紙の本
あなたが求める「確実な何か」は何ですか?
2009/12/27 15:37
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る
4巻で恋人と別れたばかりのミナミに、友人がこう言う。
「私たちは たくさん持ってるじゃない 仕事もオシャレも趣味も おいしい店も知ってるし 株から遊びも経験も なのに恋愛だけが私たちを傷つける」
世の女性たちは概ね似た感想を抱くだろう。
9巻冒頭でも、おそらく世の女性達が概ね似た感想を抱くシチュエーションが登場する。
適齢期になってぱっとしない仕事をしている女性は結婚をせっつかれ、仕事をバリバリしている女性は老後を心配され、結婚して仕事もバリバリこなしている女性は子供を作れと暗に迫られる。
それを言う相手は家族や友人、つまり社会である。
ああわかるわかる、と思われる方は多いのでは?
自分らしく生きたいと願い、自分の生き方を求める一方で、絶えず社会(通年=世間)という見えない壁と闘う女性の宿命がここにある。自分の生き方は間違っていないと思いながらも、なぜかお母さんに「ごめんね」と謝ってしまう。
男性は男性なりの辛さがあるだろうが、少なくとも上に挙げたような社会の壁はないだろう。
本作には、恋愛以外の仕事に対する考え方や、女性の生き方(大上段に構えたものではない)などに触れた台詞がさりげなく登場しながら、メインの恋愛を彩っている。帯にもあるようにヒロインが紆余曲折を経てプロポーズされ、この漫画が大好きな友人は「理由なんてどうでも幸せになっちゃえばいい」といういち登場人物の台詞にいたく同意していたが、フィクションでありながら現実を常に脇に置いてあるような作品世界が「理由なんてどうでもよく」すんなりとハッピーエンドで終わるとは思えない。ラストスパートの助走に入った感がある本作、さてどういうおさまりを見せるのか?
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ROVA - この投稿者のレビュー一覧を見る
そんな気配は前巻からプンプンしてたけど本当にそうなっちゃったか・・・
「死にたくないから結婚」それを言われるともう、って感じですね。
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ふと気が付けば横たわってる見ないフリをしたリアル。
あちらとこちらを分ける境界はなんて曖昧。
絶対なんて無い。
漫画じゃない。
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なぜか好きな作品。
ドラマを先に知ったけど、
それは気に入らなかったし、
絵の雰囲気も、苦手なタイプ。
ストーリーもちょっと暗いし。
仕事と恋愛にしか目がいかなくなっちゃいそうでいやだし。
登場人物のキャラもイマイチ掴めないし。
値段もちょっと高いし。涙
でも買っちゃう!
「戦う女」に火がつくのかな?
ん〜好きだ。
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買い揃えて気付いた。読んでなかったw
死にたくないから結婚する...、渡辺さんは斬新すぎる。でも納得。
今回初めて佐原さんが格好良いと思った。しがみつける男は良いかもね。
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この巻はほんとしんどい。
「あの子仕事が空洞化してたからね。
思い入れとか愛着とかごっそりない感じ」
ううむ、空洞化か・・・。
気をつけよう。
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働きマンと同様、働く女子に読んでもらいたい本。20代後半以降の独身女子のお正月(お盆もかも?)の実家の居づらさとか、めっちゃよくわかります。なんで、親戚とか、親って、あんなめんどくさくなるんだろなあ。でも、最近、自分も「おせっかいおばちゃん」化してるような。結局、女子の生き方って、今は多様化してるけど、おっちゃん、おばちゃん世代の人たちの女子の生き方ってほぼ一つで、それからはみ出ると「変わった人」になっちゃうんだろうな。特に田舎とかだと。でも、女子内でも、独身、既婚子なし、既婚子持ちで全然生き方が変わっちゃうし、どう生きていけばいいかっていう規範があるようでないから、みんな迷いに迷ってて、お互いに責められてる風になっちゃってて・・・なんだか、生きづらいよな。ある意味、生き方が狭い方が楽なんじゃないのか。と思います。選べる自由があるということはそういうしんどさも引き受けなくちゃいけないってことなんだろうな。話がずれた。前も書いたけど、この本、あんな、中途半端なドラマになっちゃって、もったいない・・・でも、それで部数伸びたのかな?じゃ、いいか。
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水原さんがとても気の毒だ。
なんとか立ち直れるような道筋はなかったのだろうか。
ミナミは駆けつけていただけに、
仕事に復帰してこのまま少しずつでも元気になってくれるのではと
思っていたのではないだろうか。
佐原さん、事前の色々なフリがなんだったのか
というくらい、良い男だ。
仕事の取材の結婚式場も、自分から行ってみる?と同行を提案する。
全くミナミとの未来を考えていなかったら、
一緒に住もうともそもそも言えないと思うし、
いくら取材でも周りから”そう”見られる
”そういった場所”に男の人が自分から行こうとはしないと思う。
それともまだ、どんでん返しが待っているのだろうか。
仕事ばかりのミナミに、「謝るな」とまた言ってくれる。
「結婚する?」と言ってくれたのには正直驚いた。
同棲を断られても気持ちを持ち続けてくれていたことが良いなと思う。
石田が結婚についてはまだ考えられない気持ちも
わからなくはない。彼の生き方ではそうだろう。
「じゃあ別れてください」と言える渡辺さんは賢いし強い。
田中さんがお見合いと言って、「それも有りなんだ」
と楽になる気持ちもよくわかる。
確かに惚れた女を亡くしている男というのは面倒ではある。
引きずって人間を撮影できなくなったカメラマン。
人の死に敏感だから、水原の死に同様しているミナミに
敏感に同調しているのだろうか。
とある恐怖をきっかけに道が曲がり
ずっと走っていけると思っていた道がどこにもないことに気が付き
できるだけ近いゴールを目指してハンドルを切り直す。
生きるというのは、切なく苦しいなと思う。
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水原の行動が、それぞれの人生や考えを大きく突き動かす…。唐突に重めのポジションで登場したキャラクターだなとは思ったけれど、こんな役割を担っていたとは。「結婚」はひとつの節目に過ぎないけれど、その節目の持つ重量感は男性女性問わず大きいのだなと改めて実感。仕事に邁進していた人々ならばなおさらでしょうね。さて次は最終巻、物語はどんな着地を見せるのか。