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独身主義だったヒロインが家族のせいで裕福な結婚相手を探さなくてはいけなくなる…というのはよくあるストーリーですが、ヒロインの生い立ちというか、生活環境が切ない。
この時代の女性はいくら自立したいと思っても職業は限られています。
勿論起業するわけにもいかず、運良く遺産を手にするか、家族の援助なしには生活できません。
当初ヒロインは周囲の期待や思惑を突っぱね、落胆や嫌みに耐えつつ独身生活を貫こうとします。
それは祖母が用意した結婚相手であるヒーローと出会い、反発しつつも惹かれあった後も同じ。
義務による結婚を厭い、ヒーローとも別れます。
しかし、やがて自分が結婚しなければ貧しい家族は今後『どうしようもない』という現実に突き当たり、嫌っていた『つとめ』である結婚を決意します。
ヒーローも悲惨で可哀想な生い立ちをしており、女系家族で苦労しています。
当初からヒロインにメロメロですが、とある事情から結婚はできないと考えていて、1人悶々としているのが哀れというか、間抜けというか…
キーパーソンとしてヒーローの愛人が登場しますが、よくある悪役風の攻撃的なタイプではなく、ヒロインに直接関わることもなければ、積極的に悪事をはたらくこともありません。
登場人物皆が必死で余裕がなく、一生懸命です。
悪人ではないんだけど、追い詰められて…という感じで一部のクズ以外は悪役でも憎めません。