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主に中国志風の短編小説集。
現代、架空の世界設定のお話もあり。
事実は語られるけれど細部までは描写されず(種明かしされず)
余韻が残るので真相をあれこれ想像できる。
軽いミステリーかと思ったら怪談・奇談ということらしい。
いかにも怪談、という書き方ではないせいか
はたまた舞台が日本ではないせいか、恐怖というより不思議、という感じ。
難しい単語も文章も使ってないけれど何故か情景の描写も
スートリーの進め方も美しい、と感じた。
勝山海百合さん、気に入りました。
是非別の作品も読んでみたい。
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あれは夢だったのか?現実だったのか?
と思うような幽玄の世界(舞台は中国)の
短編集。
夏目漱石の『夢十夜』に通じる不思議な
はかなさとほのかなエロティシズム、(そして
時にユーモア)に魅了された。
文章も簡潔、かつ美しく、古典の
影響を感じた。
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王例が夕闇迫る山中で助けた少女・阿露は、王家の屋敷へと招かれる。
王の若き妻・湯夫人は阿露を妹分としてもてなすが、屋敷の周囲では村人を食い殺す正体不明の魔物が跋扈しており、それはやがて王家の屋敷の中へと入り込んできて……。
ラストシーンが中島敦の山月記を髣髴とさせる表題作『十七歳の湯夫人』他、
光をあてると表面に魚の泳ぐ影が映るという、水を抱えた不思議な石。それを割ってしまった下女を襲う水妖の怪を回想する『白家の怪』。
こちらは小松左京的なノスタルジー溢れるSF『琥珀海岸』など、現代風“チャイニーズ・ゴースト・ストーリー”短編集。
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好きなジャンルだったのですが、思っていたよりも文体と雰囲気が軽くて少々がっかり。前代の中国の雰囲気が薄まっているので、話の魅力が半減してしまったきらいがある。
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119:前作と同じく、アジア風の掌編・短編集。いい話あり、ちょっと怖い話あり、切ない話ありで、解説にあった「幕の内弁当」というたとえがぴったり。「竜岩石とただならぬ娘」の番外編(続編?)も収録されていて、ファンにも嬉しいつくり。表題作と「かまどの神様」が好き。
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昔持っていたのに、引っ越しのときに手放しちゃって、もう一回読みたくなったときには入手困難になっているという。
図書館にあってよかった。
ありがとう世田谷区立図書館。
ひさしぶりの勝山海百合さん。
表題作といくつかの掌編短編のほかは起承転結の弱いものが多く、「でっていう」なのも正直あったんだけど、この「決まらなさ」もまた伝奇っぽいようにも思う。
中国の伝奇ぽさ、怪談ぽさの中にそこはかとなく漂うユーモアが個性的で好き。
『さざなみの国』が読みたくなったな。