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みんなのレビュー867件

みんなの評価4.2

評価内訳

860 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

新参者をさがして

2009/11/26 01:25

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ロンタス - この投稿者のレビュー一覧を見る

日本橋の子伝馬町で、一人暮らしの45歳の女性が殺害されました。女性の評判は良く、友人らも殺害理由に心当たりはありません。加賀恭一郎は犯人の手がかりをさがすため、江戸情緒の残る人形町で、捜査をはじめます。
「煎餅屋」に「料亭」、「瀬戸物屋」、「洋菓子屋」などいろいろな店で聞き込みをし、謎の多かった被害者のことが少しずつわかっていきます。そして、また容疑者達のことも、、、

この本の面白いところは、舞台が、古き良き日本文化の残る人形町で繰り広げられるところです。人形町の人々が複雑に絡み合い、一見無関係とも思われる事件の遺留品につながっていきます。また題名の『新参者』、どんな意味があるのだろう?と思わず考えてしまいました。

一章一章が短く、比較的早く読み終わりましたが、気づかなかった伏線を探しながら、もう一度隅々まで読んでみたい本です。とてもおもしろかったです!

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紙の本

人と人との関係、つながりを軸に描き出された、最高のミステリ作品。ミステリ敬遠者にもおすすめします。

2009/11/04 05:39

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:月乃春水 - この投稿者のレビュー一覧を見る

特にものすごいミステリファンでも、東野圭吾作品をすべて読破しているわけでもありません。刑事・加賀恭一郎流に言うなら、いわば「新参者」であるわたしが言うのもなんですが、これまで読んだミステリの中でも、いちばん好きです。ベストな作品です。

江戸の匂いも残る日本橋。この町の一角でひとり暮らしの女性が絞殺された。着任したばかりの所轄の刑事、加賀恭一郎が事件の謎を解き明かすため、付近を歩き回る。そこで出会う人たちが章立てになっています。
様々な人間の思い、ことば、人と人との関係。それぞれが絡み合い、ドラマを見せてくれます。じんとしてしまうのは、そこなのです。

人形町にある煎餅屋の『あまから』の娘、菜穂。母の代わりとなって育ててきた祖母、聡子は危篤状態になり、退院したばかり。入院給付金支払いの手続きのために、診断書を取りに保険外交員の田倉が訪ねてくる。嫌疑のかかった田倉は、警察に正直にアリバイを話さなかった。(第一章 煎餅屋の娘)

料亭『まつ矢』の小僧、修平は主人の泰治にたびたび頼まれることがある。誰にも内緒だぞ、と念を押され、人形焼を十個買うのだ。餡入りが七、なしが三。その人形焼が被害者宅で見つかった。ひとつは、なぜかワサビ入りだった。(第二章 料亭の小僧)

嫁姑問題でもめている最中の瀬戸物屋『柳沢商店』。被害者の三井峯子はこの店を時折訪れていた。誰かにプレゼントするため、箸を注文。品物はまだ届いていない。峯子は嫁の麻紀にメールを送っていた。頼まれたものを買っていたのだ。被害者宅では、江戸時代から続いている刃物専門店『ききみや』で購入し、包まれたままのキッチンバサミがみつかっている。(第三章 瀬戸物屋の嫁)

『寺田屋時計店』にはがんこな店主、玄一と妻の志磨子、ひとりの職人がいる。ひとり娘の香苗は高校卒業と同時に駆け落ち。柴犬、ドン吉をいつも夕方に散歩に連れて行くのは、娘を許していない玄一だった。散歩の途中で玄一は、被害者とときどき顔をあわせていた。事件当日、三井峯子と会った公園を加賀は何度も確認する。(第四章 時計屋の犬)

洋菓子屋『クアトロ』で閉店時間間際にやってきた常連の女性客。きょうは買いたいと思っていたゼリーが売り切れ。どうしようかと言っているときに女性の携帯電話が鳴る。

小さな劇団で舞台セットを汗だくで固定している清瀬弘毅のもとに、父親の直弘から電話が入る。峯子…母親が殺された、と。弘毅は大学を中退して家を飛び出して以来、母とは二年間会っていなかった。その後、両親は離婚している。
浅草橋に恋人の亜美と住む弘毅は、遺体が見つかった現場まで行き、そこで加賀に会う。母が小伝馬町に引っ越してきた理由は、自分とは関係ない、単なる偶然だと弘毅は話すが、そうではなかった。(第五章 洋菓子屋の店員)

事件当日、三井峯子の部屋を訪ねる約束をしていた吉岡多美子。約束の時間を変更してくれと電話をしていた。ふたりは大学時代からの友人で、峯子が離婚を考えたとき、翻訳の仕事を手伝って、と頼み、「翻訳家として独り立ち出来るまで私が面倒を見てあげる」と言っていたのだった。ところが、多美子はプロポーズされ、ロンドンに行く話が持ち上がり、二人の友情がぐらつきはじめる。
峯子の部屋を訪れ、床で倒れている姿を発見、通報した多美子は、自分とてつもなく大きな過ちを犯したと、悲しみと後悔と自責の念に苦しんでいる。
後日、加賀と多美子は『柳沢商店』に向かい、峯子が誰かにプレゼントするはずだった箸を手にとって見る。(第六章 翻訳家の友)

峯子が馴染みのない小伝馬町で暮らすようになったのは、重大な意味があったと知った清瀬弘毅は、せめて母が死の直前まで何を考え、どんなふうに生活していたのかくらいは知っておきたいと思う。峯子は離婚の際、弁護士を間に立て、その人物とは時折メールのやり取りをしていたという。弘毅は弁護士に会いに行く。

直弘は清掃会社を興して二十七年になる。大学の一年後輩の岸田に財務全般を管理してもらっている。これまで口出しは一切してこなかった岸田だが、行きつけのクラブでホステスをしていた女性を社長秘書にしたのだけは露骨過ぎる、と忠告しているが、直弘は意に介さない。

弘毅は社長秘書の宮本祐理を呼びとめ、父との関係を単刀直入に訊く。警察が父を犯人ではないかと疑っている、自分も父親をあまり信用していない、という弘毅に、祐理は、ほんとうのことを知ってもらうしかない、ときっぱり言い放つ。(第七章 清掃屋の社長)

藤山雅代は人形町に民芸品屋『ほおづき屋』を出して二十四年。加賀は独楽を買った人を探しているというが、最近売れたのは、事件が起きた後だった。

岸田玲子と5歳の息子のところへ義父の要作が訪ねて来る。後日、玲子が銀座での買い物から帰ってきたところへ、刑事が再び訪ねて来て、義父が来た日の様子を詳しく話してくれという。玲子はその日の夜、殺人事件があったと知り驚く。加賀は岸田が孫に独楽を持って来た日を確認する。(第八章 民芸品屋の客)

日本橋署の刑事、上杉博史は、今回の捜査はなんだかおかしい、とぼんやりと思っている。有力な手がかりが得られないまま、容疑者をリストアップすることさえ難しい状況だった。事件発覚時には不可解とされていた問題がいくつか解決されているが、「関係ないことが判明した」と説明されただけ。
ある人物の元へ向かう上杉に、加賀が自分も一緒に行っていいか、と声をかける。

後日、加賀は上杉を浅草橋の劇団の稽古場に連れて行く。次は、小伝馬町にある洋菓子屋へ。加賀は、順を追って話し始める。(第九章 日本橋の刑事)

このように、人と人とのつながりを軸に描かれているのが特徴です。
ちょっとした偶然や誤解、見逃しが、人を事件に巻き込んでしまう…そんな恐ろしさが底辺にはあるものの、人と人との関係を丁寧に描き出しているのは、従来のミステリ作品との違いで、大きな救いになっているのではないかと思えます。

事件の第一発見者で、被害者の友人の吉岡多美子に、ひとつの謎解きを見せたあとの加賀と多美子のやりとりが、とてもいいので、ご紹介します。

「加賀さん、事件の捜査をしていたんじゃなかったんですか」

「捜査もしていますよ、もちろん。でも、刑事の仕事はそれだけじゃない。事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手立てを探しだすのも、刑事の役目です」

このミステリはNo.1。最高の作品、とミステリを敬遠している人にもぜひ、おすすめします。


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2009/09/08 03:09

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