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何だか凄い...なんとも言い知れぬ尊崇の念と言うか妄執と言うか...人はここまで他の誰かを追いかける事ができるんですね。感心しきりです。それとは別にこの文章とその卑屈な性格とのギャップたるや...西村賢太、恐るべし…他のも読んでみよ~
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タイトルは「何んのそのどうで死ぬ身の一踊り」との一句から。
私小説らしいが、DVあり、オナニーあり、買春ありで、情けない男を描いた秀作。本当に下らないことで女と喧嘩になるシーンなど職人芸を見ているようだ。藤澤清造は読んだこともないし、どうでも良いが、それ抜きに十分楽しめた。
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初めての作家さん。
ずいぶん話題になった方ですね。
賛否両論あるとは思いますが、私は好きですね。
私小説と言う事で、他の作品もこんな感じなのかな?
気になるところです。
実際に関わるには嫌なんだけど、遠目で見てる分には嫌いじゃない。
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藤澤清造への私淑も、荒んだ生活も、「徹底」している。「徹底」するとそれは文学に昇華されるのかも、と思わせられた。
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読み進めていると、なんだかとても哀れな気持ちになった。
DVの表現はやけにリアルで落ち込んだ。
西村賢太凄いな。無頼。
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自分のどうしようもなさをここまでさらけ出すのはすごいと思うのですが、どうしようもなさすぎてみていられませんでした。文学としてはすごいものなのかなあ。分からず。
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中卒・酒飲み・貧乏でDVばかりの文学愛好家、西村賢太の私小説。
もうこの人の小説の凄さは『暗渠の宿』を読んですっかりあてられてしまって、もう少しこの人の人生を覗きたくなって手にとった。
彼の藤澤淸造への信仰が伺える「墓前生活」とこれでもかと西村賢太節が味わえる「どうで死ぬ身の一踊り」。
『暗渠の宿』でも書いたが、こんな人物を紙面を通じて知り、彼の立場に立つというのは、本当に面白い体験だと思う。
虚栄心、偏執狂、即物主義、傲慢・・・男の持つ欠点をとことんデフォルメしたような著者の私小説を読むことは、不思議とスカっとするし、でもやっぱり身につまされる。
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酒、女への執着と暴力そして藤澤という作家への思い。大体感情を爆発させて失敗するオチ。
結末が読めても頁をめくってしまう暗黒の魅力がある。
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相変わらずのDVや内弁慶っぷりや粘着質な性格には閉口だけど、こと藤澤清造に関することの行動力や執念たるや見習ううべきところ多し。反面教師にしても良し、過去の失敗や後悔から、どうせなら開き直って!と勇気を得てもよし。
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藤澤清造への作者の眼差し、そしてその経験を介した私小説。私小説というよりは、作者が愛してやまない藤澤清造説明書、という印象。それくらいに藤澤清造という作者に没入しているのだな、と感じさせられる一冊。特に「墓前生活」ではその色が特に強かった。
他2作の「どうで死ぬ身の一踊り」「一夜」は、彼女との諍い、DV etc。
解説で語られている様に、作者は本来、作家になるつもりは無かっただろうし、予定も全く無かったのだと思う。だから、彩色と呼ぶのだろうか、誇張や強調といった物事が殆どなされていない、どこまでも平凡を保っているような、そういう印象を受けた。
しかし、自分は単純に、この物語が嫌いで、主人公の身勝手な行動を受け入れられず、どうしようもないヤル瀬無い気分を抱えながら、過去に読んだ「癈疾かかえて」と何かと被る印象を受け、評価は低く付けた。
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一連の作品は、みな同じ話なんだが、何故かひきこまれ、読んでしまわないといけないような作品だ。「嫌になるんだけれど、読まずにいられない・・的な」
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芥川賞作家西村賢太氏の私小説作品「どうで死ぬ身の一踊り」を読了。以前この著者の作品の読後感想を書いたときにある友人からこの作者の作品になぜか嵌ってしまう人もいるよというコメントをいただいた事を思い出したが、本作品を読みはじめたときに思ったのはまた同じ話なのに読んじゃうなあという感想だった。芥川賞の選考委員の多くも知らなかったらしい不遇の作家藤澤清造の全集の自費出版を目指す中年男のその作家に関する超絶オタク具合と病的であるDVの様子が描かれていているのはほぼ今までの作品と共通していてどうしようもない男の哀しい日常を見せつけられる作品であるのは全く変わりがない。人間の業を感じるからだろうか、この作家の作品にはまるひとがいるのは。僕はもういいかな。知られていない不遇の作家藤澤清造というひとに興味を持たせてくれる作品を読むBGMに選んだのは
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一度読んでみたかった西賢作品。ってかこれ、私小説だったんですね。ここで対象となっている作家のことは、愚昧な自分は存じ上げなかったけど、彼に書ける情熱の高さはひしひし伝わってきた。私生活の何を置いても、ってくらいのめり込める対象、存在自体が素敵ですね。私生活そのものは、ちょっと褒められたものじゃないけど、文章そのものには惹かれるものがありました。機会があれば他作品も是非。
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彼の著書を買ったのは、これが初めてだったか。
著者と大正時代の私小説家の藤澤清造を重ねあわせて、無頼ぶりを発揮する結局が弱い男なんだが、なんだか気になるんだな。
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再読。芥川賞を受賞した『苦役列車』よりこの『どうで死ぬ身の一踊り』のほうが文学性は高いように思う。美しく端正な日本語を操り純文学の香りを持ちながらも、内容はお下劣極まりない。東大卒のサラブレット作家には醸し出せない、余所行きの一張羅を誰よりも綺麗に着こなす下民といったところか。(すべて誉め言葉)
主人公寛多は、所謂無敵の人で、無職のくせに借金を重ね大酒飲みで恋人に暴力を振るう最低な人物だ。不快な設定なのに面白おかしく読めるのは寛多が徹底して屑で、そのくせ文章に品があり且つ藤澤清造への熱意は物凄く純粋だからであろう。
好き嫌いが相当別れる作家だが中毒性ある作家だ。