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本書より
・社会保障とは、ミクロには、貢献原理に基づいて分配された所得を、必要原則に基づいて修正する再配分制度であり、マクロには、基礎的消費部分を社会化することにより、広く全国に有効需要を分配するための経済政策である。
・中負担を目指す日本が、現状を中福祉とみなすか低福祉とみなすかということは、今後の負担増を、社会保障の機能強化に使うのか、それとも財政再建に使うのかという選択を、違った形で表現しているにすぎない。
・年金税方式への問い
1.新制度への移行後の無年金・定年金者にも、新たな年金消費税を課すことができますか。
2.保険料支払い免除者への新たな消費税負担はできますか。
3.高齢者に二重の負担を課すことはできるのですか。
4.租税方式への移行は、企業から現役、高齢期の生活者へのコストシフトを意味するのですが、そういう所得の再分配効果を本質的に持っているような政策を実行可能だと思いますか。
5.月々六万六千円もらえると思って保険料を完納した人々に、月々五千円だけ給付しながら、その人たちの指示を得続けることができますか。
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権丈善一先生の考え方を知るために読んだ本。日本の社会保障制度、特に年金問題を中心とする主張が、非常にくだけた文体で書いてある。
とりあえず社会の事を知るために、学生のうちに読んでおきたい1冊だと思う。
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権丈先生のお話は論理的で説得力がありますね。
本書内で随所で引用されている「勿凝学問」、Web上に公開されているようです。
http://news.fbc.keio.ac.jp/~kenjoh/work/korunakare_index.htm
こちらも読んでみようと思います。
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ブログに書いた日記をまとめたような本。
内容は上から目線の愚痴ばかり。
なぜ社会保障が必要なのか、なぜ足りないのか、どれぐらい必要なのか、誰の為に必要なのか、根源的な問いが一切描かれいないので、
何の参考にもなりません。
こんなクズ学者を税金で養っていると思うと悔しくなるような内容です。
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・OECD(先進国)内で租税収入の対GDP比が日本は下から4番目、アメリカよりも低く、下は韓国、トルコ、メキシコなど若い国のみ。日本は既に小さな政府である。逆に言えば、増税の余地がある。
・少子化は年金を租税負担にしても、保険のままでも影響を与えることに変わりはない。消費税を増やして保険を無くすのは、厚生年金の企業負担を、低所得者、高齢者の消費税に切り替える事に近い。
・生活保護は収入が得られず、親戚の扶養も不可という厳しい条件がある。年金はそのような条件が無く、所得補助と考える事が可能なので、生活保護より低額でも問題無い。
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レポート本2冊目。
メディアからの情報を鵜呑みにする有権者が増えている。
これを読んで強く思うのは、もし自分自身で政策や経済のことを考えるには、多少なりとも経済学の素養が必要だということ。
そして、一見筋が通った経済学の説得にも疑問の目を向けること。
経済学にも系譜があり、両者はまったく噛み合わないこと。
自分で将来の道を選ぶには、選挙で正しく選ぶしかないのだが、消去法で全く残らないのが嘆かわしい。
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社会保障制度国民会議の委員就任時、2008年当時の会議での議論やニュースや政治的動きをリアルタイムで語った本。
著者の歯に布を着せない発言は痛快。
続編も早く読んでみたい。
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選挙はもうとっくに終わって民主党が政権を獲得したけど彼らの今後の福祉に関する政策とそれを報道するメディアを批判的に見るために役立つでしょう。
著者の意見を簡単にまとめると、「年金制度は全然破たんしてないし(それはただの誤解)、医療・介護の分野はもう崩壊し始めてるから、保険料と税金を引き上げて国民にきちんと負担してもらわないといけない。それができなければ、ただでさえ『小さすぎる政府』である日本で国民が安心して暮らせるような世の中にはならないでしょう」という感じかな。
ただ、ひとつ気になった点がある。それは、社会保障の所得再分配と「社会保障とは、・・・マクロには、基礎的消費部分を社会化することにより、広く全国に有効需要を分配するための経済政策手段である。」(p63)という面は強調するのだが、金融政策などによる経済成長をあまり重要視していないように見受けられるところ。
確かに、再分配して基礎的消費を社会化すればいくらかは経済成長には貢献するかもしれないけど、結局再分配するパイが増えなければ、社会保障のその効果も小さくなるんではないかな?と、素人ながら思いました。