- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |
紙の本
未来には社会主義的な世界政府ができるのか
2010/07/10 13:32
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MtVictory - この投稿者のレビュー一覧を見る
金融危機の対応策として数々の金融機関に巨額の公的資金を投入し、実質的に国有化したアメリカ。自動車会社まで国営化してしまった。著者はそれをアメリカの「社会主義化」と評している。誰もがそう感じていることだろう。
オバマ大統領は前政権の負の遺産を引き継いで始動したが、行き過ぎた資本主義の後始末のために、巨額の財政出動必要となり、民主主義の盟主という立場とは逆行せざるをえなくなっている。彼は新しい「資本主義と民主主義のバランス」を求めて模索をしていることだろう。
著者は「資本主義と民主主義は相性はよくない」という。アメリカなど西側陣営が冷戦に勝利したことで、資本主義と民主主義の勝利となった。しかし、それらは経済システムと政治システムという違いがあり、決してベストな組み合わせというわけでもない。こうした現状に対して第6章では、新たな価値観「人道主義」の重要性を説いている。民主主義、社会主義、資本主義は「人々の要求に応じて無限に社会福祉を増大させたなら、いずれの主義も破たんに追い込まれる」と喝破する。破綻しない社会福祉の実現のためには人道主義が必要という。また、真の社会福祉の確立は「各国が独自に考えるものではなく、グローバル政府によってのみ、実現されうるものであるかもしれない」と、究極的には世界政府による富の再配分の必要性を示唆している。
さて、現在は各国が世界不況からの脱出を目指しているが、第5章では「経済対策の規模と、なりふりかまわぬ度合い」は米中が抜きん出ているとし、「米中経済が世界の中でいち早く立ち直る可能性が高い」と予想している。サブタイトルの「G2」も勿論この二国を指す。しかし、既にアメリカは財政出動の余地がなくなってきている。今や大盤振る舞いの財政出動ができるのは大量の貿易黒字を溜め込んだ中国だけなのだ。それを世界中が期待し、中国市場から利益を確保しようとしている。その中国の財政出動のキーワードは「インフラ整備、農村支援、社会保障」。これら内需主導の経済成長に各国が群がる構図。
社会主義化するアメリカが、社会主義の中国に急接近しているのは単なる偶然か、それとも必然なのか?アメリカは民主主義の旗を降ろすのだろうか?底力を発揮して素早く景気を回復させ、覇権を復活させることができるか。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |