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昭和史に馴染みのない人にとっても読み易く分かり易い。毎日出版文化賞特別賞受賞作品。
日清戦争、日露戦争に勝った日本がどのように大正・昭和(1926-1945)の時代を駆け抜けていったのか、
満州事変をスタートとして、太平洋戦争まで激動の時代を著者が分かり易く語ってくれる。
著者が語っているように、「歴史とは何かを考えることは、つまり、人間学に到達するのである。」「・・なんと多くの教訓を私たちに与えてくれるのかがわかる・・しっかりと見なければ見えない、歴史は決して学ばなければ教えてくれない、ということであると思います。」
まさに、私たちはこれからの時代、自分たちのために歴史の教訓を学び、役立てていかなければならないと痛感する。
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63年におよぶ昭和史を戦前・戦後に分けた内の戦前版。話は張作霖爆殺事件から始まり、太平洋戦争の降伏文書に調印するところで終わる。
面白い。面白く読みやすく内容も濃い。500ページ以上あると思わせない。
通読してみて感じたことは、あの戦争はある種運命的、必然的なものだったのではないか、ということ。それぞれの場面での小さな判断が積み重なって、結局勝ち目のない戦争に突入してしまった。誰もが(軍部までもが)負けるとわかっていたのに。
あの戦争が「侵略か自衛か」は現在もそしてこれからも永遠に議論され続けるであろうが、結論としては「どっちの面もあった」としか言えないだろう。明らかに軍部が暴走したのも事実であり、アメリカも日本と戦争したくて追い詰めたのも事実。どっちにとっても正義があったのだ。
それゆえ確定的な歴史観がない昭和史には慎重さ、客観性が求められる。日本・アメリカそれぞれの都合の悪いことを書かなければどちらを正当化するのは容易いからだ。
本書のスタンスとしては著者が司馬遼太郎と親交が深かったかことからも伺えるかもしれないが、まとめとして「それにしても何とアホな戦争をしたか」の一言に集約されるという。「そういう視点で見てるんだなぁ」とかまえて見る必要がある。
「歴史は教訓」。100パーセント本書の内容を信じるのはあまりに危険であるが、歴史の一面を捉えているのは間違いない。得たものはたくさんあった。お薦め。
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KiKi には子供がいないので、昨今の学校教育で歴史がどのように教えられているのか知る由もないのですが、少なくとも自分が学生だった時代には「昭和史」というのは「受験に必要な最低限の事件の名前と発生年、その概略のあらまし」のみを覚えるもの・・・・・・という位置づけだったと思います。 だから、この本の裏表紙に書かれているような「通史」としての理解とはかけ離れたものが昭和史の理解だったと言っても過言ではありません。 大人になってから「これじゃいかん!」と幾つかの本を読んでみたことは何度もあるのですが、多くの場合それらの本も1つ1つの事件(そこそこの期間を取り扱っていたにしろ)に主眼が置かれているため、更にはそれぞれの本の著者の私見に振り回され、「あっちの本ではこう言うし、こっちの本ではこう言うし、結局のところどうだったんだ?」と悩まされることが多く、正直なところ「さっぱりわからない!」というのが未だに KiKi の昭和史理解レベルです。 そういう意味ではこの本は頭の中を整理するのにはとても重宝しました。
現在販売されている様々な昭和史関連の書籍の個別タイトルとして、終戦記念日をはさむこの時期に放映されるTV番組の個別タイトルとして、歴史年表の1行の記述としてのみ頭に残っている様々な出来事がどのような因果関係にあるのか・・・・とか、そこでどんな人たちが何を考え、悩み、決断し(もしくは決断せずに)1つ1つの事件が発生したのかの概略はだいぶすっきりと整理できたような気がします。
欲を言えばこの本では、それなりの状況説明として当時の中国の状況やらソ連の状況、米英のスタンス等々に関してさらっとは書かれているのですが、ちょっと深みが足りないかな・・・・という印象です。 KiKi は当時の日本人が犯した様々な過ちを正面から見据える必要があるだろうとは思っているけれど、少なくとも戦争に至る道には「日本が単独で原因を作った」要素もあったかもしれないけれど、「相手があって、当時の価値観があって、自ずとできあがっていると見えた道程」みたいなものもあったはずだと思うのです。 そこをきちんと理解しなければ反省も学ぶこともできないのではないか・・・・・と。 もちろん KiKi は「当時の日本人は決して間違ってはいなかった」とは思っていないんですけどね。
(全文はブログにて)
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史観というものは当然個人差のあるものなので、実際どれが真実なのかはわからないが、筆者は司馬遼太郎と親しかった事もあって「坂の上の雲」と基本的な線は共通している。特に昭和史において大きなウェイトを占める、日中〜太平洋戦争における軍部の腐敗と独走については非常に近い意見のようだ。日清、日露戦争の戦勝からきた驕りや精神至上主義が、現実的な対応ができない日本軍を生み出したのか。人間は失敗からよりも、成功から学ぶ事のほうが却って難しいのかもしれない。そして歴史の中では軍部だけが暴走したように描かれがちだが、マスコミも、国民も、程度の差はあれども同じように踊っていたのではないだろうか。後から批判する事は容易いが、そこから教訓を得なければ、また同じ過ちを繰り返すだろう。
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優しい文体でわかりやすく複雑な昭和史を描き出している。日本が戦争へと向かっていく無責任な人々の様を、そしてそれに巻き込まれていく人々を取り巻く空気を理解し、感じ取ることが出来た。読んでよかった。この本に出会えて本当によかったと思った。戦争の残酷さを学ぶと共に、何故戦争へと突き進んでいったのかを学ぶことが大切である。危ういこの国に、再び道を誤らせないためにも、明治から昭和への歴史をもっと学びたいと思った。
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「起きると困ることは起きないことにする」
この本を読んでいないと、「日本人はラテン系か?」
と思わせるが、坂を下り落ちていった昭和の戦前40年を
追ってみると、最終的な結語として「もっとも」と納得させられる。
自分の人生も下り落ちていかないように、
肝に銘じておきたい重い一言。
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これは面白い。語り口調で読みやすいし、おおまかな流れを追いやすい章立てになってるし、年表が載っているのもgood。なにより、実際に生きて体感した人の言葉っていうのは深みがあるなあー。「なんで戦争なんて事態になっちゃったの?」という長年の疑問に対して、これまで読んだなかで一番わかりやすく丁寧に答えてくれた本。
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すっごく読みやすかったです!!
口語的で、語りかけるような文で進むので、親しみやすく思いました。
時代を章立てで追ってゆくので、非常に分かりやすかったです。
歴史はつながっている、連続してゆくものだということを感じました。
間違った選択が悪い結果をもたらし、さらに悪い選択しを選んでいってしまう。そんな印象を受けました。
正しい情報を得ること、必要な情報を的確につかみ選び取ること。
そして周囲の状況を見定めて、とるべき行動を判断すること。
それが大切なことなのだな、と思いました。
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戦前及び戦時中について半藤一利視点でまとめられたもの。
主に軍内部と天皇に焦点をあてており、筆者独特の語り方で意見も述べられおり、楽しく読めた。
ただ、幾分か偏った部分も多いので、その点を踏まえながら読む必要があるかと思う。
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8月15日に談話室でおすすめ頂いた1冊です。
とにかく授業形式の語り口調なので分かりやすく読みやすいです。
すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。
突如、事件が起こるのではなく、連鎖的にゆっくりと形成されてきたいくつもの要因がやがて大事件として噴出してくる。ある時点での人の小さな決断が、歴史をとんでもない方向へ引きづり込んでしまうこともあるのです。
それを語ってこその歴史だということが分かる本だと思います。
そして戦争の歴史を語る時、一著者の考えだけを鵜呑みにするのもいけないと僕は考えます。基本的な見方は著者と同じでありますが、書店に並ぶ本を見れば暴走したと言われる軍部の人たちの言い分のようなものもたくさんあります。
何事も一面だけをとらえるのは危険です。良いも悪いも様々な方面から物事を見て判断すべきなんでしょうね。
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沢山の政治家や軍人の思惑や利権や理想などが絡み合って軍国主義に変化していくさまが、うすら寒く思える。
よく大東亜戦争の事を「自尊自衛の戦争」というのを聞くけど、この本を読んでいると、とてもそんな崇高な精神で政治家や軍人が戦争を指導していたとは思えない。
また、当時の中国に対して本当に申し訳ないと感じたりもする。(今の中国はあの頃の日本に見えたりする。。)
大東亜戦争関連(昭和初期)の本を読むと思うのだけど、あの時どうなっていたら日本は良かったのだろうか?
あの戦争を肯定するつもりはないが、ある意味、敗戦があったから軍国主義という膿を出せたのではないか?もし第二次大戦で日本やドイツが勝利していたら、どんな世の中になっていたのだろうか?
などなど、色々と考えさせられる本でした。
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いい年して歴史的背景をあまりにも知らないため、ニュースを見ても良くわからない状態だった。分かりやすくて良かった。
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この本はすごいです。何がすごいって、レビューしてる人の大半が四つ星以上の評価つけてるんだから。授業形式で語りかけるわかりやすさがいいんでしょうね。池上彰の書籍版。
久しぶりに大好きな昭和史にどっぷり浸かって、読んでるあいだ楽しかった~。今まで愛読していた渡部昇一さんと違って、戦争に突入しなければならなかった日本の悲劇を英米のせいにすることなく、日本が陥った過ちを徹底的に分析している。
日本国民は総出で戦争に浮かれ、陸軍をもちあげ、そして軍部は統帥権干犯という名目で天皇にさえも口出しさせず、独走して行く。自分達の力を過信し、「起きると困るようなことは起きないということにする(ソ連や米英の侵攻)」「起きて欲しいと思うことは起きると信じきる。(ドイツがイギリスに勝ちアメリカが退散する)」なんて、国を引っ張って行くにはあまりにもお粗末な非常識な意識、世界はどのように動いているかを知ろうともしない驕慢な無知、起きると困ることが実際起こってもその場しのぎでごまかすそこ知れぬな無責任、ほんのひとにぎりの小集団の狂気が300万人以上もの死者を出したのだ。
ということをわかりやすく歴史上のできごとを順に追いながら説明してくれている。
本というのは洗脳されやすい媒体なので、鵜呑みにするのはよくないけれど、これを読むとなんてアホな戦争をしたもんだと情なくなる。
歴史にイフはないと半藤氏はいうけれど、もし日独伊三国同盟を締結しなければ、もしソ連なぞあてにせずさっさと降伏していれば、もしボツダム宣言以降さっさと降伏の調印をしていれば・・・
(戦争を終わらせるには宣言だけだとだめらしい。そんなことも知らなかったから宣言後、仲介を頼んでいたはずのソ連が満州に攻め込んで来て、シベリア抑留者等、多くの犠牲者を出す事になった。)
二度とこのような過ちを犯さぬよう、歴史をよく学び反省しなきゃならんなと思う。驕りと思い込みは禁物です。
★2021.4月 2回目読了
何度読んでも感慨深い。読んでいて涙が出てくる。この人の、この言動が300万人もの戦没者を生んだんだと思うと歯がゆい思いだ。コロナ禍の今、「むすびの章」の半藤さんの教訓を日本の指導者に読んで聞かせてやりたい。
・最大の危機において日本人は抽象的な観念論を非常に好み、具体的な理性的な方法論をまったく検討しようとしない。
・何か事が起こった時に、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想。その場その場のごまかし的な方策で処理する。時間的空間的な広い意味での大局観がまったくない。
まさに今の政府ではないですか。
「外出しないでください。外でお酒を飲まないでください。でもオリンピックは開催します。みんなでがんばればきっと大丈夫です。」って、日本人のモラルに頼ろうとするこの無策加減よ。クラスター頻発してからでは遅い。医療崩壊してからでは遅い。死者が増える前に対策を講じてほしい。
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戦争に至る経緯の詳細を初めて知る。
歴史にifはないが、不幸な時機の積み重ねと、どうしようもない人的要因が大きい結果のように思われてならない。
○戦争をはじめることの容易さと終わることの難しさ(条件闘争、合意形成、手続の不備)
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なかなか読みやすく、また内容も面白い。教科書的な感じではないが、読み物として高校などで読ませるべきであると思う。最近個人的に太平洋戦争史に非常に興味がある。