紙の本
意外とまとも
2016/04/21 18:43
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投稿者:撫子の丘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国の産業界と住宅市場の特異性を示す。金利のデリケートさと扱いにくさ。
銀行業界では間隔を置いて行き過ぎが起こる。
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サブプライムローンの誕生、そしてそれがいかにして化物になっていったかを
当事者たちの目線から書かれたもの。
金融に携わるあっしですらかなりの集中力を要求された。
一般の方にはおすすめすることはできないくらいぐったりとした。
当初開発者たちは素晴らしいものを生み出したと興奮した。
バランスシートからリスクを分散することに成功したのだから。
しかし、時がたつにつれその運用が少しづつおかしな方向へと進んでいった。
気がつけばそれはもう制御できないくらいに暴走していた。
音楽が流れている以上はダンスを辞めるわけにはいかない。
このことばがすべてをものがっているようでもある。
原子力、それが誕生したときは興奮した。
しかしそれが兵器になるとわかった時からの苦しみはいわずと知れたことである。
それに近いものを感じていたひともいたということだ。
それにしていまだその巨大な衝撃から立ち直れていない。
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借り読み。半分まで普通読み、後半は飛ばし読み。内容善し悪しと関係なしに、この手の米国読み物はどうにも相性が良くなく・・・
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ジリアン・テットはセイビング・ザ・サンと同様、ある経営者をべた褒めする傾向がある。本国でない弱みがあると思う。
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CDSが出来上がり、どのようにあらゆる投資家に行きわたり、
どのように崩壊したかの物語。
JPモルガンがものすごくいい役割で書かれている。
まぁそれに近かったんだろう。
目をつぶり、危うさに気づかぬ体で投資を積んでいってしまう心理は
わからんでもない。。。
これからユーロショックがどのようにして起こるのかを
よく予測して対処していきたい。
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まだ記憶に新しい、今なお欧米に甚大な影響が残っている「リーマンショック」が、なぜ、どのようにして起きたのかが、非常にドラマチックにわかりやすく描かれています。
リーマンの倒産によるアメリカの銀行の連鎖倒産の危機、それを救済するための欧米政府の巨大な財政支援により、世界的な景気後退と財政危機が起き、未だにその影響を残しているところですが、実際のところ、その発端と言われているサブプライムローン問題という、いわば単なる住宅貸付の貸し倒れが、なぜここまで甚大な影響を金融システム全体に与えることになったのかは、今ひとつ得心できていませんでした。
が、この本を読んで、本来リスクを分散させるためのものであるクレジット・デリバティブという金融手法が、どのようにリスクを巨大化したのかが、よくわかりました。
筆者のスタンスである、金融技術が悪いのでは無く、その使い方に問題があった、というのは、日本の今の原発のリスク管理にも通じるところがあるように思いました。
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中央図書館で読む。期待以上の出来です。新聞記者の手によるものなので、読みやすい。また、ファイナンシャルタイムスという看板は誰でも取材できるのでしょう。物語はCDSです。多くの商品はリスクを計算するのは困難だった。そうなんでしょうね。また、専門家により、価格も異なったんですね。予想通りです。少しこの手のものを読もうかな。
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"Fool's Gold" by Gillian Tett
In the book, Jamie Dimon is treated as a hero.
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リーマンショック・コンフィデンシャルと合わせて読むと、2007年の金融危機がどのようにしておきたのかが理解できる。
ダイモンはかっこいい。
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元フィナンシャル・タイムズの東京支局長である、ジリアン・テットによる、CDSという金融商品とその崩壊を綴ったノンフィクションである。
JPモルガンが開発した、CDS (債権のデフォルトリスクをスワップするもの) とその派生商品がサブプライム・ローンと組み合わされることにより、証券会社や銀行が把握できない巨大なリスクが膨らんでいく様を描いている。
経済学に詳しくなくても読みやすく、訳文の文体も落ち着いていて好感が持てる。これと「世紀の空売り」を併せて読むことにより、いわゆるリーマン・ショックの原因構造が理解できると思う。★5つとする。
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横内頭取の推薦図書
大変な名著
著者の取材力には感銘
JPモルガン
ジェイミーダイモン
慎重かつ果断
Bankerの手本
やはりゴールドマンサックスは凄い
クイックイン・クイックアウト
安易な模倣は駄目
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リーマンショックの1年後にフィナンシャル・タイムズの記者によって書かれた金融危機の発生と金融システムの崩壊のドラマ。J.P.モルガンの小グループが開発した金融技術のCDS(クレジット・デリバティブ・スワップ)が、強欲なウオール街によってどのように歪められて金融危機をもたらしたのが、克明に臨場感を持って描かれている。本書を読むと、CDSの開発が先にあり、それをベースにしてサブプライム・ローンが大いに利用されてきたことがわかる。米国の住宅購入者だけでなく、まじめに働いてきた日本の労働者まで大きく揺さぶられるほどの経済危機に発展したところに、金融システムの影響の大きさを改めて認識する。物語としても登場人物の息遣いが聞こえてくるようだし、ノーザン・ロックの危機やベアー・スターンズの救済の舞台裏の生々しさには興奮させられた。J.P.モルガンの社風や歴史もよくわかる。当時の問題は、金融技術の進歩が速くCDSやSIVをはじめとする聞きなれない仕組みが次々と登場し、またリスクのやりとりが複雑すぎて、問題の深刻さや全体像を把握できなかったことだろう。コロナ禍の現在も危機ではあるが、金融面でのリスクの所在は当時に比べれば、わかりやすくなっていると感じている。
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以下、監訳者あとがきより。
「…本書は今回の世界金融危機の大きな要因とされる金融技術CDSが、J・P・モルガンの若い金融技術者グループによってどのような目的のために開発されて金融市場に普及し、金融システムの崩壊をもたらしたかを広汎で綿密な取材によって明らかにしている。もともとは金融仲介の効率性を高め、信用コスト引き下げるために信用リスクを移転させるという高い目標のために開発されたCDSだったが、悲劇的なことにサブプライムローンの証券化と結びつくことによって今回の金融危機の主因となってしまった。」
物語調が読みやすい。金融に疎いので読み飛ばした箇所が多かったが、後にもう一度読み返したい。
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リーマンショックを引き起こしたのは米国のサブプライムローン(信用リスクの高い住宅ローン)を原資産とするデリバティブ商品(CDS)だった。それくらいは誰も知っているわけだけど、そのCDSの誕生から追いかけた本書はより深堀りを可能にしている。
CDSそのものは、1990年代中頃にJPモルガンの若手が純粋に理論構築した金融スキーム。信用リスクを貸手のBSから第三者へ移動させることで、自己資本に対してより多くの融資が可能になった。そこにリスクがあることを誕生直後に見抜いていたのに、他行が住宅ローン証券投資組み合わせて、リスク管理をほったらかしてある種の劣化版コピーを大量生産したところに事の本質がありそうだ。また、市場拡大のプロセスで、ロビー活動の結果、米国の金融当局も規制対象から外したことで歯止めが効かなくなった。いつしかCDSのCDSすら生まれ、リスクの所在が曖昧になっていった。最後は市場で崩壊し、3000億ドル以上の公的資金が注ぎ込まれた。
「今では周囲の誰もが 金融イノベーション制約説を主張し デリバティブは狂気であり クレストデリバティ は禁止すべきだと言っている。だが今回の危機は本当のところ、 デリバティブとは関係ない。問題は悪質な住宅ローンを融資であり、 イノベーションの使い方 なのだ。」
現在の市場で、FRBが供給している資金量はコロナ禍に激増してリーマンショックの比ではない。次に何か金融的なショックが来た時に、資金供給による下支えは可能なんだろうか?