悩みます。
相手を否定してはいけないということが瞳の心理描写からよく分かります。
かおりは夫がいますが、不倫しています。
夫を見下げています。
夫は、臆病で経済以外では頼りにならない人、事業を始めたいとか田舎暮らしをし���いとかは言わない安全な人と見ています。
かおりの娘は、真面目な子ですが、クビのない人形を集めています。
不倫相手について、本質的には頼りにならないということを感じるようになっていきます。
おしまいの方で、狂っていく女の姿が出てきます。
正しい人と正しく結婚したはずだったのに、狂ってきているのはどうしてでしょうか。
夫が帰ってきて、「どうしたの」と言うと妻は怒りに震えます。
あなたは私を心配しているんじゃない
あなたが訊いているのは私のことじゃない
夕飯はどうするのか
洗濯物はどうするのか
この泣いている子はどうするのか
って訊いているだけじゃない
ここは鬼気迫るものがありました。
ミクシイレビューで「最後は読むのが嫌になった」「こんな女と結婚したくない」「誰にも起こりえることだからホラーよりもホラー」という感想がありました。
中盤は読むのが辛いところもありましたが、最後は救いが見えないこともなかったと思いますし、読んで良かったと私は思いました。
角田光代さんの作品をもっと読んでいきたいです。
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東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。
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何とかいまの侘しい生活から抜け出し、都会のお洒落なマンションで素敵な暮らしをしたいと、できる限りの節約をしてお金を貯めているところに義父の突然の死で幾ばくかの現金が手に入り、念願のマンション暮らしを始めた、繁田繭子。大学の四年間は東京に居はしたが寮暮らしで、結婚して東京に住むようになってやっと素晴らしい未来を手にしたと思えるようになった、久野容子。息子を母に預け、スポーツクラブで汗を流す、高原千花。高校生のころ、学校に馴染めず摂食障害になり、心を癒すために入った会で知り合った男性と結婚した、小林瞳。モデルルームのようなマンションで家族と暮らしながら、かつて働いていた出版社の上司だった男性と不倫をしている、江田かおり。
同じ幼稚園に通う子どもを通して、あるいは、同じマンションに住む住人同士という縁で、そしてまた、同じ産婦人科に通う妊婦同士としての縁で知り合い、憧れたり、惹かれたり、心強く思ったり、いい友人に恵まれたとしあわせを感じるときもあったのに、彼女たちの関係はいつの間にか何かに蝕まれるように変わっていくのだった。
文京区音羽事件(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%87%E4%BA%AC%E5%8C%BA%E5%B9%BC%E5%A5%B3%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6)がモチーフになっているとも言われる。たしかに、この事件の犯人の犯行に至るまでの心の葛藤はこんな風だったか、と思わされる部分も多い。だが、それだけではなく、女同士の関係性の難しさや、理想と現実のギャップ、集団の中で自分らしくあることの難しさなど、さまざまな要素が絡み合って成り立つ物語である。
女たちの胸のうちの呟きがリアルで、ときに胸を締めつけられるような心地でもあり、貪るように読み進んだ。
著者らしい一冊だと思う。
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この小説の母親達5人。 同世代の子供たちのお受験に、お互いに嫉妬したり、依存したり、足の引っ張り合いしたり。
もう恐くて恐くて!! ゾクゾクしました。
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一気読み。
子育てに迷う複数の家庭の書き分けにそれぞれ説得力がある。『八日の蝉』レベル。
今ノリにのっている作家の1人だと思う。
いろいろなことを深く考えさせられた本。
☆は4以上
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東京の文教地区の町で出会った5人の母親。育児を通してしだいに心を許しあうが、いつしかその関係性は変容していた。―あの人たちと離れればいい。なぜ私を置いてゆくの。そうだ、終わらせなきゃ。心の声は幾重にもせめぎあい、壊れた日々の亀裂へと追いつめられてゆく。
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>相手が自分を否定しないとわかっているときだけ、人はなんでも言えるのだと、夫は気づかないだけなのだ。
てのが妙に印象的だった。