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冒頭を要約する。
「外需依存国家である日本は、円高の影響で輸出企業が壊滅、経済破綻する!」
新聞、TV、雑誌でよく見るこの意見は四重に間違っている。
1.日本は外需依存国家ではない
2.実質実効為替レートで見ると、現在の為替ルート、それほど円高とは言えない
3.そもそも、輸出企業が苦境に陥っている最大の理由は、円高ではない
4.未だかつて、通貨高で経済破綻した国は存在しない。逆の例、つまり通貨暴落で経済破綻した国は、山ほどある
本書はこの主張の裏付けを世界各国の実データと比較し検証している。筆者は日本経済は安心、安泰だとは言ってないがでたらめな記事で過剰に不安を煽るマスコミに怒っている。本来なら取り上げるべき問題である貧困層の増大、中間層の減少の触れてないのは既にマスコミが大きく取り上げている問題だし、本書のテーマがぶれるからだろう。日本悲観論のカウンターとしてかなり分かりやすい本。『ドル崩壊!』よりも専門用語は少なく分かりやすいのでお勧めである。
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日本経済は破綻するのか。
答えはNo.
もし、その答えがYesだとしても、如何にしてNoにするかが重要であり、
ダブルスタンダードな日本破綻論はなくなってしかるべき。
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最近なにかと注目されてる三橋貴明さんの著書。
他のシリーズ本も読んだけど、論理的でわかりやすくおもしろいから好き。
実際の経済は政治が絡むから、予言めいたところは必ずしも当たるとは限らないけど、経済の本質や実態を判断する力がつくと思う。
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昨年の参院選に自民党から出馬した「2ちゃんねる」出身の経済評論家の著書。
主題は、マスメディアやエコノミストによる「外需依存国で、多くの借金を抱える日本は円高によって破綻する」という説のデタラメを暴くというもの。
つまり、
・日本は相対的に内需依存国で、世界一の個人資産を持つ
・国債の9割以上は国内で消化される国民の資産だから、デフォルトに陥ることはない
・円高は購買力を上げ、個人消費を活性化させる
・輸出産業の伸び悩みは円高よりも輸出先の需要の縮小が原因
といったことを述べている。
私は「国民一人あたりの借金は700万円になんなんとする!日本オワタ」的な悲観論ばかり強調するマスメディアや評論家には疑問を持っていたが、この本の内容も鵜呑みにできないのも確か。
例えば、現在のようなデフレ期の円高の内需への悪影響についてはこの記事(ttp://voiceplus-php.jp/archive/detail.jsp?id=249)が詳しい。
1ドル=200円が100円になれば、100万円の輸入品を50万円で買える。だが、5000ドル(100万円)の輸出品を1万ドル(100万円)で売るわけにはいかず、5000ドルを維持せざるを得ない。こうして輸入品も輸出品も価格が半分になる。1ドル=100円が200円になれば、これとちょうど逆の現象が起き、為替レートが変化しても交易条件は変化しない。
また、円高→原材料価格の低下→購買力向上→内需拡大とはならず、円高→輸入品の価格低下→合わせて国内商品の価格も低下→雇用・内需縮小→デフレ となることが述べられている。これで1ドル=82円前後というバブル期並の為替レートが適正と言われても首を傾げてしまう。
また、失業率や経済的格差についても「日本ほど失業率が低くて格差のない国はない。他の国よりはマシ」という一言程度で済ませている。
日本の個人資産は、確かに金額だけ見れば世界一(総計1421兆円・平均1439万円)ですが、これは60歳以上の高齢者が大きく平均を引き上げての数字で、およそ6割はこの平均値を下回っている(http://www.anti-rothschild.net/truth/column/part1_12.html)。
さらに、この平均1439万円という額は個人事業主の事業用資金も含むので、額面だけ見て「世界一だ!」と楽観的に見ることはできない。高齢者の個人資産も少数に集中している可能性もあるし。
全体的には短所にはほとんど触れず、悲観論者のちょうど裏返しのような内容になっている。とりあえず、必要以上に日本の将来に悲観的になる必要はないし、そんな悲観的な雰囲気を作り出している連中に反発したい気持ちはわかるが…
この本で使われているデータは全体的に正しく、日本経済の現状を認識するには、その辺のマスメディアよりも役に立つ思といます。この本に載っている日本の経済的リソースをうまく用いることができれば、不況脱出も難しくはないと思います。日本経済悲観論に辟易している人にとっては良いのではないでしょうか。
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最近、転職していかにデータを読み解くかの
スキルを覚えるべきだな〜とおもってるので
この作者は信用できる。
数字がすべてじゃないけど現実は真水で
みないとね。
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最近自分で探したい気持ちもあるからでしょうか、日本経済は本当は強いということを主張する本が増えてきたように思います。この主張が正しいのか否かは、10年も経過すれば明らかになると思いますが、日本経済が破綻することを望んでいる人たちが日本の上層部にいるという意見には驚きました。
自分の権益を守るためにはそのような人間になってしまうのでしょうか。日本経済が強くなるということは、円が益々強くなることを意味するので、今後もしっかりと円で給料をもらっている私は働いて、その強みを享受したいものです。
この本の著者である三橋氏の意見で魅せられたポイントは、データを解析する場合、1)割合、2)流れ、3)他社との比較で見る、という点(p14)でした。
以下は気になったポイントです。
・円高により輸出企業が壊滅、経済破綻するということが誤りであるポイントは、1)日本は外需依存国家でない、2)実効レートでは円高でない、3)輸出企業が苦しんでいる最大の理由(住宅価格と将来取得:p111)は円高でない、4)通貨高で経済破綻した国は存在しない、である(p24)
・GDPを外需と内需に分ける場合、純輸出(輸出額から輸入額をひいたもの)が外需に相当する(p26)
・日本の輸出依存度(輸出対GDP:15.5%)は、内需大国のアメリカ(8.4%)より高いが、金融大国のイギリス(15.9%)より低い(p30)
・2001年以降の個人消費増加、純輸出増加を比較すると、日本が外需依存で成長しているのは、2002年と2003年のみ、それ以外は個人消費が主(p33)
・日本の場合、対前期比13.9%マイナスの輸出激減でも、GDPでは0.8%縮小となる、韓国は57%の輸出依存度なので、GDPが5.3%も縮小する(p39)
・2008年4Qの輸出減少率が大きかったのは、輸出の7割以上が資本財や工業用材料であるため(p41)
・2008年10月に破綻したアイスランドは、日本から円建てで借りた借金の利払いができないと一方的に宣言した、そこで日本はIMFに支援をしてIMF経由で債務国に資金を融通した、提供したのは外貨準備の米国債でありリスクは無い(p83、85)
・円高により日本国民の購買力が上がれば国内市場を相手にしている商売している中小企業の業績が向上するので日本経済に良い効果をもたらす(p97)
・アメリカでは更に恐ろしいことに、信用度の高いプライムローンの延滞率が6%(日本では1%)になってしまったこと、オルトA(サブとプライムの中間層)の延滞率は36.6%となった(p107)
・現在は、かつてアメリカ金融関係者が嘲笑した護送船団方式を、今度はアメリカ自らが採用せざるを得なかった、窓口融資は担保として社債や株式までもが担保として認められるようになった(p115)
・アメリカは米国債をどれだけ海外に売却しようとも、国内向け販売と同じ考え方が適用可能である、それはアメリカが基軸通貨国だから(p135)
・ドル基軸通貨制度が成立しているのは、1)米国債がAAA,2)原油決済がドル、3)外��が米国債を購入する、4)ドルがアメリカに還流(極端なドル安にならない)、である(p137)
・北米連合(アメリカ、カナダ、メキシコ)がユーロ方式の共通通貨アメロを導入した場合、旧3国の債務は引き継ぐが、交換レート次第で対外債務を半減させることも可能(p152)
・純輸出が50%増加してもGDPは0.8%しか増加しないが、個人消費が2%増加しただけでGDPは1.0%増加する(p168)
・2008年の日本企業による海外企業M&Aは、80年代末のバブル全盛時に不動産を購入したのとは異なって、企業戦略に基づいて企業を買収している(p178)
・東京圏は自動車で通勤しなくても良いほど鉄道インフラが整備されているので、3000万人の人口を抱えることが可能(p182)
・日本の国富ファンドの規模はアブダビ投資庁とは、桁が違うレベルで、120兆円である、その名称は「年金積立金、管理運用、独立行政法人」であり、昔の「年金福祉事業団」である(p186)
・日本国内の犯罪総数や、凶悪犯罪の認知件数(逮捕、検挙でなく、届出受理数)は、年々減少傾向にあるが、増加しているのは外国籍の犯罪(p194)
・世界のブログ投稿において、最も使用されている言語は、日本語(37%)である、前回調査から4ポイントアップして英語を抜いた(p210)
・革新性(新たな製品を受け入れ、国内に普及させるまでの期間)が世界で一番(2008年)と認定された、以下はノルウェー、スエーデン、オランダ、デンマークである(p213)
・日本政府は地方分もあわせて949兆円あるが、金融資産も491兆円ある、これはアメリカ政府以上である(p219)
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豊富なデータを基にわかりやすく理論を展開している。決して格調高い文章ではないが、論理的な意見だと思う。ただし、表題にせよ、目次にせよ、円高は怖くないとか、日本は安泰的な表現を強調しすぎだと思う。実際に著者は、そこまで横暴な意見を展開していない。いくら日本の内需が大きいとはいえ、トヨタ、ソニーをはじめとする輸出依存型製造業が我が国経済に与える影響は極めて大きいのであって、実際に日本の自動車産業の利益の8割は米国で上げられている。そこは否定できないし、それら海外で稼いだ利益が内需を支えているのであろう。また、米国がマネープリンティングして自国経済を支えていて危険な状況はわかるけど、$が信頼を得ていれば問題は生起しないので、いつまでも米国の繁栄が続くのではないかとも思える。そのあたりの、米国はどのくらい借金できるのかのコンサルタントらしい定量分析がほしい。
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「日本はダメだ」と言いたがる人が多すぎる。自虐的だよなぁ。
日本はまったくヤバくないんだと思ってた方が気分よく生活できると思いますけどねー。
という意味で読んでみました、この本。
けっこうよかったですよ。