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オバマ米大統領が総選挙で歴史的な勝利を手中に収めた裏には、ソーシャルテクノロジーを駆使した徹底的なメディアリーチ戦略があった――。
YouTube、MySpace、ブログ、Twitter、電子メール……オバマとオバマの広報活動を務めるメディア戦略チームは、オンライン上で全米の人とつながりが持てるこれらのテクノロジーを使った多彩な仕掛けを次々と打ち出し、人々に選挙活動に興味を持ってもらうように戦略を設計した。特に選挙に関心を持ちにくい若者世代は、ネットの活用に多くの時間を費やす。こうした人々にオバマの思想である「CHANGE」を断片的に伝えることで、オバマのプレゼンスを上げていった。
オバマ陣営のソーシャルメディア戦略の肝となるのが、「共感」の態度だ。ネット上には上記の媒介を通じて、国民の生の声や意見がとどまることなく届く。そうした意見の1つ1つに共感し、それが米国を変えるきっかけになるとオバマが発信する。「民意が政治に反映されるんだ」と感じた国民は、自分の中に「CHANGE体験」を構築し、この人なら米国を変えてくれると意識するようになる。
象徴的なエピソードがある。どうすれば多くの人々を民主主義のプロセスに参加させられるかという問いをオンライン上で投げ掛け、ベストアンサーを出した国民にオバマ自ら電話をかけ、数分間その人と話をしたというものだ。オバマと話をしたその人は、この体験を自らの口で語り、オンライン上に情報として残すだろう。共感者を中心として、新たな情報の輪が広がっていく。「オバマに勝利を」という世論は、ネット上に存在する多数の国民によって作り上げられていった。
オンライン上で既存のメディアを使わずに、ソーシャルメディアを使って情報を届けるというアプローチは、今後いっそう取りざたされるようになる。マスメディアを活用した不特定多数への情報配信の効果が疑問視されているからだ。企業のマーケティング、広報活動に話を移した場合、企業がオバマのオンライン上での広報活動への取り組みに学ぶことは多い。長い期間をかけてユーザーとの共感関係を作っていくこと、ソーシャルメディアに参加してもらうための動機付けをすること、対話をすること……。2010年は大規模な企業を中心にソーシャルメディアを使った情報活用戦略で成功事例が生まれるかもしれない。
本書では、オバマのソーシャルメディア戦略の軌跡を追っていく。「SOCIAL MEDIA LESSONS」と呼ぶコーナーでは、オンライン上で情報を正しく届けるための勘所が取り上げられている。これらを一読するだけでも、今ネット上でどのような広報活動が出ており、効果を上げるためのヒントをつかむことができるだろう。
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オバマ大統領のソーシャルメディア活用の事例については参考になった
でも、日本の選挙には使えなさそう。
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この本はソーシャルメディア戦略の参考に使える!昨年末にラジオで耳にして注文した本。オバマ選対チームの著者が解説するソーシャルメディア戦略。選挙のみに言える話ではなく汎用的に適用可能な、ソーシャルメディア戦略。”オバマ”というプロダクトのブランディングと、”投票”というユーザーの具体的行動を促したということだ。これほどのケースはないのでは。なぜなら、規模、スピード、それから戦略チームに揃った有能な人材。理想のケースだ。そして忘れてはいけないのは、オバマという人を惹き付けるプロダクトが先にあり、それを人に伝え動かすためのソーシャルメディア戦略だということだ。本の構成もロジカルでとにかく読みやすい。これも、メルマガと同じで伝えるための洗練されたテクニックか。
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ソーシャルメディアって、何?個人の趣味?と考えている方、ソーシャルメディアの可能性を探りたい方にお勧め。
オバマさんとネットの相性がよかったのでしょうね。
フラットな視点、
立場になれるネットの特性。参加型にして、更に、支援者もネットに強い人がいて。
だからといって、これを真似できるかは、難しいし、ネットのみで、選挙に勝てるわけではない。
人、時代が、最も効果あるツールを選択したのではないか。
企業、組織でネット活用を考える一つのヒントにはなる。
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この成功物語は、オバマ大統領が選挙に活用したから起こった現象ではない。ソーシャルメディアなどを活用したコミュニケーションプランが
ステークホルダーに影響を与えた対価である。
小さな会社でもステークホルダーとの関わり方をデザインすることで、対象者に対して大きな影響を与えることができることを感じてもらいたい。ソーシャルメディアの成功事例として一読をオススメします。
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オバマがどういうことをやったかというのがチームオバマの中の人たちの証言を交えて描かれている。
どういうことをやってきたということは非常に分かりやすいし、現場の空気も伝わってくるが、日本にどう応用していくかは読者次第だと思う。
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TED: Micro Influence, Entrepreneurship & The Future of Protest
《YES WE DID: An Inside Look at How Social Media Built the Obama Brand》
<日本語版の読者へ>
ソーシャル・メディアは包括的なデジタル・コミュニケーション戦略と組み合わせれば、その真価を最大限に発揮する―バラク・オバマ陣営はそのことを初めて選挙で証明した。オバマ陣営のニューメディア部門は一般市民と意見を交換したり、複雑なことを解説したり、仲間を引き込んだりする有効な手段として活用した。
オバマ陣営はブログや携帯メール、オンラインビデオ、そしてソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を駆使して、何百万人もの市民をボランティア隊に変身させた。ボランティアは仲間同士で連携を取り合って、戸別訪問や電話勧誘、献金集めをした。重点が置かれたのは5ドル、10ドル、15ドル、25ドルという小口献金を何度もしてもらうこと。この画期的な戦略によって、オバマ陣営は最終的に7億5000万ドルを集めた。このうち5億ドルはネット献金だった。
<はじめに>p20
オバマ陣営の選挙キャンペーンは、新しい時代のイノベーションを象徴するムーブメントだ。この新しい流れは民主主義そのもの、とくに政府の内部へのアプローチの仕方を変える可能性がある。オバマ陣営はテクノロジーを巧みに使いこなして人々と関係を築き、情報を伝え、オフライン(現実の世界)の運動を組織することで、現代政治のルールを書き換え、私たち市民と政治家の関係も一変させた。その社会的・文化的インパクトは間違いなく大きい。
《Chapter1: サービス立ち上げ編》p42
①既存のグループを活用する
②メッセージを行動に移す
③「正しい」インセンティブを与える
④体験のパーソナル化
⑤ユーザーとの関係づくりは時間をかける
《Chapter2: オンライン・コミュニティづくり編》p59
①イベントを仕掛ける
②自分達のペースに引きこむ
③オンラインからオフラインへ
④正直かつ率直に語る
《Chapter3: オンライン・コミュニティの活用編》p79
①小さな努力のパワー
②ピンチをチャンスに変える
③ユーザーに手本を示す
④やる気のある人に仕事を任せる
《Chapter4: 過去の教訓を生かす》p85
①カスタマイズしたメッセージ
Cf. 「マイクロターゲティング」
②ネット上の選挙運動
③新しいテクノロジーの出現
データマイニングの手法と電話勧誘用のオンライン・ツールの融合
④イノベーションの前提条件
a. 50州戦略
b. 中間層を狙え
c. 少額の献金を重視する
オバマ陣営は7億5000万ドルもの資金調達に成功した。この数字は共和党のジョン・マケインが集めた3億6000万ドルをはるかに上回る。
《Chapter5: 希望をデザインする》
《Chapter6: 公式SNS:ポイントは「地元密着」と「リアル」》
①ユーザーに目標を意識させる
②ユーザーを「その気」にさせる
③クリエイティブな活動を促す
《Chapter7: クチコミ―ターゲットはお隣さん》
ネイバー・トゥー・ネイバー(N2N)は支持者による電話勧誘や戸別訪問をオバマ選対がネット経由でサポートするフォンバンク(バーチャル・コールセンター)システム。
①ユーザーが気楽に参加できる環境を整える
Cf. peer to peer campaign
②小規模な活動を頻繁に実施する
《Chapter8: メール―「あなただけ」のメッセージの威力》
①目的を明確にして行動を呼びかける
②メッセージ性をもたせる
③モチベーションを与える
④身近な話題を含める
《Chapter9: 携帯メールと携帯アプリ―いつでもどこでも素早くアクセス》
①いつもユーザーに選択肢を与える
②対話を生みだす
③移動先でも参加してもらう
《Chapter10: ブログ―ユーザーをつなぐハブ》
①人間味のあるエピソードを紹介する
②古い機能を新しい方法で使う
③ネットワークの入り口を作る
④主役はユーザー
《Chapter11: SNS―あらゆる場所で存在アピール》
①ターゲットの消費者がいる場所に行く
②適切なSNSを選ぶ
③数でなく関係の深さを大切にする
④ソーシャルエチケットを理解する
⑤SNSを流通プラットフォームに変える
⑥社内外のコンテンツを活用する
《Chapter12: 動画―キーワードは「感動」》
①楽しませながら宣伝する
②消費者に直接語りかける
③動画が短く楽しく
④コンテンツをシェアする
《Chapter13: 分析とオンライン広告―重要なのはトラフィックの質》
①エンドユーザーの視点で考える
SNSやゲーム内広告に枠を購入、検索連動型広告に出稿する
②プロジェクトの効果を分析し改善し続ける
Cf. グーグルアナリティクス、グーグル・オプティマイザー
コンバージョン率
《Chapter14: 新しい政府のかたち―デジタル政権》
Organizing for America
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オバマが当選するのにどれだけ若者が立ち上がり、またインターネットという新しい分野で旧勢力に立ち向かったかがわかる。アメリカの若者の力を感じた。日本の若者ももっと頑張らねば。
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海外におけるソーシャル活用事例として日本とは全く違う世界があった。
こんな大きな動きだとは知らなかったし、一朝一夕に取り入れられるものではない。
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アメリカの大統領は選挙を通してかなり、成長(より整っていくと聞いた事がある)する様が垣間見れたところが、良かったです。
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大統領選でどのようにソーシャルメディアを用いたのか。津田さんが「ウェブ動」で絶賛していたから読んでみた。選挙だけでなく、政策にまでソーシャルメディアを有効に使うには、障壁が多々あるなと思った。アメリカでさえ試行錯誤な中用いているのであれば、日本はネット選挙はまだまだ先か…なんぞ思いながら読了。企業も、ユーザーの反応を細かくチェックしながら改良を重ねていかないと、ソーシャルメディアを効果的に活用するのは容易ではないなと感じた。
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コミュニティーの形成およびマネジメントに、ソーシャルメディアを効果的に作用させるにはどうしたらよいのか。 オバマ陣営が実際に行ったさまざまな施策を、内部の人間の視点から整理してまとめている。 [more] 根底にあるのはNPOのマネジメント術。 インターネットはツールに過ぎないが、それをいかに(いままで誰もなしえなかったレベルで)効果的に活用したか、がこの本の主題。 NPO文化が根付き、ノウハウが確立しているアメリカだからこそ、生まれた手法だといえるかもしれない。 選挙戦に限らず、さまざまなコミュニティーに応用できる可能性がある。 共感(個人的体験の共有)、ピアツーピア、非中央集権(分散ネットワーク)型組織、オンラインとオフラインのシームレスな連携、参加者の自律性 気楽に参加、小さな貢献、貢献の見える化、熱心な参加者へレベルアップ マイクロターゲッティング
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大統領選でオバマがインターネットを使いどのように戦ったのか。
津田大介さんの本で、「ネットと政治の関わりを考える上で必読の書」と書いてあったので読んでみた。確かに、実際にその選挙の真っただ中にいた人が書いているので説得力がある。この著者のパワーポイントもスライドシェアで見た見たが、よくまとまっていた。
日本とは、選挙方法も文化も違うので、このようにはいかないと思うが、アメリカの選挙というお祭りの盛り上げ方として、参考になる一冊。
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第1期オバマ政権誕生を支えたソーシャル戦略についての記録。緻密な設計と草の根ネットワークが支えた選挙戦。
でもやっぱり何より感じたのは支援者の「熱」。
日本の選挙戦にもこんな熱があるんだろうか…。
あんなに長い選挙戦はしなくてもいいけども。
ネット選挙運動が解禁になった日本でも間違いなく参考となる良書。
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2008年のオバマ大統領の選挙キャンペーンにおいてソーシャルメディアというテクノロジーが果たした役割について書いた本。ネット選挙活動が解禁される日本でも参考になるかも。
ネットは空中戦、勝利には地上戦に当たるオフライン活動との連動が必要という点が繰り返し主張されていて印象に残った。また、決してすべての取り組みがオバマ陣営で始まったわけではなく、これまでの積み重ねと反省の上に成り立っていることがわかる。日本でもフラッシュモブや一種の祭ネタはオフライン行動に結びつくけど、政治プロセスがどこまで変わるかは未知数。
あと、データ解析の章は滅茶苦茶あっさりしていて拍子抜けだったが、この辺の話をまとめた文書はないものか。