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人生の夕暮れにさしかかっても、なおじたばたせずにはいられないことの滑稽とかなしさ。最後の一篇である「チェリスト」は、陽性のユーモアが少ないぶん凄みがあって、ちょっと怖い。
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クラシックとかはあんまり興味はないのだけれど、テーマを聞いてから音楽を聴くと、なんだか違ったもののように聞こえる気がします。
まだ読んでないんですけどね。
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それぞれのある数日を切り取ったような、
それでいて夢の話でもあるような不思議な魅力に
あふれた本。
「日の名残り」の原作者。
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かなり前に買ったまま積んでました。帯かあらすじかに「連作短編集」ってなってましたが、それほど強いつながりを持った作品ではなかった気が。音楽やミュージシャンを中心とした5つの物語。ちょっとずつ不思議なテイストで、余韻が残る物語でした。短編、というにはひとつずつがちょっと長かったかな。
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音楽と夕暮れをテーマに、中年男女の微妙なすれ違いの日常風景を描いた短編集でした。
互いに情があるのに修復できない関係は、優しくもあり悲しくもあり。それを第三者の目線で描いています。離別する当事者目線じゃないのが逆に感情移入できました。間に挟まれ右往左往したり、クスッと笑える話もあり。
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一気に読み終えることができた。著者の文章がすばらしいのか、訳がいいのか。たぶん両方だろう。「訳者あとがき」によれば、著者は執筆するときに「どう翻訳されるかが気になってしかたがない」という。万人に訴えかけるテーマで作品を書いているから、日本人のぼくが読んでも、すんなりと話に入っていけるかもしれない。
土屋政雄さんの訳がいいのは、誰もが認めるところだろう。今回は息子さんに下訳を頼んだそうだが、それでも訳者の存在を感じさせない見事な仕上がりになっていると思う。印象に残ったのは「夜想曲」と「チェリスト」。
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親愛なる友人Mからいただいた。ありがとう。
僕は咄嗟に、たまたまそのとき持ち合わせていたまだ真新しいモレスキンのノートを彼にあげた。値段的につり合わないと恐縮したが、せめてもの。
ちなみにその夜、赤坂の韓国風焼肉店で、僕はぶっ壊れた。人からプレゼントという名目で本をもらったのはそれが初めてのことだったから、おそらく嬉しくなって気が緩んだのだろう、悪酒に理性をさらわれてしまう。
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演奏者が主役もしくは語り部となる男女のほろ苦いエピソード5編。書き下ろしだそうで、統一感のある連作集となっている。翻訳とは思えない読み易さは、翻訳の力か、翻訳を意識しているという著者のお陰か。
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きれいで、おしゃれな文章を書く作家さんという印象。クラシックやジャズの知識がなくても楽しめる短編集。
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大好きなカズオイシグロの短編集!「夜想曲」というタイトルにふさわしく、黄昏時に読みたい作品。
情感にあふれてて、心に響きます。
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著者のカズオ・イシグロは、本書全体を第五楽章からなる1曲、もしくは五つの歌を収めた一つのアルバムにたとえ、「ぜひ5篇を一つのものとして味わってほしい。」と語っています。
記憶に残る人生のひとときを、素敵な音楽を聴くように味わえる短編小説集です。
希望を感じさせる余韻が、秋の夜長に合うのではないでしょうか。。。
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秋にぴったりの本。そしてとても好きな作家。旅行先、特にベネチアで読んだらとってもすてき。不思議な音楽やぼやっとしたアートが好きなら余韻をたっぷり味わえるかな。去年の今頃読んだから急に思い出しちゃった。
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翻訳なのに違和感がなくすいすい読めた。
途中、シュールすぎて笑ってしまうシーンもちらほら…
「メグ・ライアンのチェスセットって何だ。駒が全部メグなのか」
笑ったwww
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すばらしくおもしろい短編集だった。
ひとすじなわではいかない、
ハッピーエンドでもなく。
かといって、よく海外の短編にあるような
わたしの頭では理解のできない
意味不明の投げ出し方でもなく。
バランスの良さが、とても好みでした。
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初の短編集、前作の「私を離さないで」など長編では著作毎に綿密に構成されたその物語世界があり、そこを堪能することが読者である我々のなせることです。ところがこの短編集では著者の人となりが垣間見えるように思えます。
第二遍「降っても晴れても」から引用します。
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僕らの世代は違った。好みにあまりばらつきがなく、学生は大きく二つに分類できた。引きずるような衣に長髪のヒッピータイプはプログレッシブロックを聞き、きちんとツィードを着るタイプはクラッシック一辺倒で、他を騒音とみなしていた。
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ここで僕らの世代とは1954年生まれの著者の世代であり、当時ミュージシャンを目指していた著者が前者であったことは想像に難くありません、かつてのプログレ少年(青年)が年輪を重ねた今ジャズを聞いているのはわりと自然な流れです。
また、ジャズ繋がりでそう感じるのかもしれませんが、この短編集には村上春樹氏との類似性をとても強く感じました。