紙の本
「悪意」は何処へ?
2011/09/16 10:21
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:koo± - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京の下町を舞台にした人情味あふれる短編ミステリ集。阿部寛主演でドラマ化もされているのでなじみの方も多い筈。主役はおなじみの加賀恭一郎。加賀モノで短編とは珍しい。つうか阿部ちゃんが加賀ねぇ……。
各章ホロリとさせてくれる結末。こういうのなんかいいね。古き良き世直し時代劇っぽい。浅田次郎がミステリ書くとこんな感じだったりして。
一話完結かと思いきや、各々の事件は絶妙に繋がっている。主軸は女性翻訳家の絞殺事件。そして意外な真犯人。何気ないドラマを繋ぎ合わせ、ある下町らしいアイテムから謎を氷解させる加賀の推理が冴え渡る。地味だけど正統派の論理性。案外いまどき希少で貴重。好きです。
共通テーマは親子愛。「赤い指」もそうだが最近の加賀シリーズはこのテーマに傾倒している。東野さんも良い意味で年を取ったということだろう。
しかし最近なんか変わったな加賀のイメージ。本著ではそのまんま阿部ちゃんだったのには苦笑。先日読んだ「アマルフィ」の黒田みたいに事前にタイアップ決まってたのかな? 昔の斜に構えた影のある感じが私的には好きなんだけど。あまり露骨な人情路線には走って欲しくないってのがファン心理。
構成も巧みだし主役・脇役問わずキャラも魅力的。まさにベストセラー作家の手練。あえて苦言を述べれば、連作短編の宿命か読み応えが少々薄いのが難。東野作品ってけっこう何時までも心に後引くのだが、なんか今回のは早々に記憶から薄れそうな予感。昔に比べ登場人物が一様に善人になってしまったのも要因かも。かつての東野ワールドにドロリと渦巻いていた「悪意」は何処へ?
紙の本
う~ん・・・加賀恭一郎って???
2009/11/21 18:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:とら子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編になっているので、読みやすいとは思いますが、
加賀恭一郎を仏陀かマザーテレサのように書きすぎの感が…。
これまでの加賀恭一郎とちょっと違っているような…。
こう思うのは私だけでしょうか。
ちょっと「悼む人」を思い出す作品でした。
紙の本
阿部寛が似合う男
2015/03/26 09:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
読後に「加賀シリーズ全部読むなこれは。」と、うならせた1冊。 たしかに阿部寛にピッタリかも(笑)
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加賀恭一郎シリーズ。今度の加賀さんが活躍する舞台は日本橋。加賀さんをメインに持ってくるというわけではなく、とある事件に関わる人々の生活をメインにしているのが、面白いところ。事件とほんっと関係ないようなところから話が始まって、どんどん核心に近づいていくんだけれども・・ちょっと関係あるけれどぜんぜん関係がない人々と加賀さんの関わり方が、すごい好き。加賀さんの事件への近づき方が巧妙。そして1つの事件をこういう形で書き上げる東野さんも、さすが。1つの殺人事件にまつわる9つの謎。連作短編集のようで長編ミステリ。
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日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る。
《ブックデータベース より》
《2009年9月26日 読了》
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うまいなあ。さすがです。
前知識なしに読み始めましたが、読んでいるうちに「これは短編集だったのか」と思いました。9章仕立てですが、1つ1つの章それぞれが日本橋で住む人たちの小さな謎があり、その解決事態に「人情」をテーマに、ほっとするようないい話になったりしています。
それぞれの章の話はかなり質が高いと感じました。しかし、そうした連作短編集というだけでなく、その背景には1つの殺人事件を追う加賀刑事の事件捜査があります。練馬署から日本橋署に移ってきたばかりの「新参者」加賀警部補が、日本橋という人情味あふれる謎を解くという設定がうまくマッチした作品のように思います。
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加賀刑事が日本橋署に赴任して間もないという設定。伊坂幸四郎が得意とするような、断片をばらばらとちりばめて、最後にうまくつなげる手法。ついに東野圭吾もやったかって感じ。もちろん作品としてのデキはとてもよく、事件だけでなく、日本橋の下町に生きるいろんな人間の生き様も心地よく描かれている。
加賀さんも良い意味でまるくなった。
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やっぱ東野圭吾の本では湯川教授よりも加賀恭一郎が一番だ。
どんどん性格というか感じが優しくなっとる。
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日本橋。江戸の匂いも残るこの町の一角で発見された、ひとり暮らしの四十代女性の絞殺死体。「どうして、あんなにいい人が…」周囲がこう声を重ねる彼女の身に何が起きていたのか。着任したばかりの刑事・加賀恭一郎は、事件の謎を解き明かすため、未知の土地を歩き回る―――。
これはおもしろい!聞き込み調査に回った先での小さな謎が、ラストの結末に繋がっていく。ミステリーだけど、登場人物それぞれの[人情]にじんわりくる。しかも1章ごとの分量がちょうどよくて読みやすい。ドラマにしたら面白そう♪
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「加賀恭一郎」シリーズ。登場人物達に人情味があってプロットもとてもよくできているとは思うんですが、加賀の推理過程が今ひとつ腑に落ちないので★一つ減らしました。
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いやぁ上手すぎます。拍手です。
今週公開される『さまよう刃』みたいな社会派ストーリーもいいのですが個人的な好みはこちらですね。
派手な展開はないんですがあったかな人情話のひとつひとつが繋がり絡み合って大きな物語が紡がれ読み終わったときジーンとした余韻に揺さぶられました。
加賀恭一郎に人形町、とてもいい味出てます。殺人事件なのになぜか心が温まる奇跡の物語、お見事でした。
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1つの殺人事件を軸に、短編が綴られている。
日本橋の人々の生活もステキだが、1つ1つの短編に小さな幸せと思いやりが隠れているところが東野さんらしい。
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発売日に買って本日^^;一気に読みました。
加賀さんシリーズ新作。
下町の家族模様と人情を絡めつつ事件の真相に迫っていくのは
気持ちがじんわりする箇所もあって、赴き深い書き方だな
と思いました。
家族への思いが、物事を複雑にしているのね。
相変わらず読み易く、そして面白かった。
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東京の下町、人形町で起こった殺人事件。新しくこの地域に配属された新参者の所轄刑事加賀が謎を解き明かしていく。犯人探しとあわせて、下町の人情溢れるエポソードが泣かせます。
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日本橋界隈が舞台で商店の様子が楽しい。うまい話し展開で最後までもっていくがミステリーの要素にやや欠けるかな…でも破綻なく読めました。