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「進化しすぎた脳」の続編として、池谷先生が母校で日本の高校生を相手に講義。脳というものの実体が何なのかということを探る前著の内容を踏まえつつ、「私というものは何か」という課題に対して、脳科学の立場で一つの答えを提示している。前著同様に知的好奇心を充分に満足させてくれる一冊。
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分かり易い上に楽しい!なかなか無い科学本。
読み進めるたびに著者の教え方の上手さにも感心してしまいます。
ラジオ体操の件は唸りました。当然無意識に体操やっちゃいました。
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「のうだま」に続く池谷本第2段
高校生の頃に池谷さんのような人の話を
聞いていたら人生が変わっていたような
気がする・・・
これでもか!ってくらいに、脳に関する
新事実が出てくる。
是非、ご一読を!
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ちと難しい言葉も出てくるが、非常に面白い!
4つの章から成り立っているが、これが『高校生相手にした講義』というのだから驚きだ。
脳について、DNAについて、自分について、自由について…
どれもこれも面白い。
私的に一番面白いのは、『ゆらぎ』を活力として使っているってコト。
脳って、結構単純だったりするんだなって。
体が動いて初めて意識したり、納得したり。
そして結構驚きなのが、実験結果をケータイやPCで見れること。
これってすごく重要だと思う。
マウスの海馬のニューロンとか、それを音階にして聞いたり…。やっぱり画期的。
ニューロン見た時に、鳥肌立っちゃうくらいに綺麗だし。
すごく面白くて、新鮮な本。
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■目次
第1章 脳は私のことをホントに理解しているのか(今ここに立っている不思議
意識は私の全部じゃない ほか)
第2章 脳は空から心を眺めている(脳研究って何だろう
「役立つ」以外にも記憶の役割がある ほか)
第3章 脳はゆらいで自由をつくりあげる(少しは脳の気持ちにもならないと
僕らの「心」は環境に散在する ほか)
第4章 脳はノイズから生命を生み出す(脳の「ゆらぎ」は何の役に立っているのだろう
アリはどうやって行列をつくるか? ほか)
■レビュー
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著者の出身高校で行った4つの講義を紙上で再現したもので、じつ にわかりやすく、かつ知的刺激にあふれる一冊。
著者自身があとがきで「この本は私が出してきた全ての本の中で1番思い入れがあって、そして1番好きな本であることを、正直に告白したいと思います」と語っているように、実に活き活きと母校の学生に講義をしています。
これだけ知的刺激にあふれていて、かつ読み物としてもおもしろい本は滅多にないと思う。是非1度読んでもらいたい1冊。
★心に響いた言葉
「正しい」という感覚を生み出すのは、単に「どれだけその世界に長くいたか」というだけのこと
心が痛むときは、脳で本当に痛みを感じている
スーパーマーケットや八百屋では、特売品やセール品は、人の流れに対して左側に置くと目に留まりやすく、販売数も伸びるという話 があります
睡眠は脳や体をクールダウンするための休息時間では決してなくて、 もっと積極的に情報の整理や保管を行うための活動的な「行為」
アリの社会は、言うことを聞かないヤツを必ず残しておく。進化の 過程で排除しなかった。それはなぜだと思う?
――そのアリがもっと短いルートを見つけるかもしれないから……
僕らが並行処理できることは7個まで
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この本は、著者の池谷裕二氏が、母校の高校生を対象に行った脳についての講義記録に基づいて書かれています。
この本の面白いところは、講義の中で使われた映像教材をWeb上で体験できるところにあります。
http://www.asahipress.com/brain/
例えば、「ピンクの斑点」では、円周上に並んだピンクの斑点のうち一か所だけが消えていて、それがぐるぐると時計方向に回っていきます。このとき円の中心部分を凝視していると、やがて存在しないはずのない緑色の斑点が現れてぐるぐると回りだし、驚くべきことに、さらに凝視を続けるとピンクの斑点が消えてなくなり、緑の斑点の回転だけが見えるようになります。この映像は、私たちが「客観」とか「事実」などについて私たちが素朴に持っている信頼を根底から揺さぶります。つまり私たちが「見ている」と信じているものは、実は「脳」が「見せて」いるものであり、だからありもしないものが見えたり、あるはずのものが見えなかったりということが起こりうるのです。また後半では「創発」という概念が説明されます。これは「数少ない単純なルールに従って、同じプロセスを何度も何度も繰り返すことで、本来は想定していなかったような新しい性質を獲得する(339頁)」こと。これも映像教材で見ることができますが、一定のルールに従って白いマスを黒いマスに黒いマスを白いマスに書き変えていく単純な作業の全体が、やがてあたかも意思を持った生命のような振る舞いを見せるようになります。単なる物質でできており、電気的なパルスがとびかっているだけの脳が、生命としての「意思」や「意図」を持つその秘密は、この「創発」にあると著者は暗示しています。高校生を対象とした講義の記録のため、豊富な事例によって読みやすく面白く読めますが、その内容は科学の最先端の知見に基づくスリリングな知的興奮に満ちています。
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科学で証明できることは、相関関係のみ
因果とは脳の錯覚
ゲシュタルト群化原理
特売品やセール品は、人の流れに対して左側に置くと目に留まり易く、販売数も伸びる
変化盲、選択盲
単純接触現象
視線を動かすことによって感情が引き出される→私がわざわざ視線を動かしてまで見に行ってるんだから、それだけ魅力的な人に違いない
錯誤帰属 ex. 吊り橋効果 ロミオとジュリエット効果 スキー場のゲレンデ
好きな人を振り向かせたい プレゼントをあげるのではなく、プレゼントをもらう。仕事を手伝ってあげるのではなく、手伝ってもらう。
自分が取った行動が感情と矛盾するとき、起こしてしまった行動自体はもう否定できない事実だから、心の状態を変化させることでつじつまを合わせて、行動と感情が背反した不安定な状態を安定させようとする
睡眠は脳や体をクールダウンするための休息時間ではなくて、積極的に情報の整理や保管を行うための活動的な「行為」→問題を考えてから、寝る
基底核は、「直感」を司る。繰り返しさえすれば、自動的に基底核は習得してくれる→自転車を乗るように何度も繰り返し練習して、基底核に覚えさせる
パターンコンプリーション…一部の情報から全体を類推して補完する思考過程 → うまく省略できれば、少ない情報でも相手に十分伝わる
「正しさ」は、記憶しやすさ=「慣れ」の問題に帰着、規定される
「正しい」は「好き」の言い換えに過ぎない
「正しい」というのは、「それが自分にとって心地いい」かどうかだけ
作話 原因を突き止めようとするのは、生存欲求があるから
当面の状況がうまく説明できれば良い 過度になると、自分探しに
前適応 ex. 動物の羽 体を温める→飛ぶへ
脳は「自分のとった行動」を観察して、「あっ、自分は今こう考えているんだ」と理解する。表現を通じて、自己理解に達する。
身体状態を説明するための根拠を、過去の「記憶」に求める。 アブダクション(推論)
身体と脳の相互作用、無意識と意識の相互作用のプロセスの全体が「心」の姿
認知レベル 動かそう→動いた
脳活動レベル 準備→指令
実際の順番 脳の準備→意思=動かそう→動いた=知覚→脳の指令=運動
自動的に脳から発生してきたアイデアを自由否定するかどうか、つまり、採用するか不採用にするかどうかだけ。アイデアそのものは脳のゆらぎから自動的に生まれる。僕らはゆらぎに任せることしかできない
意思は環境によって決定されている。環境や外部からの刺激が、脳のゆらぎのパターンをロックしてくれて、場面や状況が似ていれば毎回だいたい同じ行動を取ることができる
創発 部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れること
リカージョン(入れ子構造) 言語があるから
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最新の研究論文の内容が紹介されていること
高校生とのやり取りをベースにして書かれたものなので、
理解しやすいような説明がなされいていること
この二つがこの本の特徴です。
あとがきの部分で、
専門家が啓蒙活動に取り組むアウトリーチ活動についての賛否に触れらていますが、
この本は、そのアウトリーチ活動の成功例としての賜物だと思います。
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読んでいく度に驚きの連続で、面白かった。
この本を読んで、人が自分の感情がよくわからないのは当然なんじゃないかと思うようになった。
まず反射的に感情が浮かんできて、無意識上でそれに脳が適当に理由づけしているだけなら、
自分は何が原因でこう感じて、本当は何を考えているかなんてわからなくて当たり前のことだ。
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(2010/**/**購入)(2010/04/24読了)
著者が母校で数人の生徒に対して行った講義をまとめたもの。
講義内容もおもしろかったが、なによりも受講した生徒たちの賢さに驚いた。「サンヨウチュウ」がいつ頃の生物かと問われて「カンブリア紀です」と即答できるのは普通のことなのか?私が無知なだけなのか・・・?
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私の好きな、池谷裕二さんの本。
脳という器官は、実は驚くほど単純なパーツの組み合わせから出来ていた。
にも関わらず、厳然として「複雑性を持った私」は存在している。
という骨子を、最新の脳科学の研究結果を交えながら、母校の高校生たちにも
簡単に分かるように、他に類をみないほど噛み砕いて紹介してくれている。
脳とはどういう器官なのか。
脳が全てなのか。
なぜ脳があるのか。
私とは一体どこにあるのか。
そんな質問に、高校生たちと一緒に楽しく対峙する。
少々分厚い本だが、口語調で分かりやすく書かれているので、苦もなく
スラスラ読むことが出来る。
ぜひ、折に触れて読み返したい本だ。
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脳の働きに関して、講義形式で分かりやすく面白く書かれている。
最先端研究もfollowしている良書。
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やっぱり脳科学って面白そう。
『自分の心を自分の心で考えるのはリカージョン。再帰を続ければ、
あっという間にワーキングメモリはあふれちゃう。だからこそ、
「心はよくわからない不思議なもの」という印象がついてしまう。』
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いや、この人の講義、ぜひ受けてみたい。
最前線の脳科学を、これだけわかりやすく語れるなんて素晴らしすぎる。
タイトルが脳の仕組みの単純さと、そんな単純な脳から出来てるとはとてもじゃないけど思えない私の心、のギャップを指したものなんだけど、それ以外に話題が広がってて、興味のある話がポンポン出てきちゃう。
いやー、すごいっすわ。