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紙の本

銀行にとっての不動産担保融資のリスク

2009/10/21 23:47

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:FAT - この投稿者のレビュー一覧を見る

 タイミングの良い時期に発刊された良書です。
 本書では、目下の世界的デプレッションの要因である、米国の金融危機について、日本のバブル崩壊後の金融危機と連関させて分析しています。
 重要な点は、日本のバブル崩壊と同じ構造の不動産担保融資による金融機関の過剰なリスク負担による破綻であることを端的に指摘しているところ。決して、今回の経済危機について、グローバル経済やグリード金融の破壊だの、新自由主義の崩壊だのといった、良く言えば経済思想的観点、実際には、イデオロギーじみた観点からの論調はない。

 そして、この過剰な不動産担保融資を抑制し、かつ、貸し渋り等マクロ経済への悪影響を抑制するための方策として、不動産業への貸出規制やリスク度をもっときめ細かく設定した自己資本比率規制という、制度設計の検討を直ちに始められる提案をしている。
 これらの提案は、ほころんだ金融機関監督システムを「とりあえず」繕う方策であり、決して規制フレームを根本から作り直すものではない。だから、本書でも触れられているとおり、規制逃れ、レギュラトリー・アービトラージを完全にふさぐことはできまい。
 そういう意味で、この提案、そして目下BISなど検討されている規制フレームの見直しも、コンピュータでいうところの「パッチ」を当てているに過ぎず、OSを入れ替えるような「根治療法」ではない。

 しかし、根治療法とするためには、銀行などの金融機関を含むエコシステム全体を見直して、そもそも決済機能を担う金融機関が高リスク融資へ走らなくて良いように、金融機関の過剰を解消し、かつ、低リスクの(事業用)融資機会を増加させるということが必要となる。とすれば、
・当面、既知の要因、つまり不動産担保融資、それも実質的なノンリコース型の不動産担保融資をコントロール可能な範囲に抑制し、
・リスクが顕在化した時には、早め早めに金融機関の自己資本強化策を講じるべし
と解釈できる本書の立場は、正当に評価されるべきであろう。

 本書では、この提案とその基礎となる実証研究について、過度にテクニカル(つまり、読む気を失せさせるよう)にはならないように纏めている。徳政令的な議論が横溢して、極端に思弁的な議論に振れてしまいがちな昨今、新自由主義的な発想に対して真摯で批判的な哲学を持っていそうでありながら、そこを論じることは抑えて、ピンポイントで重要な規制技術論をきちんと展開している本書の読後感は清々しい。

 なお、日本のバブル崩壊や今回の金融危機の事実経過について知識がある方は、第1章から第5章までは「斜め読み」でおさらいをして、第6章と第7章に力を入れるのが効率的では、というのが評者の提案です。

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2014/07/20 00:51

投稿元:ブクログ

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