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特捜部の機能不全、「捜査の職人」が消えてしまったのではないかといようなことが言われだして久しい。
記者である著者は、政界のフィクサーと誤解されてしまっている秋山氏の人となりを知悉しており、その人間がなぜ逮捕されてしまったかという疑念から端を発しこの作品が書かれた。
古き善き時代であったかどうかも含め、後世の歴史家が判断するであろうが、現場を知り尽くした特捜経験者が検事総長を務めた時代はきちっと公判が維持でき、そしてまたむやみやたらと逮捕などしなかったようだ。
現場経験のない霞が関の法務官僚が牛耳る検察体制が素人検察官の暴走を産んでいるらしい。
現在の検察、裁判制度自体が持つ限界性も含め、新たな制度を創造していかなければならない曲がり角に日本社会は指しかかっているのだろう。
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今の日本がおかしくなっているのは、検察や官僚が自分達の思い通りにならない政治家を恣意的に逮捕したり起訴するというおかしな世界になっているからだ。
なぜこんな事になっているのか、沢山の人にその事実を知ってもらいたい。
そのためにも身近で起こった最近の間違った疑獄を含めて,検察でどんなことが起こっているか?ぜひ読んでもらいたい。
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特捜が最近批判されているが、正義の特捜がいつからおかしくなってきたのかをを筆者の取材経験から積み上げてわかりやすく解説してくれている。
正義とは何か? いつしか独善的になり、最初に描いたシナリオに自縛されて、ひたすらそのシナリオに合うように無理やり調書を作り上げ、マスコミを操作する構造を批判している。
それだけの権力を持つだけに、その力を間違って使ってしまった時の怖さを感じる。
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私には御縁のない世界のことだけど,真実の究明よりもシナリオが優先されるとは誠に恐ろしい。「職人」がいなくなっている(というか育成できなくなっている)のはどこの世界も同じなのか。
■苛察と検察
■組織を変質させる要因の大元は人事
■箔付けポスト
■不祥事にフタ
■検察ファッショ
■法務省要職コース
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権力が恐ろしく、かつ、現在でも暴走があり得るところがとても怖い。
三権分立なんて言うが、要は、あらゆる意味で強制力を持つところが強くなるのが道理で。
人というものは腐り易く、腐っていることを明らかにして自浄する仕組みがないと、またその仕組み自体が腐らないようにしないと、腐っていることすら気づかない。
自分の身に降り掛かるまでは。
なるほどねー、何も知らないと、自分自身だってマスコミの情報にいつの間にか侵されてしまっている訳だ。大切なものは健全な批判力で、そのためには正確な情報が不可欠。
ちょっと話は違うが、なぜ人権研修なんてものが必要なのかってのも同源やねんな。
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作家 佐藤優氏が特捜の問題点を洗い出した著作を面白かったので、かねてから異なる視点での著作を読みたいと思っていた。
本書は、産経新聞記者の著者が新聞記者の視点から、特捜がなぜ権威も能力も落ちてきているかを表した本。4章からなり、捜査というよりも筋読みに合わせた内容をある意味でっちあげて、そのうえで起訴してしまっている現状がよくわかった。
権力は暴走するということがよくわかる本だった。