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とんでもねえなこれは。筒井御大以来の衝撃。甚だ乏しく偏った読書体験しか持たないわたくしではあるが、こういう作家は迷わず天才認定することにしている。何かしらどんよりとウーハーな通奏低音が響く中、金比羅として覚醒した私と天孫によってその座を収奪された宇佐八幡の王・亜知海(あちめ)の対話によってこの国の歴史を貫く権力と徴税の仕組みが暴き立てられる。死期の近い愛猫の看護、母の葬式、締め切りに追われる執筆、気の進まぬ講演といった日常に、絶えず現れて理不尽な干渉を繰り返すのは、亜知海に言わせりゃ天孫による徴税に他ならない。物わかりのいい諦めは相手の思う壺、と海の底から警鐘を鳴らす。権力による徴兵の手を逃れてリゾームを跋扈する現代のノマドに託宣はあるのか──と意味不明に滑りながらスペクタクルに捏造したくなるほど、神がかりのエクリチュール。初期作品から全部読んでみようか。
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はじめての笙野頼子。
難解だった。二百回忌あたりから入りなおしたい。
キーワードに則ってすごく自意識のままに書いているという感じ。
売れているんだろうか。(需要があるんだろうか)
私はおもしろいと思うが。
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恥ずかしながらずっと長いこと本が読めなくなっていて、ようやく読めた一冊でした。
装丁から惹かれたのもあるし、好きなツイッタラーの方が絶賛してたので。
明治の国家神道に染まる前の神道が好きな私にはストライク。
嫌う人はとことん嫌うと思う。
なーんか。でも、好き。
物語ではないのかもしれない。これはなんなのだろうと海にひらひらたゆたいながら読む感覚。
でもそれくらいの読書が今の私に必要だった。
ありがたい。また読める。
書き散らしてるように見えて、文章の端々、きれい。
いいなあ、太古の神さまと通じるの。
黒尼?がめちゃくちゃ怖かった。
早く読めば良かったな。これから著作全部あたります。