投稿元:
レビューを見る
本格的な時代小説。家綱の時代に 800年使い続けられた暦を改暦しようと命がけでいどんだ男たちの熱い物語。算学と囲碁と暦。純粋文系の頭には縁のない世界なのだけど、そういうモノに命をかけた静かで熱いおとこたちがいたのだ ということに心を打たれる。
投稿元:
レビューを見る
マルドゥック、ばいばいアース、と読んできて、え?時代小説なの?と思ったが、先へ先へ読ませる筆力は変わらず。世間の評価に違わず面白かった。
投稿元:
レビューを見る
「安井算哲・・・お主、本日が実は明後日である、と聞いて、どう思う?」
(・・・)
そしてあたかも誰の手も届かぬ月を責めるか、届かぬ自分たちを責めるかするような言いざまで、
「宣明歴」
短く断定的に告げた。
それこそが、やがて究極の難問となって立ちはだかり、生涯をかけた勝負を生み出すなどとは露ほども思わず、春海はただ言葉を失い、建部の視線を追って月に目を向けた。
見慣れたはずのその白々とした輝きが、なぜかひどく異様なものであるように見えていた。
天才・渋川春海が日本独自の暦を作り上げる話、ではなく。
その天才でもって真剣勝負をすぱーんと勝ち抜いていく話でもなく。
天に手を触れた男の話。それがかなわなかった天才の話。
自分の天命を知った男の、苦闘と惨敗と、幸福な生涯の話。
戦国時代にとどめを刺したひとびとの話。
八百年の歴史を持つ「授時暦」を殺し、新たな暦を作れ。
といろんな人にいろんな理由で命じられ、託され、任され、頼まれて、渋川春海が覚悟を決める話。
停滞しては一気に流れ出し、また落ち込んでは勝負に挑む、意外と蛇行した道のりをゆく物語。
とりあえず酒井忠清の造形がすばらしい。
投稿元:
レビューを見る
大河ドラマにしても面白そう
江戸時代でも星の動きを算術で導き出すというのが大変ならば、エジプトなど古代文明の星に対する見識の深さはいかがなものだったのかと、違うとこでもビックリしてしまう
投稿元:
レビューを見る
「合戦も剣客もない時代小説」という帯が気になって衝動買いした本。
めちゃくちゃ面白かったです。
主人公がものすごーく魅力的。それに負けず劣らず、周りの方々もそれぞれいい味出してます。
人の繋がりって大事なんだな、と思える話でした。
中盤から終盤は泣きながら読んでました。ホントに胸が熱くなります。
無条件に人に「いいから読め!」って勧めたくなる一冊でした。
投稿元:
レビューを見る
時代小説は好きなんだけど、これはちょっと違ってました。暦を新たに作った渋川春海のお話。碁もわからないし、算数&数学も苦手なのでちょっとめげそうになった。でも春海のまっすぐに突き進もうとする姿は素敵でした。
投稿元:
レビューを見る
江戸時代、前代未聞のベンチャー事業に生涯を賭けた男がいた。ミッションは「日本独自の暦」を作ること―。碁打ちにして数学者・渋川春海の二十年にわたる奮闘・挫折・喜び、そして恋!俊英にして鬼才がおくる新潮流歴史ロマン
2010年は始まったばかりだが、今年のベスト3に間違いなく入るだろうと思う。
投稿元:
レビューを見る
「退屈ではない勝負が望みか」
この言葉に身の内でゆらりと立ち上るものがありました。
読み終えたとき、何かに感謝したい気持ちでいっぱいでした。
投稿元:
レビューを見る
他の時代小説にありがちな、そういう時代だったから…的な、その舞台設定に安易に逃げない作者にまず感服。丁寧に描かれた登場人物は、万国共通の魅力。諸外国の方々にも読ませたい1冊。
投稿元:
レビューを見る
なんというプロジェクトX!
「何かに夢中になれるっていいな」と素直に思えた作品です。一人一人がストイックに改暦のための礎となっていく感がなんかもう、ステキすぎる・・・
投稿元:
レビューを見る
ぞわぞわぞわと静かに鳥肌が立つ感じ
純粋に文章を書くのが上手いんだと思う。描写がすごく好みだった
後半はやはり歴史に基づいたものなだけあって、
現実的すぎてものすごく盛り上がる!というわけでは無いけれど
純粋に楽しめた。プロジェクトXが好きな人は好きになれると思う
本当に多くの人たちが関わって、そうして暦は変わったのだと。
あまりにも登場人物の皆様が魅力的で、ぐっと胸にこみ上げてくるものがあった。
投稿元:
レビューを見る
野生時代連載開始からわくわくして読みました。もう一度読んでやっぱりおもしろくて、また生きるということを考えさせられました。最後の終わり方もとても良かったです。
投稿元:
レビューを見る
本屋大賞を取ったなんていう本を読む気はしなかったのですが
大和暦がどのように取り入られていったかが知りたくて読んでしまいました。登録者も千人も超えているなんて、驚きですね。
思わず面白かったのが文楽『大経師昔暦』の出てくる件。
芝居の題材に使われたこと自体、暦がいかに重要な物であるかを実感させてくれました。
この舞台を見ているだけに、不思議な気持ちになりました。
投稿元:
レビューを見る
碁打ちで算術好きの渋川春海が大和暦を完成させるまで。
主人公である春海のひたむきさが、学ぶことの楽しさや、好きなことを続けていくことの喜びを教えてくれている気がした。
ただ、文章が説明過多ぎみで、リズムが悪く、物語にのめりこむことができなかったのは残念。
とはいっても、時代小説だけど、青春小説のようなさわやかな読後感だし、建部・伊藤のおじいちゃんずや関孝和などの登場人物も魅力的で好感がもてた。
投稿元:
レビューを見る
一晩で全部読み終わってしまった。
面白すぎて一晩寝れなかったとも言う。
算術好きの碁打が、改暦という大事業に挑む話。
託された想いと、やりたいことと、やるべきことが一致した幸運な男の話。
勝負に出ること、という話。
どれか引っかかったらどうぞ。