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2009年5月21日購入。読書期間2009年5月26日〜27日。
ページをめくるたびになにかが胸に刺さった。
温泉をテーマにした短編集。どの話もなんだか自分のことのように感じられた。似たような状況、心境で共感を感じるものもあるが、自分がこれまで経験したことないような事もあった。
それでも自分のように感じられるのは文章の巧さなんだろうと思う。とるに足らないような些細な動きや周囲の様子が描写されており、訪れたことのない旅館や周りの景色がありありと浮かび、「書く」より「描く」が適しているのではないか。
「幸せなときだけをいくらつないでも、幸せとは限らない。」
衝撃を受けた。
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◆あらすじ◆
初恋の女性と結婚した男。
がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。
幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ───
表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。
日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。
切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
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うーん、なんとも…
ただ、純情温泉の真希ちゃんのこの言葉はすごいなあ
「浮気する男も馬鹿だけど、浮気される女も嫌。
浮気されてこんなに苦しむくらい好きなんだったら、
もっと相手のこと、いとおしく思っていられると思うし、
もしそうしてるのに、それでも浮気するような男なら、
きっと浮気されても、こんなに苦しむことないんだと思う」
高校生ですよ、真希ちゃん…
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吉田修一らしい読んだ後の後味の悪さみたいなものがあまりない短編集。
「幸せなときだけをいくらつないでも、幸せとは限らない。」
もっともだと思う。
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いい年して、題名に惹かれ・・フラフラっと購入(笑)
まあ、感動というにはほど遠いが、なかなか面白い作品だった。
人は「温泉」に行くときって、何を求めていくのだろうか。
ほぼそれは「非日常」であり「癒し」であることは間違いない。
ゆっくりと熱い湯に浸かり、頭をぼーっとさせる。
何を考えるわけではなく、単に熱い湯の中でじっとするわけだ。
単純に言えばそれだけのことなのに、そこにはわざわざ遠くの湯に浸かりに行く理由があるのだ。
自分が温泉に行き、そこで出会った人たち・・。
これまで旅行に行ったときにも、湯船の中でほんの一瞬だけでもすれ違う人はたくさんいた。
そのときは他人のことなんて全く興味は無いが、本当は色々な隠された事情がそこにはあるのだろう。
何故温泉に来たのか・・誰と来たのか・・
そんな様々な事情が「温泉」を舞台に展開していく小説。
温泉かぁ・・この小説を読むと、なにやら漂泊の温泉の旅に出るのもいいなんて思った。
しかし元来、貧乏性のオレには無理だろうな。
ゆっくり温泉巡りの旅なんてするのは・・会社をリタイヤしてからかもしれないなあ・・^_^;
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吉田修一さんの小説は、リアルすぎる独特な世界がありますが、これは好きな部類に入る作品でした。高校生カップルの“純情温泉”がほんわかしていて良い感じでした。ただ他の作品にもありますが、衝撃的な場面で終わり、あとは想像に任せますみたいな展開もあり、また色々考えました。それに不倫の話しは、やはり苦手です。あの人を思い出して悲しくなります。
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5篇とも含みを持たせた終わり方をするので、
起承転結のしっかりした話を好む私にはちょっとスッキリしない作品だった。
1篇1篇に面白味を感じるわけではないけれど、最後に「純情温泉」を持ってきたことで、
気持ちの変化の残酷さを感じさせられたと思う。
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空港で見つけ、
さらりと読めそうだったので購入。
短篇集で大半が読み手にその後の展開を想像を任せる、
そんな終わり方です。
最後の「純情温泉」は分かり易くて、
しかもとってもカワイイ!
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「哀しみの女」を読んだ際に感想で芸術が破壊であるならば、日々の暮らしは安定だと書いたが、この小説はまさに日々の暮らしに密着している。
温泉宿という非日常な場所に来て改めて、日常を想う。そんな作品だ。
短編集だが、私は特に最後の「純愛温泉」という物語が好きだった。若い決心とは瑞々しく力強い。その時にはまるでどんな強風にも嵐にも揺るがないのではないかと思わせるような力がある。肉体も精神も成長を終えていないのに、未完成のままで誓う頼りない約束がなぜあんなに折れそうにない強さを見せるのか。
それはきっとたくさんの世界を見ていないからだ、と言ってしまえばそれまでで、そんな寂しい答えを出すのはきっと大人に決まってる。
私はどんなに成長をしても、こういう力強い決心を相手に言えるような人間になりたい。だけどそう出来ないのは努力が足りないのと、心への刻み方が甘いからだと反省する。
歳を重ねることが劣化だと私は思いたくない。すり減っているのだと思いたくない。厚みを増しているものだと信じたい。大人になるにつれて容積が増えてたくさんの水を入れることが出来るようになるのだと思いたい。
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吉田修一が書いたものなら苦手な恋愛モノもスラスラ読める。
しかも楽しめる。なんでだろ?
きっと文学にも合う合わないがあるんだろうね。
ただ、吉田修一=面白い っていう意識が無意識のうちに出来上がってるん
じゃないかって少し心配。
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初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。
《ブックデータベース より》
どれも今ひとつ・・・
ストーリーの終わりに未消化感を感じます。
文章はキレイだし、読みやすいけれど、
「ひと捻り」ほしいかな。
《2009年10月9日 読了》
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温泉に絡む話で
色々な男女の話だった。
心に残っているのは
静かなカップルとよく喋るカップルの話。
(お互い知らない者、泊まりに行った温泉の部屋が襖1枚で隣同士に)
その中でも印象強いのが、
朝の風呂場での彼氏同士2人の会話。(初対面)
静かなほうの彼の
切なげで優しい雰囲気がずっと心に残っています。
全体的に短編みたいな感じで
終わり方が気になるやつもあったけど
でも不思議な気持ちになれて
読んでよかったです。
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題名は若干恥ずかしいよね、うん。
でも中身は甘酸っぱくないんだよ。
一番最後の「純情温泉」が、高校時代に付き合っていた男の子を思い出して若干ほろっとしたなぁ。
あー温泉入りたいですー。
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いろいろな恋愛の形があるものだな、と思った。立場の違いによる考え方の違いが、ものすごくうまく描かれている。「体の芯というものを感じられる」ほどあたたまりに、温泉に行きたくなった。
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初・吉田修一。
各地の温泉を舞台にしたサラリとした短編集。
いろいろな男女が出てくるけれど、
吉田作品の男女は、どこか哀しいなぁ。