投稿元:
レビューを見る
【2033年、人類で初めて火星に降り立った宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、宇宙船「DAWN」の中ではある事件が起きていた。世界的英雄となった明日人を巻き込む人類史を揺るがす秘密とは?愛はやり直せる。 】
とにかく読みづらくて、どうにか頑張って読了。
2033年、そう遠くない未来の話。生活の描写の中には今の時代ではまだ存在しない機器(3D映像で会話ができる電話とか、いくつもの顔を持つことが出きる整形術だとか)があったりしてどこまでも進化し続けるテクノロジーを感じる。
人類史を揺るがす秘密・・・。随分と引っ張っている印象を持ったけど、宇宙飛行士だって普通の人間。愚かな事だってするし、間違いを犯すことだってある。
宇宙船内での話、明日人の苦悩、ハマダラ蚊の話、いろんな話が行ったり来たりしているのが読みにくさにつながったのかな。
題材としては好きな分野だったのでなんだかちょっと残念。
投稿元:
レビューを見る
自分の中にある、場面場面に応じた様々な顔。そこにディヴという名前を与えてしまうと、あたかも複数の人格がいるように考えてしまう。
しかし、本当は自分という1人の人間であり、現象に名前を与えることによって、過度の意識化がなされる。
分人主義という考えはわかるけど、違和感を感じる。その違和感を可塑整形という未来的技術や、監視カメラとネットとのリンクによる人物検索システムなどとからめ、非常に巧妙に描くあたりは、さすがと思わせる。
いろいろな危機の中で、人間関係が崩壊していく様と、なんとか維持しようとするもがく様はいつでも変わらないのだろう。
近未来を見据えた先進技術とそれを受け止める人間の姿を描く予言的書
投稿元:
レビューを見る
2033年、人類で初めて火星に降り立った宇宙飛行士・佐野明日人。しかし、宇宙船「DAWN」の中ではある事件が起きていた。世界的英雄となった明日人を巻き込む人類史を揺るがす秘密とは?愛はやり直せる。
投稿元:
レビューを見る
問題作「決壊」の後に宇宙飛行士の話とは・・・平野啓一郎の懐の深さに脱帽です。壮大な火星探索の話だと思ったら船内のクルー達の心の襞を一枚一枚剥がしてゆく素敵な心理カウンセリング本でした。
投稿元:
レビューを見る
2/23
ちょっと面白すぎるんじゃないでしょうか。
通底する問題意識を、時代を進めることで顕在化/偏在化させている(ネットと顔の問題)。
ディヴ(dividual)の使い分け、可塑整形や《散映》といった技術を登場させて(それが可能な、という意味での時代設定が上手いことをふれつつ)、しかしより身体的な、individualな関係づくりを目指す。
投稿元:
レビューを見る
初の有人探査飛行の成功。
この大々的な成功には影があった。
乗組員の精神異常…
女性乗組員の妊娠…
果たしてその相手は…?
宇宙船という閉鎖空間で起こる人間と人間の共存と摩擦。
現実的な未来描写によって描き出される作中の雰囲気は一読の価値あり。
一つ残念なのが、
物語の主軸が実は大統領選挙であり、
火星探索飛行は一つのスキャンダルとして扱われてるに過ぎない印象が残る。
宇宙船内などの描写はあまり多くなく、SF的展開や宇宙の表現が見たい人、好きな人にはあまり好まれない可能性がある。
投稿元:
レビューを見る
読むのは『決壊』に続く2作目。どちらも時代のテクノロジーと人間との関係をうまく切り取っているのと、文章が小気味よいのが印象的だった。今作は子供のいる父親として感傷的だったり感動的だったりもした。
投稿元:
レビューを見る
単純な火星探検の話でなく、宇宙船内の心理状態だったり、初の火星有人船とその政治利用だったり、大統領選挙の工作が複雑に展開するのだが、じくじく暗い話が続く
火星探査はもっとスカッと壮大に展開てもらいたい
投稿元:
レビューを見る
SF
Wikiノベルとかネット市民(ネット国家だっけ?)、人相で追跡できるシステムとかいろいろ近未来的視点(人相で人のトレースとかはもう出来てそう、あとは法律だけかな)の小説
面白かった。
誰かに貸してどっかに行ってしまった
投稿元:
レビューを見る
長い、そのわりには大したストーリーでもない・・・。
近未来の生活を扱っているのは興味深いものの、ちょっとだれます。
投稿元:
レビューを見る
6人のクルーを乗せた火星探索船【ドーン】が
成功確率30%という難関を潜り抜け、地球に帰還した。
一見、大成功のように見えたこのプロジェクトであったが、
クルーのうち、ノノは精神に異常をきたし、
リリアンは誰かの子を身ごもり、堕胎手術を受けていた―。
この人の文章、私には受け付けられなった。
なんなんだ、この読点の多さは!!!
どこが主語でどこが述語が分からないくらい、
修飾語が読点で繋がっているw
アメリカの大統領選挙を日本語にすると、こんな感じなんだろうけど。
リアリティのある村上春樹的な。
デヴィジュアルの考え方なんかはとてもおもしろかった。
可塑整形とか。映画になりそう。
その他の設定はどこかで聞いたことのあるようなお話でしたね?
一つのオリジナリティのある設定を追求して書いた方が
良かったと思うけどなぁ。
あと、ディヴィジュアルを意識しているからなんだろうけど
登場人物にイメージがつきにくい。
これは小説として致命的なんじゃ。
アメリカ人に共感できないのは文化の差があるとして
明日人や今日子の気持ちも分からなかったなぁ…。
それから相関図があると良いと思う。
この辺は編集者の読者に対する配慮不足だと思ってしまう。
ストーリーへの感想は特になし。
久々に苦手な文章が来たな。
投稿元:
レビューを見る
決壊の平野啓一郎の未来物だから素直なSFではないのだと思ったが、心理劇だった。
帰還した有人火星探査戦DAWN
監視カメラを一般公開した散影divisual
人間が場面毎に見せる違った分人ディビィジュアルdividual
日本人宇宙飛行士 明日人(アストー) その妻 今日子
無領土国家 plan-net
可塑整形手術
米国大統領戦、紛争介入、軍需産業の構造改革、兵士派遣会社、生物兵器
主要参考サイトに出てくるwiredvision.jp
愛国心、親子愛、そして夫婦愛
投稿元:
レビューを見る
この本を読んで、爆笑問題の「爆問」の中で太田が問いかけていた「宇宙飛行士の性欲は?」という疑問を思い出した。
物語の設定が大変面白い。平野啓一郎の中では私としては描写が読みにくかった。この文体はわざとこうしているのだろうが。
宇宙から見た地球の描写はこのうえなく美しい。私も見てみたいという気になった。
投稿元:
レビューを見る
おおお……平野先生初読み。
ですがずい分今作は文体を変えたそうで。
「宇宙船の中で何があったか?」
という事実そのものには新味はなかったけれど、閉ざされた空間での「罪と罰」「神はいるのか」という葛藤は瞠目。
あまりにも非日常的な空間で生まれた罪は、果たして贖えるものなのか。
近未来、宇宙船内や火星というSF的モチーフながら、人間が己を人間として自覚する前の、原始的な雰囲気も感じた。
作品の根底に宗教的な匂いがあるから?
もしくはリアルで緻密に描写された近未来のグローバルな景色が、やっぱり相も変わらず殺し合いをしている世界だったから?
大統領選が絡み、陰謀渦巻くミステリーとしても読める。
面白い。上手いなあ~。
子供は反則だよ……泣くがな;;
投稿元:
レビューを見る
2009/09/16購入。知らないことを吸収するような読み応えと、緊張感があってどんどん先が読みたくなる。