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グロ描写は単純にぼかすのではなく比喩表現を駆使する方が好みなのですが、直接的な描写が延々続くと攻撃力高いんだなとよくわかりました。「透明女」エグイ……
「悪魔の不在証明」を真相を踏まえて人物や動機を置き換えてみると楽しかったり。どちらが真相かはわからないけど、こっちの方がシンプルだよなあ。
短編集「海を見る人」が大好きなものの、後味が悪い作風と聞いていたので他の作品は敬遠してたのですが、思ったよりスラスラ読めました。ただ人物描写が端的で特徴をよく捉えていたものの、「海を見る人」より浅い気がしたのが気になります。まあこれで人物描写まで深かったらグロ描写が痛々しくなりすぎるのでわざとかなあとも思いますが。
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読んでるだけで臓物の臭いがしてくる短編集。
グロを比喩じゃなくて直球で表現してくるから痛い臭い気持ち悪いことこの上ない。
この人のSFとホラー混じった感じが最高に好き。
『透明女』が突き抜けてるから他が物足りないかもしれない。
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おもしろかった、やはりホラーの中では、この人が一番好きかも。
単純に怖い感じの作品だけでなく、αΩの時みたいなSFヒーローもの
っぽい作品も好きです。
★4でも良かったのですが、いまいちピンとこないものも少し入っていたので、厳しめに三つにしておきます。
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ホラー短編集。『ホロ』、『造られしもの』などのSFテイストな作品が好み。臓物関係の直接的なグロ表現が、読んでてダメージきますなぁ…。(←褒めてる)
あ、『悪魔の不在証明』が論理の激突で非常に面白かった。
書き下ろしもいくつかあるものの、基本的にあちこちの雑誌に書いた作品を集めたモノのせいか、タイトルにあるような『臓物博覧会』的な一貫したテーマではないので、タイトル負け(プロローグとかエピローグとかつけてても、全体的な印象が「?」ってなる)しちゃうのは残念w
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プロローグ / 書き下ろし
透明女 / 書き下ろし
ホロ / 初出 『異形コレクションⅩⅩⅩⅧ 心霊理論』 光文社文庫 (2007.8)
少女、あるいは自動人形 / 初出 『クリスピー物語』 ネスレ文庫プロジェクト (2006.4)
攫われて / 初出 『ミステリ・アンソロジーⅡ 殺人鬼の放課後』 角川スニーカー文庫 (2002.2)
釣り人 / 初出 YOU&I SANYO 1999年9~11月号
SRP / 初出 『稲生モノノケ大全 陽之巻』 毎日新聞社 (2005.5)
十番星 / 初出 Newtype 1995年11月号
造られしもの / 初出 小説すばる 2003年3月号
悪魔の不在証明 / 書き下ろし
エピローグ / 書き下ろし
カバーイラスト 森山由海
カバーデザイン 森川結紀乃
装幀 田島照久
印刷 旭印刷
製本 BBC
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おどろおどろしいタイトルのわりには読後感は爽やか。コメディやハッピーエンドもあり、明るい気持ちになれました。ハズレなしの良作短編集。
最初の「透明女」だけは安定のグロですが、他はだいたい健全。星新一オマージュの「釣り人」、アイザック・アシモフ的な世界観の「造られしもの」なんて特に上品で、おいおいグロが足りないよどうなってんのというレベル。人に薦めてもドン引きされないバリアフリーな内容だと思います。
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タイトルも、内容もオドロオドロしい。
飯食っているときは、読まない方がいいですね。
普通のホラーと言うより、SFホラー。
怖いと言うより、グロい。
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短編集。狂人大集合!「SRP」がB級臭がすごく気に入った。「造られしもの」は泣ける。「攫われて」物理的に痛い感覚になる。
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ホラー短編集ですが、SFありコミカルな話もありで多彩。グロテスクなものもありますが、不思議と後味は悪くない。
初めの「透明女」が恐ろしくえげつないなと思えば、次の「ホロ」が綺麗なSFでびっくり。
「攫われて」は痛そうで読むのが辛かった。
後半四編「SRP」「十番星」「造られしもの」「悪魔の不在証明」はどれもお気に入り。
「SRP」
妖怪SF。稲生物怪録に科学特捜隊というすごい組み合わせ。楽しい。
「十番星」
ベタベタなホラーSF。少年向け古典SFホラーっぽさがよく出てて懐かしい気分になる。
「造られしもの」
ロボットSF。これも古典的ロボットSFの名作を意識している感がありますね。哀愁漂う。
「悪魔の不在証明」
小さな村に現れた宗教家と神の存在を議論するうちにとんでもない結末に。狂気だ。
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臓物が語る物語。
痛かったり怖かったりグロかったり
と色々な短編詰め込みで面白かった。
『攫われて』が辛かったのと
『悪魔の不在証明』が面白かった。
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夏の終り頃購入し、長く積読にしていた1冊。
完全にタイトル買い。購入後、同作者の『玩具修理者』『人獣細工』『肉食屋敷』『アリス殺し』(順不同)と別作品を発掘 、先に読んでしまって……。
タイトル、プロローグと本編との関わりは薄く、期待していたモノとは異なるが、色とりどりの9編を取り揃えたあたりは大展覧会。
「ホロ」ヴァーチャル・オチ的なのは個人的に、あまり好みじゃないかな。
「少女、あるいは自動人形」は世界観は好きだけど、アレレ?って感じ。
ショートショート的「釣り人」のオチは、ソコへ至るまでとのギャップに、思わず笑ってしまった。
「透明女」「攫われて」はスプラッター描写に目を奪われがちだが、オチのスッキリしない感が好き。
そして、後半4編はベクトル異なるが、ドレもイイ。
「十番星」少年主人公モノ。環境問題を逆手にとり、人間が元凶かと思いきや、きいきいきい(←ふざけてるわけではありません)。
「悪魔の不在証明」途中で何となく、オチの予想がついたが、イイ意味でモヤモヤする。
「造られしもの 」ロボットSFモノ。オチとともにこのタイトルが秀逸。
「SRP」コメディタッチのB級特撮モノ臭がプンプン。設定も、キャラも、オチまで大好物!
以上が、全9編のザックリした、感想でした。
そして、エピローグはプロローグと呼応し、ちょっとオドロな感じなのだが、9編目のラストの余韻を、逆に、醒ましてしまってんじゃないかな?なくても良かったような……。
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痛くて気持ち悪い、怖い、ゾクゾクする、気持ち悪い、痛い痛い痛い。でもどんでん返しにゾワッとして、それが面白くて、こんなに面白いけれど、絶対に人には薦められなくて悩ましいね。
9つの短編集。
描きおろし作品の「透明女」と「悪魔の不在証明」の終り方の気味悪さは異常。「攫われて」はもう目眩がするくらい怖かった。
「エヌ氏」が出てきたり、やたらと深呼吸を勧める変な刑事が出てきたり、SF戦隊物が急に始まったりと、変に緩急のある小説だった。
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透明女はグロかった。透明女には悪気はなかったんだろうけど…。
攫われてはなかなかの怖さだった。てっきり"僕"は犯人だと思ったけど、読み返してみると馨のようにも思えるし…どっちなんだろ。
十番星はきいきいきい。
造られしものはSFだけど衝撃のラストだった。本人は知らずに死ねたけど…。
悪魔の不在証明もなかなかよかった。文筆家の話は真実なのかどうか。。
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グロはあんまり好きじゃないので「ホロ」と「少女、あるいは自動人形」が面白かった。「十番星」はウルトラQっぽくてある意味一番小林泰三っぽい気も。それにしても小林泰三の本に出てくる女はやたらバカばっかりね。ステレオタイプなスイーツ(笑)というか
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「腹が立つ」「腹の虫が収まらない」「腹に据えかねる」「腸が煮えくり返る」「腹黒い」「腹を決める」の言葉があるように、腹、腸(はらわた)は古来、日本人にとって脳や胸(心)よりも怒りや恨み、または強い欲望の『意識』が在る臓器なのだとする小林の着想と感性で綴られる9話で構成される恨みと復讐のホラー小説短編集。表題をストレートに解釈するとさぞやと思われるが、内容は確かにグロテスクなホラーも在るもののSFテイストに満ちた奇異なストーリーで構成されている。
エジプト神話の≪ウロボロス≫と苛めによる恨みの背景を絶妙なバランスで描いた正統派ホラー作品『透明女』。
≪霊体視認≫をシステム化した社会で人の人生における強い欲望を描いた『ホロ』。
小林の短編においてたびたび登場するテーマ≪ロボットと人の優劣の差≫を描いた『少女、あるいは自動人形』。
ホラーというよりもミステリーの趣が近い誘拐犯と主人公の織り成すストーリーは犯人が主人公の仕掛けたトリックを推理するという逆転の発想がコメディタッチの「攫われて」。
60~70年代の星新一によるSFショートショートをリスペクトしたような読了感の『釣り人』。
作者の小林はきっとテレビを熱中して観、妄想の日々を送る少年だったに違いない。いや、きっとそうだ!ヒロインのフジ・ユリコってネーミングどうよ?好きだねぇ、否定はしないその気持、凄く良く判るから。『SRP』
この作品が随筆されていた頃は「冥王星」は第9番目の惑星だったんだなぁ。ちょっとタイムトラベルしたような錯覚を楽しませてもらったヤング・アダルトなSFホラー作品『十番星』
『少女、あるいは自動人形』と共通するテーマの短編。「不完全な人間と完全なロボット」の差と、人間の尊厳が危うくなる恐怖『造られしもの』
有名な「悪魔の証明」をベースにしたストーリーは、文筆家の男と、聖書を盲信する宣教師の男とが繰り広げる神の実在の証明を賭けての問答。行動の出発点が≪善意≫で動いている人間ほど厄介なものはない事を表現したシニカルでブラックな展開は、逆説的に人間の≪腹黒い(グロい)≫部分を炙りだす『悪魔の不在証明』
タイトルは、かなり≪狙った≫向きがあり、むしろ確信犯的。おもしろかった。