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復刊というか文庫でまた新しく出たんですね。田辺聖子の書く女性…というより主人公みたいな人間が好きです。
人ってこれぐらいいろいろ考えて目の前の他人と同じ空気すってますよね。
会社で、「センチメンタル・ジャーニィ」言ったら何それ?言われました。
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大阪舞台の小説。
ほぼ女が年上。
どれもあまり大好き!というほどではない、が、ちょいと考える機会になった。
恋愛だって、好きにしたらいいじゃない。
最近、いろんな世間の話に縛られすぎていたので。
どれも面白い!とか思えなかったものの、
大阪が舞台、関西弁の多い作品たち。
というわけで、また読んでみようと思う。
次はまさに!な感じの『おそすぎますか?』を買おうと思う。
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“旅”についての作品が4つ入った短編集。
『田舎の薔薇』で主人公が信州を旅行して、しなのに乗ったり善光寺平に感動したりしている。
いつまでも定職につかず、自分のくだらないプライドや夢にすがりつくしかない旦那さんには本当に嫌気がさした。でも、ケンカをして飛び出した奥さんの滞在先まで電話をしてきて、上手にしゃべれなくても伝えようとする彼の哀れな姿はとても愛しい。「薔薇が咲いた」。どんなに不器用な言葉に聞こえても、これだけでいい。ああまた煩雑な日常に戻って精一杯がんばろうと思える。
旅っていうのはやっぱり、よくも悪くも日常についていつも以上に考えさせる。
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お聖さんにハマリ中。
感傷旅行は、時代性があるものの、今に通じる普遍性と爽やかさがあると感じた。
結局、女はあーだこーだと見えていても、純愛だとかたった一つの愛情とか、そういうものを求めていたりする。
主人公の有似子は客観性の低い性格で、支離滅裂だが、そのパワーと明るさが魅力的。こういう振り切った女って面白い。
でも揺れてしまうあたりの女心やイタズラ心もよく表れている。最後は違う道を歩むあたり、
現実でもここまでのパワーのぶつかり合いはなくとも、そういう出会いばかりではないだろうか。
ぬるい刺激を受けつつ、違う方向へ進んでいく。同じ方向へ進んでいく人達は、人生の長い時間を一緒に過ごせる同士も見つかるかもしれんが、
そうはいかないのが現状。やはりその時のエネルギーやタイミングで人と出会い、別れていくことが多い。
乱闘(?w)有似子が部屋に転がりこんで泣くあたりのシーン、爽快であった。ここまでぶつけれる相手がいるということは幸せなことだ。
有似子の表記は大阪弁ではないが、イントネーションが大阪ってあたりも新鮮さを感じ、読爽感がある作品だった。
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「田舎の薔薇」を読んだところ。
乾いた心に、こおばしい番茶をのんだ気分です。
重荷を背負った週末。
田辺聖子さんの小説を読むとき、たとえ
今がどんなに苦しくても
窓の隙間から、光が差し込むように感じる。
まんまの大阪ことばの羅列は、すこし敬遠だけど。
それ以外のものは、すなおに受け入れられる。
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浦野所有
→11/03/27 竹谷レンタル →11/06/11返却
浦野レビュー - - - - - - - - - - - - - -
田辺聖子、おもしろいですね~。
この文庫には4編の恋愛小説が収められていますが、どれもいいです。
とくに、「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」の有以子の生き様がいいですね。まあ、現実にあんな女がいたら関わりたくはないけど。で、この有以子が、共産党員のケイを「最後の男=結婚相手」と選び、その一部始終を友人のヒロシに自慢げに話すところから物語が始まるのですが、有以子とヒロシの掛け合いがおもしろい。湿ったまま終わるラストもいいです。
ちなみに「感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)」は第50回芥川賞受賞作で、第51回も、同じく共産党員の若者を描いた「されどわれらが日々――」。だけど、何なんでしょう、この鮮度のちがいは!
「されど…」は、もはや化石のような作品で、人の生の営みをコレっぽちも感じられないというのに、「感傷旅行」には古さがありません。これも、作家としての力量のちがいなんでしょうかね。
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体温のある心の動きが感じられ、ちょっとほっこりしたり風が吹いたり(笑)また田辺先生読むかもしれません。
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表紙がキレイ。中表紙がカワイイ。4本が収録されている。表題作はまとめきれてなかった気がします。若さゆえか。いちばん最初の作品がいちばんおもしろかった。短編ならではの切なさが良かったです。
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乃里子シリーズから田辺聖子に入っていろいろ読んできたが
とくに「感傷旅行」は
たしかに田辺聖子の色をしっかりもっているけど
いままでのというか他のものとはちがった。いいショックだった。
共産党員をもってきたのが要因のひとつかもしれないけど
それは人物像が面白いだけで
クライマックスの面白さはまた別にあって・・・。
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芥川賞受賞の表題作のほか、『恋の棺』、『いま何時?』、『田舎の薔薇』を収録した短編集。
一筋縄ではゆかない恋愛の苦さやしょっぱさが取り上げられてはいるが、「〇〇だナー」といった田辺さん独特の軽妙なノリは健在だ。
表紙に惹かれて買ったが、読んだことのある話が入っていたり堅苦しい話があったりで、私にとってはあまり楽しめないハズレな一冊となってしまった、残念。
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☆芥川賞
この文庫のために再録された4編からなる短編集。
表題作の「感傷旅行」は芥川賞受賞作だが、作者自身が“内容とのギャップの効果を狙った”(あとがきより)と言うだけあって、かなり意外だ。
変な男とばかり付き合っている有以子が次に熱を上げたのは共産党員のケイ。親友のヒロシから見ても今までになく朴訥な青年に思え、うまくいくかに見えたが…。
有以子は田辺作品の中によくあるおきゃんな(!)キャラだが、中でも群を抜いてぷっつんである。党員がどうの、というよりその性格にちょっと辟易してしまった。本当はそこがこの作品の味なんだろうが。
個人的には「田舎の薔薇」のほうが好きだ。多忙な女医(と言っても中年)とうだつの上がらない夫とのお話。
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1963年下半期芥川賞受賞作。田辺聖子は初読だが、この人に対するステレオタイプ的なイメージは持っていた。それからすれば、芥川賞作家だというのは意外だった。オオサカの放送界の男女が主人公だが、それに対置されているのが、線路工夫で共産党員のケイだ。ただし、ここで語られる「党」は時の世相を反映してはいるものの、きわめて図式的だ。倉橋由美子の「パルタイ」(1960年。芥川賞の候補にはなるが落選)が直ちに連想されるのだが、その後も含めてこの両者の階梯は大きい。世界や世間に対する向かい方が決定的に違うのだろう。
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感傷旅行を読みたくて手にした。
感傷旅行を読みたいと思った理由は、芥川賞受賞作だから。
その感傷旅行は1964年発表なので、著者年齢が36歳位の時に書かれた作品になる。
まあ、芥川賞を受賞作品というのは、作家のスタート時点の作品になるので、面白いという期待を抱くのは間違いだろう。
実際にこの作品を読んだところ、大したことがないな、というのが率直な感想。
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田辺聖子先生の作品は、今までハズレなしだったのだが、この表題作・芥川賞受賞作『感傷旅行』はつまらなかった。
田辺氏の恋愛中短編は時代感がなく、今読んでもとても新鮮で魅力的。しかし本作は、1960年代の世相が反映されており、また、男で失敗を繰り返すヒロインに共感できず…
巻末のインタビューは貴重かも知れません
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哀悼の意味で再読、何だか最近多いなこのパターン、若干悲しいなぁ。
と言いつつ田辺聖子、実はこの本しか読んだことがなく、思い入れがあるとはとても言えません。
でも改めて読むに、特に表題作、そうか、芥川賞ってこういう感じのものも選ぶのかと思いました。何となく『コンビニ人間』の読後感に似ている。唯一違うのは、本作の設定は当方、同時代に生きていないので現実感のない想像の世界に留まる一方、『コンビニ』はまさにストライクで、肌感覚から同一化できる(と思いこめる)ことでしょうか?
その差が★差になっているかと思われ、本作は小説を読むという楽しさを存分に堪能できます。