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"牙を剥いた八岐大蛇の顔が視野いっぱいに広がった。
三人は目を瞑り絶叫した。
いつまでも絶叫が続いた。
三人とも、さすがにこれほど絶叫が続くのは妙だと思った。
ついに息が続かず、絶叫が途絶える。
ユリコは息継ぎをして、また絶叫を始めた。
ブキチは恐る恐る目を開いた。
目前三メートルのところに八岐大蛇の顔が迫っていた。
だが、その位置からは前に進むことができないようだった。全身が激しく振動し、表皮が波打っている。
「二人とも目を開けてください!さあ、逃げましょう!!」"[p.259_SRP]
前半はけっこうぐろねちょと。
「プロローグ」
「透明女」
「ホロ」
「少女、あるいは自動人形」
「攫われて」
「釣り人」
「SRP」
「十番星」
「造られしもの」
「悪魔の不在証明」
「エピローグ」
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『悪魔の不在証明』が最高
この中に神の存在「賛成派」「反対派」の意見が全て載っている。
常に議論のテンプレとして携帯しておきたい。
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彷徨い人がうらぶれた町で見つけた「臓物大展覧会」そこに展示されている臓物は一つ一つ己の物語を持っているらしい。彷徨い人は「臓物の物語」を聞こうとするが…というプロローグで始まる物語なのですが、読んでみるとスプラッタありSFあり、別に臓物関係なかったりで、あんまり統一性のないグロめの短編集だった。星新一的な「釣り人」「造られしもの」がおもしろかった。オチがよくわからないのが多かったので★2。
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冒頭の「透明女」がグロすぎで心折れそうになりますが、それを除くと、SFありミステリありのちょいグロバラエティ短編集といったところ。「悪魔の不在証明」は、緻密な論理展開とちゃぶ台ひっくり返しラストが小林泰三氏らしくて素晴らしい。読んでください。
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臓物である必要はどれぐらいあったのだろうか。
ただグロい感じがするから臓物ってだけなんだろうか。
オープニングからの流れはもう少し膨らませて欲しかった。
たまにグロに走る星新一もどきみたいな。
グロに走るのが安易な逃げだと思われないといいなと思う。
私は少しそう感じた。
理屈が分からない怖さというのは確かにあって、説明されないまま終わるから怖いというものもあるのだろうけど、これもまた、安易に投げっぱなしするのとは違うと思うのよね。
著者の中には形がはっきり見えていて、それを直接言及しないまでも、それが存在するからこそできた物語ならいいのだけど、とりあえずなげときゃいいやー、みたいなものだと残念だ。
この本の物語がどちらなのかは私にはわからなかったけど、グロの使い方は安易かなと感じた。
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1999年から2007年に発表された短編に、2009年のこの文庫刊行時に書き下ろし数編を加えたものと思われる。
巻頭の「透明女」(2009)が、デビュー作『玩具修理者』(1995)と同レベルのグロテスク趣味炸裂のホラーとなっていて、良かった。やはり「突き抜けた」感は痛快なものがある。
他では「攫われて」(2002)が、誘拐された少女たちの苦悶に満ちた閉所での時間が、悪夢的なインパクトだった。
一方「SRP」(2005)は、カプセル怪獣ならぬカプセル妖怪や、科特隊の出来損ないみたいのが出てきて、懐かしくも楽しい。同著者で未読ながら『ウルトラマンF』なる作品があるようだが、それと通じる世界なのだろうか。笑わせて貰った。
他はホラーよりSFに入りそうな作品が多く、あまり良くないものもあったが、全体としては楽しめる作品集だった。
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グロさに定評がある小林泰三作品の中でも特に血生臭い作品。「透明女」は女性を解体している描写が妙にリアリティがあって読んでいて痛みを感じるような錯覚に陥った。
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グロ多めで嬉しい
人違いで誘拐される話が大好きなのでありがたかった
透明女の動機がかなり良かった 自分を助けてくれた人たちに恩返しがしたくて、自分が今1番素晴らしいものを共有してあげよう(押し付け)としているの、順当に人とコミュニケーション取ってこなかった人特有の思考でいい 自分が欲しいものは他人も欲しがっていると思い込んでる
あと最後の私が物語になって永劫展示されていく展開も好き 私もあの展覧会にふさわしい話を持っているんだと思うとこころが踊る