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橋の写真集を探していたため、とびついて開いた本。
国内外のいい橋、美しい橋を選りすぐって採り上げたというわけではなく、著書である大野美代子+エムアンドエムデザイン事務所がデザインを手がけた橋を掲載しているものだとわかりました。
橋本体の全景ではなく、アングルにこだわったり、橋の影のみを撮った写真などもあり、写真家藤塚光政氏のセンスのよさが見えます。
ただ、近代的でダイナミックなモダンデザインは、個人的に好みではないため、紹介された作品としての橋には、あまり心動かされませんでした。
橋には桁橋、吊り橋、アーチ橋の3種があるとの解説が図とともに掲載されています。
桁橋の発展形が斜張橋で、ベイブリッジなどがそれに当たるとのこと。
鉄橋はトラス橋だそうです。
ラーメン橋という名前に笑いましたが、食べ物ではなく、『骨組み』を意味するドイツ語のRahmenに由来するのだとか。
橋の種類について全く疎いため、いい勉強になりました。
横浜駅から日産ビルに続く橋、ははまみらいウォークも、このデザイナーの作品。
元町のフランス橋もそうで、横浜の橋が多いように思います。
美観を主張しすぎない、日常の風景の中にしっくりと溶け込みながらも、はっとする印象的な形を取った橋が多いことに気付きました。
作者は多摩美のデザイン科卒。
女性が巨大な橋のデザインに携わって、優れた結果を残しているというところに、格好よさと頼もしさを感じました。