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んーんー、面白くないわけじゃないけれど、
なんだかちょっと物足りなかった。
会社の機械とはみんな折り合いをつけながら
仕事をしているわけで、
そういう日常はよくわかるんだけど。。。
LANケーブルをこっそり切っちゃうのは
かなり大胆な行為だわな。
淡々としすぎていて怖かった。
うん、日常と非日常の境目と思えばそういうことだわな。
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再読なのだけど、初めて読んだときよりも後編の「地下鉄の叙事詩」が面白く感じた。
こういう会社や電車での何気ないひとこまを物語に仕立て上げられるのは津村記久子ならではの才能だなと思う。
嫌な人はいても、根っからの悪人じゃないというのが本当にリアル。
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アレグリアってヒトの名前かと思ったよ、最初。けどまさかコピー機のことだとはね。で、「アレグリアとは仕事できない」って言ってるのはミノベっていう女子社員。このミノベとアレグリアとの死闘が描かれている…って、戦っているのは一方的にミノベなんだけどね。だって相手は機械なんだから。戦うってことは有り得ないのだけど、まさに「戦ってる」んだな、毎日毎日。使う相手を見て態度を変える機械。疲れると休憩モードに入ってしまったり有り得ないエラーコードを表示したり…まさに「意思を持った機械」のよう(ミノベにとってそう映るだけなのだけど)一歩間違うとミノベが狂気のヒトになってしまいがちなのだけど、それをちゃんと日常的なOL物語に終結させられている。「会社」という組織の中で毎日どういうことが起こっているか、よく分かる。
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某複写機メーカーの皆さん、注目。「アレグリアとは仕事はできない」は短編2作が収録されているが、表題の「アレグリアとは・・・」のアレグリアとは新型の複合機の商品名。
ユーザを嘲笑うかのように、いざという時に長時間調整モードに入ったり、エラーコードを表示して止まる。そして、サービスマンを呼ぶと、何事もなかったかの様に動き出す。
表題の物語はある設計事務所(?)で働く女性が、少し年上の先輩(女性)と一緒にこのアレグリアに振り回される話。そして、話は一種の殺人事件に発展する。尤も本当のところは「殺人」ではなく、「殺機」、殺されるのはアレグリアである。なぜアレグリアを殺したのか。その時、アレグリアを取り巻く人々はどう行動したのか・・・。
複合機への恨みがいっぱい詰まった(?)佳作。
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こんなジャンルがあるなんてというか あることは知ってたけどなんとなくズガンときましたよ確かにアレグリアとは仕事はできない主人公はキーッとなりすぎだけど決してそれは大げさには感じないそれが話のつくりとしてとてもよかった意図してなのかどうなのか登場人物の性別が最初ちょっとわからないま いいんだけど
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OLと複合コピー機との闘いです。何でもできる優れものというふれ込みで入荷したはずのコピー機アレグリアですが、何度もウォームアップを繰り返したり、意味不明のエラー番号を表示したまま止まってしまったりします。しかも修理を依頼したとたん動き出したりして、まるで小ばかにされているような働きぶりです。
ああ、こういうことあるなあと誰もが思うことでしょう。それをここまで憎しみをこめて機械と対決するストーリーにしていくあたり、凄腕だと感心しました。
もうひとつ、「地下鉄の叙情詩」もありふれた光景をデフォルメして描いています。鋭利な刃物のような文章ですが、「痴漢」に対する義憤を読めば、作者が女性であったと改めて思い出すのでした。
人々が見てみぬ振りをして誰かが泣いている、そんな理不尽を赦さない強さがあります。もっといろんな世界の不正を一刀両断に切っていってほしいですね。
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いい加減にしろ!
働かない奴は死ね!
ミノベの怒りの矛先は最新複合機アレグリア。
津村節…というのか読む度にどんどん好きになっていく文体。
津村記久子の描く、働く女子の(ちょっと変わった。またそれが良い)痛快な仕事小説。
同時収録、地下鉄の叙事詩は満員電車のいっやぁな感じがうまく出てる短編。
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会社で事務作業をしていた経験のある人なら恐らく共感できるのでは。
機械にイライラさせられること、満員電車でイライラすること、どちらも日常がリアルかつコミカルに描写されていて愉快だった。
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会社勤めの人間の心内を描くのがしみじみうまい。仕事の、通勤の、できごと、そのときに思うこと、感じること、こまごまとした描写がうまい。
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今回読んだ「アレグリアとは仕事ができない」は,あるよねーというくらいであまり心にひっかかるものがなかった。私ももちろん機械にやられたことはあるけど。印刷機で両面印刷をしたら,3枚ごとに紙がつまったり(150×3部刷らないといけないのに)。
地下鉄の叙事詩は,痴漢にあった女子高生の,隣に立っている大学生,その斜め前にすわっているサラリーマン,大学生の隣に立っているOLの視点から満員電車での様子がかかれる。大学生は悪態もひどいし,他の人から見ても態度がものすごく悪いらしいけど,お年寄りが乗ってきたらちゃんと席をゆずってあげたり,女子高生のことも(痴漢には気づいていなかったけど,いじめられていると勘違いして),何年かすると大丈夫になるよって教えてあげようとしたり,意外に良い人だったりする。OLさんは痴漢に気づき,電車が止まった後痴漢を追いかける。このOLさんが電車内で行う,ちょっとした復讐みたいなのがつぼだった。というのも,私もそういうことをしてしまうからだ。
満員電車というのは,人の悪意を増幅する。結構普通の大学生が,ものすごく態度が悪くなったり,うまくふるまえない人を見て「この素人が!」と悪態をつきたくなったり。もちろん痴漢もそうだ。普通の人がそんなことをしたりする。満員電車に乗らなくてもよい地位にあがるまでは,これが退職まで続くのだ。あーいやだ。
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図書館本。
読むたびになんだか身につまされすぎて具合が
悪くなるような気がするのに
読まないといけない気にさせられる作家。
しかしエンディングがいつもあれっという感じはする。
まぁ現実なんてそんなものなのかもしれないけれど。
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表題作は、コピー機をめぐる会社員小説・・・と書くと、地味すぎる物語に思えるかもしれませんが、やはりそこは芥川賞作家による作品、やっぱり読ませます。機械と人間に対するモヤモヤした気持ちが交錯しながら物語は進みます。きっと一気に読ませます。
同書に収録されている「地下鉄の叙事詩」では、電車という機械と乗客という人間に対するモヤモヤした思いが増幅されていきます。その意味で、表題作の延長にあります。
さらに表題作の関連でいうと、伊井直行の傑作中編『さして重要でない一日』も、コピー機をめぐる会社員小説です。これも一気に読ませます。
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わかります、わかりますよ。
忙しい時に限って見計らったようにヘソを曲げる機械・・・。
擬人化してイライラしてしまう気持ちもよくわかる。
コピー機への毒つき方が面白い。もっとケチョンケチョンに言ってほしいくらい。
みんなストレス抱えながら働いてるんだなあ。
「地下鉄の叙事詩」はだいぶ暗い。鬱々としてしまう。
最後はやっぱりちょっと希望を持てるのがこの作者のよさかも。
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津村さんが芥川賞を受賞した直後、紀伊国屋で山積みになっていたのでなんとなく気になって購入。
アレグリアはプリント・スキャン・コピーができる最新の複合機、なんやけどなぜか主人公のミノベが使うコピー機能に限ってヘッポコ。立ち上がりは遅いし、しょっちゅう止まるし、紙入ってるのに「用紙切れです」とか言うし、サービス呼んだら何でか直るし。この辺は、事務やってるヒトにはよう分かる話で、わたくしも普段プリンター使うお仕事なので、ナゾの「用紙切れです」にはしょっちゅうキレてる一人でございます。
そんなコピー機あるある、だけじゃなくてミノベがウダウダねちっこく心の中で考えていることとか周囲の人たちのキャラクターなんかがリアル、でもちょいちょい挟まれるユーモアのおかげか読んでいてそんなに疲労しないので、軽く小説を読むのにオススメです。
一応、アレグリアには秘密があって彼女の機嫌が悪いのには理由があるんやけど、たぶんその秘密があってもなくても、ミノベ・先輩・シノダ・社長等などの面々が同じ会社で仕事してたら一緒やったんちゃうかな、という気がする。アレグリアの後継機もやっぱり休むらしいので。
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前半はオフィスの複合機によっていらいらするお話。
超共感。
そういう機械 あるわ!
こっちがここまで折れてさしあげてんのに
あんた何偉そうにサボってんのよっ!?って
心のなかで悪態ついてるオフィスワーカーが
自分だけじゃないことが判って少し嬉しい。
■ ■ ■ ■ ■
後半は満員電車のなかでいらいらするお話。
これまでの人生、満員電車とほぼ無関係に生きてきたせいか
あんまり共感できなかったり。
■ ■ ■ ■ ■
総じて、この作者さんは嫌いじゃないかも。
どこがどう、とか判然とはしないけど。