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シャロン・クリーチさんの文章は、リズミカルで、心地いい♪
おいしい料理を食べて、「おいしい」って思えること。
だれかと一緒に食べて、「おいしいね」って言えること。
それは、ひととして、とても幸せなことなんじゃないかと思うのです。
そういう料理を作れちゃうトレッリおばあちゃんは、すごいひとなのです!料理だけじゃなく、存在そのものが。
入りこみすぎず、でもいつでもちゃんと見てくれていて。ほしいときに、さっと支える手をさしのべてくれるひと。トレッリおばあちゃんは、〈魔女〉だと思います。
だって、
〈人の気持ちをちがうことにむけさせておいて、靴の話なんかさせて、それから、ふいに自分が本当にききたいことをきく。〉
主人公・ロージーの言う〈トレッリおばあちゃん流〉話の聞き方なんて、まさしく……。
ロージーとトレッリおばあちゃんの関係も、とてもいい感じなんです。お互いを、どんだけ大事にしているか、よぉ〜く、よぉ〜く伝わってきて、あったかい気もちになれます。
そして。
ロージーのベイリーへの想いも。ベイリーのロージーへの想いも。幼なじみで、大事で、言いたいこと言えちゃって、だからケンカもするけど、いちばん言いたいことはなかなか言えなかったり。
ベイリーが、紙に打った点字のひとこと。きゅんっとなるシーンです。
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GRANNY TRRELLI MAKES SOUP 2003
おさななじみの男の子ベイリーとけんかしてしまったロージー。
ケンカの原因は点字。目の見えないベイリーといっしょにいたい、そんな一心で点字を勉強したのに 帰れば?なんて言われたのだ。
そんな時はロージーのおばあちゃんの登場、そしてお料理でなかなおり。
ロージーのベイリーへの恋心にきゅうっとした。ええな―恋って。
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16歳でおじさんとアメリカにやってきたというトレッリおばあちゃんがとてもいいです。孫のあたし(ロージー)の様子から、悩みを聞きだし、自分の体験を語りながらさりげなく励まし、導いてくれるのです。それもおいしそうな特製イタリア料理を作りながら。読んでいるとお腹が空くこと間違いなしです。そしてほっこりします。
文章も多くなくすんなりと入りこめる本です。
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イタリアから移民してきたトレッリおばあちゃんと孫娘がスープとパスタを作りながら話をする。おばあちゃんの人生と、孫の現在の物語が絡み合って進行するのはクリーチ流。
『めぐりめぐる月』は構成がちょっと(あまり読まない子には)複雑な印象だったが、これはわかりやすい。
あまり読まない子でも、翻訳ものが苦手な子でも楽しく読めると思う。特に女の子。
クリーチは貧しい家庭の子、ネイティブアメリカンの血を引く子などを、自然にさりげなく、かつ魅力的に描くのだが、この作品では主人公の少女の幼馴染であり、初恋の相手でもあるベイリーという少年が、視覚障害者である。目が見えないということが、点字が読めたり、音を聞き取る能力が高かったりと、憧れをもって描かれているところがとてもいい。
トレッリおばあちゃんの人生も、困難がたくさんあったことが忍ばれはするが、おばあちゃんのように明るさと強さを持てば、悲しみも苦しみも、スープの隠し味のように、人生の味わいを増してくれるのだということに、読者も気づく。
深い味わいはあるものの押し付けがましさはなく、短くすっきりまとまっているので、最初に出会うクリーチ作品として良いと思う。