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子供の時、大の仲良の3人でノックナリーの森へ遊びに行き、2人が行方不明、ひとりショックを受け記憶を亡くして戻ってきた過去を持つアダム・ライアン。その後ミドルネームのロバートを名乗りその事件を隠しながら抱えながら大人になったライアンは故郷に戻り警察官となって殺人課に勤務。キャシーという気の合う無二の相棒を得、経験不足ながらなかなかの成果を上げています。ある日、ノックナリーで少女の遺体が発見されライアンとキャシーが担当することに。ノックナリーのような小さな町に殺人者が2人いるとは考えにくく、ライアンは自分の事件の究明にもつながるのではないか、とどんどんのめりこんでいきます。ライアンの相棒キャシーも、人には打ち明けない過去の傷を内に抱えた女性で、ライアンとは恋人ではないけれど家族のようなかけがえのない関係を築いているのですが、傷を残しつつも過去に折り合いをつけ現実を見据えて生きるキャシーと、過去に縛られているライアンは、あることをきっかけにしっくりいかなくなってしまい、、、
ミステリですが、そちらが本題というより(それもプロットがしっかりしていて読みごたえがあるのですが)、ライアンとキャシーの関係を描いた小説、と思いました。この本はライアン視点なのですが続編がありそちらではキャシー視線で描かれているということで、今から翻訳されるのが待ち遠しいです。
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アイルランドの森で起きた20年前の怪事件と重なる殺人事件を、
関係のある刑事とその相棒が解決のために奔走する話。
小難しい文体に慣れるのに時間がかかるかも
でも、息のあった会話と全体的に流れる不気味で不可解な雰囲気が素敵
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主人公がページを追うごとにどんどんヘタレていくので、読んでいてしんどかった。ああ~、そう終わっちゃうの?読んでスカッとしたいほうなので、その点はマイナス。ストーリーはこのヘタレな主人公でなければもっとよかったのに。20年前の事件の伏線がいまいち。次作に期待。
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本作が著者の作家デビュー作。にもかかわらず、英米で7つ以上の賞を受賞し、一躍脚光を浴びたミステリである。1984年、ダブリン近郊の森に入った少年と少女が失踪。20年後、同じ森で少女の他殺死体が発見される。捜査を担当する刑事は、20年前に消えた2人といつも一緒に遊んでいた幼なじみの大親友。あの日も3人一緒に森に入った。そして、ただひとり発見された少年だった。20年前の失踪事件当時の記憶を失くしたナイーブな主人公の刑事と、親友ともいえる男勝りの女性刑事の絶妙な掛け合いがすごい。繊細な心のやりとりには驚く。古代遺跡が眠る森の神秘さも作品の魅力のひとつ。美しくも妖しげな情景が読む者を引き込む。1984年、森に入った少年2人と少女1人。20年後、同じ森で発見された少女の他殺事件を調べる刑事らも、男2人に女1人。男性刑事の1人が主人公であり、20年前に森に入り、唯一発見された少年だった。この男2人と女1人という設定に何かあるのか?単純なところでは、三角関係?20年という歳月を隔てた2つの事件に関連はあるのか?関連があるとすれば、どんなことが考えられる?20年前、ひとり発見された主人公が当時の記憶を失っているのはなぜ? 相当なショックを受けたから?どんなショック?そんなことを考えながら読み進める。さすが女性作家だと思ったのは、登場人物たちの心理描写。煩わしくしつこいくらい、事細かに描いている。なかなか進まない捜査にイライラしながらも頭に浮かんだのは、英米人はこういう男女関係の心理描写に興味を惹かれるのかもしれないということ。この作品が高評価を獲得したのは、そこが理由ではないだろうか。だとすると、ひょっとしたら事件自体は平凡なもので、アッと驚くようなトリックなどないのではないか。そんな思いも抱きながら、下巻に向かう。
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図書館で。上下巻感想です。
とにかく長い。本編とムダと思われる挿話が長くてしかも面白くない。で、それ何か意味あったの?と言うような感じで… 結末が気になってとりあえず最後まで読みましたが結果も何それ?と言うような結果だし。
あとはなんとなく文章が感傷的プラス感情的で読みにくかったです。若手二人コンビじゃあ危なっかしいことこの上ないよなあ~と最初から思っていたのでそんな感じのラストで残念。次は読まないだろうなあ。
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翻訳物は滅多に読まないのですが「ソロモンの偽証」に引用があって気になったので。長い積読から救出。
トラウマを追った主人公の刑事が、そのトラウマと関係のあるかもしれない殺人事件を追う…というストーリーだが、本当にひたすら地道に事件を追うので、退屈といったら退屈。言い回しも、長く回りくどく…だけど、だいぶ慣れてきたので、このまま下巻に突入。主人公とパートナーの関係が、このまま進むのか発展するのか。真犯人は誰なのか、気になる。
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子供の行方不明事件が20年後に再び姿を現す。ホラーチックな興味深いテーマで緊張感があるが、主人公の悩みばかりが重すぎた。
上下巻です
エドガー賞、アンソニー賞、マカヴィティ賞などの新人賞受賞作
読みにくい、長い話だった。
最初のページなど改行がわずかで、べったりと活字で埋まっている、処女作だからか、やたら修辞や比喩に凝っている。
その上、最後まで一人称で話す主人公が、全くやりきれないほど煮え切らない、魅力がない。
と、こき下ろしてはみたけれど。
我慢して読むと、主人公ロブの悩み方にも慣れて、ストーリーの展開も少し面白くなってくる。
解決近い部分になるとスピードも上がってくる。
アイルランド、ダブリン近くの新興住宅地、後に森があって子供の遊び場になっていた。そこに三人の仲良しが入ったまま帰ってこなかった。やっと帰った男の子「アダム」は記憶がなかった。
20年後、アダムはミドルネームを使ってロバート(ロブ)と名前を変え、家も引越し、殺人課の刑事になっていた。
ところが彼が住んでいた寂れた町の上に、高速道路が通ることになる。そこは歴史のあるアイルランド、工事中の場所に遺跡が埋まっていることがわかり、発掘調査をしなければならない。
その発掘中に、ケイティという女の子が殺される。それも昔、行方不明になった子供たちと同じ12歳。
ロブは昔の事件が蒸し返されるのを恐れている。記憶がないというものの、再び話題になって自分の身元が明らかになり、捜査からはずされたくない、その上なにがあったのか思い出せない不安にも苦しめられている。
事件の捜査するうちに、フラッシュバックのように子供の頃の情景が蘇ることがあるが、それは直接二人の子供の行方につながるものではない。
彼自身も当時の極彩色の夢まで見て、あの二人は生きているのだろうかという疑問に悩まされている。
そして、捜査を進めるうちにケイティ事件は犯人の手がかりもみつかり、意外な真実がわかる。
さえない悩めるロブに比べて相棒のキャシーが魅力的、仲間に加わったサムもいい。
この二人が出ると少し面白くなるが、ロブが過去に悩まされるという、うじうじとした話は退屈で、本筋にかすりもしないで、結局昔の二人の行方は知れないまま。解決もされない。
ページも残り少なくなったところで、ケイティ事件は、意外な展開を見せて解決する。
このあたりは作者の実力は感じられるが、何しろ終始ロブの悩みに付き合う忍耐の要る本だった。
この後はサバサバッとしたタンパクなものがいいかな。
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アイルランド、ダブリン近くの遺跡発掘現場で少女の遺体が発見された。生贄の儀式かもとも言われる石の上に載せられていたが、近くに住む少女で、しかも近くバレエ学校に入学が決まっていた少女だった。担当にあたる若き刑事ロブ・ライアンは、20年前その近くに住んでいて、しかも仲よし3人で遊んでいる最中、二人は行方不明となり、自身は血のたまった靴にまみれて発見されそれまでの記憶が飛んでいた、と言う過去を持つ。両親は引っ越しをし、名前も変えて、そして刑事になったのだった。
現在の事件と、昔の自身の遭遇した事件は何か関係があるのか? 少女の父親はその昔ワルで、森で仲間たちとつるんでいるのを、ライアンたちは盗み見していたのだ。・・こうなると、20年を経た事件は何かどろどろしたつながりがあるのではないか? という興味で最初は読み進むのだが・・ ちょっとしりつぼみだったかな。現在の事件の動機はけっこうよくあるタイプか。掘り下げ方次第ではおどろおどろしくなるが、ストレートですとんと落ちておしまい。
ライアンと相棒の女性刑事の関係とか、ライアンのルームシェアの女性とか、あるいはいらないかも。
タナ・フレンチ:アイルランドの小説家 1973年、アメリカ合衆国で、アイルランド系の家庭に生まれる。父親が開発途上国の資源問題を研究するエコノミストで、その仕事の都合で、ルーツのアイルランドをはじめ、イタリア、マラウイなど数カ国を転々とした。1990年以降は、父祖の国であるアイルランドの首都・ダブリンに暮らしている[1]。ダブリンのトリニティ・カレッジで演劇を学んだ[1]。既婚者で、娘が1人いる。アメリカとアイルランドの市民権を持っている。
2007発表
2009.9.25第1刷 図書館
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「悪意の森 (上) 」(タナ・フレンチ : 安藤由紀子 訳)を読んだ。
まだ(上)までなんだが、〈これが第一作?すごい!〉と唸る。
過去の秘密を抱えて危うい精神のバランスをギリギリ保ちながら、不穏な空気渦巻く小さな街での捜査が続く。
この先の展開が全く読めない。
さあ(下)に突入。